病院口コミ検索カルー - うつ病は心の動きが完全に止まった感じ。人によって症状も違います。 : 病気体験レポート
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うつ病は心の動きが完全に止まった感じ。人によって症状も違います。

チョココ  (30歳代・女性)

オススメ: 8,908views 2015年05月13日投稿 49votes 6comments
病気パニック障害自律神経失調症うつ病
病院石田内科医院
製薬5mgセルシン錠、アモバン錠7.5、サインバルタカプセル30mg

私はパニック障害からうつ病を併発しましたが、
医療機関で働いていたこともあり、実感することで他人事のように、
「ああ、これがうつ状態なんだ」と逆に冷静に分析することが出来ました。
他の方のように、「死にたい」とか自傷行為まではありませんが、
テレビも音楽も耳障り、本を読むのも字を追うのがうっとおしい、
ネットを見るのもイヤ、絵の具も見るだけで嫌悪感がわく。
これ、全部私の好きな趣味だったにも関わらず、です。
ただただひたすら、天井を見てぼーっと寝ているばかり。
食べるのもトイレに行くのも、そういう生理的現象すらも、
もう動くことすべてがイヤになるのです。無になりたいのです。

頭の中は、ただ一本の棒が果てしなく続いていくだけ。
テレビドラマで、心電図が0になった瞬間、一本の線になるのを、
ご覧になったことがある方は多いのではないでしょうか?
あんな感じで、心の動きが完全に止まった感じでした。
そんな中「うつってこんな感じなんだ……」とぼんやり考えていました。
側から見ていた夫から言わせると、まるで大きな人形のようで、
時々息をしているかどうかまで心配になったそうです。
もしかしたら、目を開けたまま息が止まってるんじゃないかと。

その時に飲んでいたパニック障害の薬の弊害、とのことで、
薬を変えて対処したら、そういうことはなくなりましたが、
やはりどこかであの何も考えない、ぼーっと無の状態になる瞬間が、
恋しくなることがあります。
元より、他人に気を遣いすぎる性格から心に負担をかけ、
甘えるべきところで我慢しすぎてパニック障害を起こしたのですから。
そういう気の弱い部分につけこまれて陰湿ないじめを受け、
ますます追い込まれていってしまったところもあります。
だから、時には無になることも私には必要なのかも、と。
病的な「無の状態」なので、決して好ましいことではありませんが。

その時の周囲の反応に対して、きついなと思った言葉は、
「頑張れば大丈夫!」はもちろんですが、
「そういうのは気の持ちようよ。私なんかそんなものなったことないわよ」
「ゆっくり休めばいい。あわてるな」
「真面目すぎなんだよ、気楽に考えればいいのに」
「いつまでも怠けてちゃ、ますます治らないよ」
「だらだら寝てばかりいないで、少しは運動なりしなさい」
「だらけすぎてると、社会復帰出来なくなるよ」
「気合が足りないんだよ、もっと気を強く持たなきゃ」

……全部善意や好意からの言葉ですよね。
だけどこれ、すべてうつ病患者には負担になります。
気の持ちよう、とは何ですか?強い心とは、どんな心ですか?
頑張って走りたくても、心のガソリンタンクは空っぽなんです。
タイヤはすり減り、エンジンも不調でガタガタなんです。
それでも気の持ちようや気合い、強い心で走り続けることはできますか?

ゆっくり、これ以上ないほど休んでいます。身体的には。
でもそれが、逆に社会貢献できない自分に苛立つ原因になるんです。
気楽に考えられないから、こんな状態になったんです。
うつ病患者とて、日々の生活があります。身体的、精神的に加え、
経済的、社会的に考えなければならない不安は、普通の人並みにあります。
だけど、自分で打開できるほどの余裕も余力もない。
こんな状況で、どうやったら気楽に考えられるのですか?

だらけ過ぎ、それは本人が一番よく分かっています。
だけど身体が上手く動かない。動いても、すぐ動悸で息切れがする。
しかも体調に波があり、今日元気でも明日も元気とは限りません。
運動しても、必ずしも気分が晴れるわけではありません。
むしろ逆に体調を崩す原因にもなります。
これに社会復帰のことを言われたら、トドメを刺すようなものです。

健康な人には、全部言い訳みたいに聞こえるでしょう。
でもこれが、「うつ病」患者の気持ちなんです。
楽しい時や調子のいい時は、うつ病患者だって楽しみますし笑います。
必要以上に動きすぎて、後でがっくり疲れることもあります。
だけど普通の人には、その限界ラインの低さと、好調・不調の落差が分かりません。
表面的には、普通の人と何ら変わりなく見えてしまうから、
都合のいい時だけ、楽しんで楽してるように見えるんです。

よく言われるのは「仕事も家事も出来ないなんて怠けてる、だらしない」です。
現代社会はストレスとの戦いです。そして、皆がそれに耐えています。
耐えられなかった者は、心が弱い者、社会不適合者。
脱落すればすべて終わり、そんな風に誰もが自分を追い込み、
また誰かを追い込むことになんの疑問も持たずに従事しています。
だから言われましたよ、「仕事のストレスくらいで倒れるなんて、
だらしなさ過ぎる。日頃の不摂生が祟ったのよ」って。
これ、年配の方ほどよく言いますね。
高度成長期を根性で乗り越えてきた人には、甘っちょろく見えるんでしょう。
現在の仕事環境が、当時とはまた変化しているとは考えもせずに。

そして、そう言う心ない一言(本人は善意と信じきっていますから、
こちらが傷ついてるかどうかは大抵考えもしていません)を言われるたび、
うつ病に関しての理解が、まだまだ浸透していないとも感じます。
家族ですらそうなのですから、他人なんかもっと辛辣です。
「頭がおかしくなった」「根性がないからそうなる」「楽ばかりしてる」
「だらけてばっかりだから」「なんかいきなり刺されたりしそうで怖い」
「うちの家系でこんなのはいなかった」「(夫)くんが可哀想」
「うつりそうでなんかヤダ」と言った人もいます。
まあ最後の言葉は、夫もちょっと私の心境に引っ張りこまれそうになって、
情緒不安定になった時期がありますから、分からなくもないですが(笑)

うつ病もそうですが、その状態を想像してみることもせず、
簡単に「発達障害」「アスペルガー」などと決めつけて、
まるで病原菌のように人を避け、陰口のネタにしたりしている人が、
本当に多いなあ、とうつ病になってから思うようになりました。
それだけ、病気に対する理解が遅れているのだと思います。
鋼鉄の心で身体的・精神的にどんなに痛めつけられても、
プライドや自分の存在意義をずたずたにされても、
まったく動じない人ならば、そう言って笑うことも許されるでしょう。
でも、本当にそんな人はいますか?傷つかない人っていますか?

うつ病は、誰でも起こりうる病気です。そうなるまでの限界ラインは
人それぞれ、いつ発症するかは誰にも予測がつきません。
自分の体験談を自慢げに話す人もいます。だけど症状は人それぞれ、
その武勇伝が誰にでも当てはまるとは限りません。
身内でも、職場の誰かでも、近所の誰かでも構いません。
自分の周囲にそういう人がいた時、どういう言葉をかけるべきか、
少し立ち止まって考えてみて欲しいと思います。

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コメント(6件)

  • Tony
    私も「うつ」の方を何人も見ています。仕事はストレスとの戦いです。何時自分が患者になるかわかりません。
    貴方の体験談、良いお話を披露していただきました。
    「うつ」の方への言葉、心しないといけませんね。
    投稿:2015/05/15 05:06
  • みみちゃちゃ
    「うつ」って、病気は理解できます。しかし、書き手さまの文章が、長文ですし又、
    上手に書いておられるので、そちらの方がビックリしました。此れだけしっかり、表現できるのが、羨ましいと感じました。身体はしんどくて動くのが面倒とか、実は私も動くのが面倒くさくて、何をするにも億劫だし自分ながら生きてるのが、嫌になる時があります。ある作家は生きてるだけで、いいんだと、おっしゃるけども。それを糧にして生きて居ます。まぁ~、成るようになると開きなおしましょう。
    投稿:2015/05/19 21:06
  • チョココ
    >>Tony さん
    そう、仕事はストレスとの戦いです。そして、皆がそれに耐えています。
    耐えられなかった者は、心が弱い者、社会不適合者。
    脱落すればすべて終わり、そんな風に誰もが自分を追い込み、
    また誰かを追い込むことになんの疑問も持たずに従事しています。
    だから言われましたよ、「仕事のストレスくらいで倒れるなんて、
    だらしなさ過ぎる。日頃の不摂生が祟ったのよ」って。
    これ、年配の方ほどよく言いますね。
    高度成長期を根性で乗り越えてきた人には、甘っちょろく見えるんでしょう。
    現在の仕事環境が、当時とはまた変化しているとは考えもせずに。

    うつの人には、うつになっただけの理由があります。
    もしかしたらあなたにとっては、取るに足りない理由かもしれません。
    けれどそれは、自分の物差しにすぎないということは忘れないで下さい。
    うつ病患者に、アドバイスなどいりません。それは医師でも難しいことです。
    ただ、「疲れてるようだな」「今日はどうした?」と、
    気にかけてる、ちゃんと見てるよという気持ちを伝えるだけで十分ですよ。
    投稿:2015/05/20 00:03
  • チョココ
    >>みみちゃちゃ さん
    私は昔から読書好きでしたし、文章を書くのが好きなので……
    元々、内にこもりやすいタイプなんです。一人で過ごすのも好きですし。
    ただその分、人とのコミュニケーションは下手ですし苦手です。
    不満も愚痴も、自分の中に溜め込んで我慢してしまいます。
    だから余計、うつ病に罹りやすかったんでしょうね。

    幸い、「生きてるのがイヤ」とまでは思ったことはありませんが、
    生活環境や経済状況、将来のことなどいろんな状況を考えると、
    「私がいなくなったら、みんな楽になるだろうな」と考えることはあります。
    特に、一番負担をかけている夫には。
    愛してるからこそ、解き放った方がいいのかも……とも考えました。
    それを言ったら「そういう予想外の全部を含めて、一緒に生きるつもりで
    結婚しようと思ったんだから、それは全部俺の責任だ。おまえの責任じゃない」
    と言われました。嬉しかったけれど、重荷であるという自責の念は消えません。
    早く社会復帰したい。そればかりを願っている毎日です。
    開き直り、上手くできたらいいんですけどね。なかなか出来ません。
    だから、何かに挑む時、呪文のつもりでいう言葉があります。
    「人生は、度胸、ハッタリ、開き直り。さて、行こうか」
    投稿:2015/05/20 00:20 編集:2015/05/27 16:30
  • (削除されました)

  • みみちゃちゃ
    「うつ」って、大昔から、人間ばかりでは無いでしょう。と言うより現代病みたいですが、情報が多過ぎて大変な病気に罹って生活事態が大変だと理解できます。在るがままに生きて行きませんか。
    投稿:2016/05/31 13:18
  • ジンキ
    チョココさん初めましてジンキと申します。

    私は今年37歳の男です。

    実は19年前に鬱になりまして現在も自分と闘っています。

    チョココさんの仰る通りで私も普通に生きて仕事もしています。

    心に底無しの闇を感じる時もあります。

    楽しいと感じる時も普通にあります。

    音楽が好きでバンドもしています。

    ですが、何よりも一番感じるのは同じ今日がずっと続いている感覚と言うか19年前のあの日から変われた気がしないって事なんです。

    チョココさんは御自身の経験について、とても細かく分析をして文章にされてると思い共感出来る部分も沢山あって、しっかり自己と向き合っている方なんだと思いました。

    私は底無し沼のような心の闇は誰にでも、心の世界にはあるんだろうと思うようにしました。

    ですので、闇があれば普通の街もあり歓楽街もあり楽しめる場所もあるんです。

    幸いにも私は五体満足な身体でいますので、上手く自分自身を労り鍛えながら人生楽しんで行こうと思っています。

    チョココさんの心が輝く事を願っております。


    投稿:2018/10/15 00:36

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