杉並区堀ノ内の呼吸器内科の口コミ（1件）

このクリニックは外来診療もしますが、難病で引き受ける病院がなく困っている患者（特に人工呼吸器が必要な人）を優先的に長期入院させてくれる一般病院です。私の妻は肺癌で余命3ヶ月と言われてここに入院し、3年後に亡くなるまで様々な治療と手厚い介護を受けることが出来て大変感謝しております。以下このクリニックの特徴を体験に基づき記しますので参考にしてください。

１、 感染症治療のプロ
前のA総合病院では、抗癌治療の途中で何度も肺炎になり耐性菌ができて、これ以上治療ができず余命3ヶ月と言われました。あとは療養型病院やホスピスに転院するしかないと思っていたところ、相談室の方がこのクリニックを紹介してくれました。ここの院長は最先端のアメリカ流の感染症治療を体得していて、この肺炎を直し、その後何度も肺炎を直して癌治療の再開につなげてくれました。寝たきりで呼吸器に疾患があると肺炎になるケースが多いので、その都度直してくれる院長の手腕は心強かったです。

２、 手厚い看護と介護
患者一人当たりの看護師・介護の数が総合病院よりも多いのは、厚労省がクリニック（ベッド数19以下）の規制を厳しくしている結果だそうです。頻繁にタン引きもしてくれますし、呼吸器つきの患者でも週1回の入浴をしてくれます。有名なB総合病院のVIP個室の患者が転院してきてこちらの方が手厚いと言っていました。また理学療法士が通いで定期的に個人に合わせたリハビリをしてくれます。核となるスタッフがしっかりしていて看護・介護が安心です。

３、 患者・家族重視の柔軟な対応
療養型病院ではないので、患者や家族の望む治療を最大限尊重してくれます。私たちの場合は出来るだけの治療を受けたかったので、肺炎が治った後の外科手術や抗癌剤治療、各種放射線治療を受けることができました。院長は患者や家族とのコミュニケーションに熱心で、容態の説明から治療のオプションまで丁寧に説明してくれ、様々な質問に対しても分かりやすく話してくれるので納得できました。

４、 各種治療のマネジメント
クリニックなのでＸ線装置以外のCTや外科手術や放射線装置の設備はありませんが、治療のオプションに応じてどういう病院で治療を受けるのがいいか相談に乗ってくれます。転院という形で他の病院に行くのですが、重要なのは治療後にこのクリニックに戻ってくるという保証を院長がしてくれることです。3年のあいだに5病院に20回くらい往復して各種治療を受けることができました。

５、 入院治療費は療養型病院よりは高い
このクリニックは「長期入院ができる一般病床で、人口呼吸器装着などの難病患者を優先して受け入れる」というコンセプトです。通常は長期入院については療養型病床になり一般病床よりは治療の自由度が制限される構造、したがって医療費用が抑えられる構造（病院がいろんな治療をしても治療の点数があがらす赤字に）なっています。私の妻のように自宅介護は難しく、いろいろな治療を長期入院して受けたいというニーズに対応できるところはこのクリニックだけでした。
長期療養をすると診療や入院報酬の点数が下がるので病院経営を成り立たせるために、その分費用を上げる必要があります。私たちにとっては上記の項目のメリットを受けられたので、このクリニックの費用が高いと感じたことはありませんでした。

最後に唯一心配な点は院長の健康です。他にドクターが1名いますが、このクリニックに毎日（年365日）出勤し、実質的にすべてを仕切っているのは院長なので、彼に何かあると運営に問題が発生する可能性があります。まだ40代半ばでお元気なので、後15年は大丈夫かと思いますが。
以上参考にしてもらえれば幸いです。
このクリニックのおかげで妻との最後の思い出を長く作れて感謝しています。