脳梗塞を経験し、過度な糖質制限。後遺症は体だけではなく精神面にも
ocean21y
(60歳代・男性)
2014年10月に脳梗塞を発症しました。
朝、目が醒めると、濡れた道路を走る車のタイヤ音が聞こえました。
カーテンを少しだけ開けて道路を見ると、グレー色になった濡れた道路が見えました。
「雨が降ったんだな」と思い、庭に出るため一階に降りて玄関を開けると目の前に水溜りがあったので、避けるように表に出てみたらあっという間にビショビショになる程の雨が降っていた。
その雨が見えなかった。
元々視力が悪い私はメガネをかけてないからか?と思いリビングに駆け込んでTVとPCのスイッチを入れた。
いつもの席でいつものようにTVを見ると、スイッチが入り画面が明るくなったのは分かるけど司会者や出演してる人の顔が分からない。
眼鏡をかけても見えない。
そこで初めておかしいと感じた。
時間は午前5:30頃。
PCで調べようとしてキーボードを打っても画面の文字が見えない。
鼻先がモニターにくっつくほど顔を近付けて「朝起きたら目が見えない」と入力しEnterを叩くと「脳梗塞」という文字が見えた。
しかし脳梗塞の知識もなく怖さも知らない自分は、救急車を呼ぶのを躊躇い、いつも通院している東邦大学佐倉医療センターへ自力で向かった。
どうにか無事に着いたけど、もうほとんど見えなくなっていた。
家を出る前に妻に病院へ電話をしてもらい状況説明はしてもらってあったので、スムーズに事が運ぶと思っていたが、そうは上手くいかなかった。
病院に入った頃には手探りで壁や手すりを触りながらじゃないと、ぶつかってしまうような感覚になっていた。
すごく怖かった。
そんな状況で電話で言われた通り受付までどうにかたどり着いた。
「電話した○○ですけど。。。」と言うと「目が見にくいんですよね?」と言われたので「見えないんです」と伝えると「とりあえず眼科に行ってください。眼科には連絡してありますから」との事で行き方を聞いて、また手探りで眼科の受付に行った。
眼科の受付に到着すると問診票を書くように言われたが、「見えなくて書けません」と告げると指で指して「ここに名前と生年月日を書いてください」と言われたけど書けずにいて、立ってるのも辛くなって「とりあえず座らせてください」とお願いした。
すると「救急車で来ない人には皆さん書いてもらってます。座ってゆっくり書いてください」と言われたけど何時間も座ってるのも辛くなり、前のめりになっていたら、診察室の中の方が気が付いて声をかけてくれた。
そこですぐに、「先生に相談してくるから待っててください。ベッドで横になりますか?」と聞いてくれて横にさせていただいた。
眼科の受付に行ってから2時間前後が経っていた。
すぐに眼科の先生が来てくださり、容態を確認後、車椅子とヘルパーさんを用意してくださり「これは眼科の症状ではない可能性もあるので、今からMRIを撮っていただきます。神経内科の先生に連絡しましたのでMRIの後に神経内科へ行って何でもなければ眼科に戻ってきてください。問題があるようでしたら神経内科の先生の指示に従ってください」と言われMRIを撮り神経内科へ車椅子で連れて行かれた。
暫くすると呼ばれて車椅子のまま診察室に行くと、先生はPCに向かっていた。
そして「○○さん、貴方の病名は脳卒中です」私は「え?」としか言葉が出ませんでした。
続けて先生は「今から一切歩いてはいけません。車椅子での移動になります。○○さんの病名は脳卒中、脳梗塞です。すぐに入院してもらいます。入院したからといって必ず良くなるとは思わないでください。詰まった場所が非常に危険な場所です。入院しても、これから24時間以内に亡くなる可能性は50%あります。それを乗り越えれば72時間以内に亡くなる可能性は30%と少なくなっていきます」と言われたが他人事のように聞いていた。
そして家族を呼ぶように言われて車椅子を押されながら診察室を出た。
その場から点滴は始まった。
病室は一般病棟団体部屋が空いてなく、個室になった。
運良く手足等の麻痺は無く、視力だけの後遺症だった。
入院中に視力もだいぶ戻ったというか、慣れたというのか思った以上に不便は感じなかった。その時には。
その後退院してからは節制していたが、年末年始で暴飲暴食をしてしまい2015年1/5の定期診察の時の血液検査でとんでもない数値が出てしまった。
先生は「○○さん、このままだといつ死んでもおかしくないですよ。死んでしまいますよ!」と言われマズイと思った。
それからすぐに色々調べて糖質制限を始めてみた。
視力以外の後遺症は無く、視力も欠けができてしまったけど上手く付き合えば大丈夫と感じていた。
この時の体脂肪率は22前後と最悪だった。
色々調べて超糖質制限を始めてストイックに筋トレやジョキングも始めた。
筋トレとスクワットで2時間前後。ジョキング、ウオーキングで1日10km前後。
米類や練り物、そば類等は一切摂らず飲み物はミネラルだけ。
晩酌は日本酒をやめウイスキーと焼酎だけ。それもロックか水割り。または糖質0の発泡酒だけにしました。
そうして運動もして糖質制限をストイックに続けた結果2ヶ月経っても体重は減らず体脂肪も以前のように13%台になりました。
これで上手くいくんだと思っていましたが、目標は体脂肪ひと桁だったので思い切りストイックに続けました。
それから数日後、風呂に入る時に鏡を見ると、首回りの筋肉が無くなりシワが目立ちました。
お腹は凹みシックスパックにもなりましたが首まわりと、よく見ると顔の筋肉も垂れてきたように感じて、マズイ!と感じ糖質制限をストップして運動だけでやっていこうと考えました。
その頃先生からも「軽い糖質制限の方が良いですよ」と言われてました。
しかし時は既に遅しで血液検査の結果は良かったですが色々な障害が出てきました。
まず最初に出たのは食欲不振で食事が喉を通らない。
糖質制限中にあれほど食べたかったラーメンやピザもひと口ふた口食べると気分が悪くなってしまいました。
次に嚥下障害。
食べた物が喉の途中で止まってしまい飲むことも吐き出すこともできなくなって死んでしまうかと思ったことも何度もありました。
それから慢性的な頭痛。
高血圧。
耳鳴り。
眩暈。
不眠。
これらを感じるようになったのは脳梗塞から半年後くらいです。
その引き金は糖質制限をストイックにやり過ぎて、脳への栄養が制限されてしまったのかと考えて、糖質制限を辞めたんですが食欲不振で食べられない。
歩いていてもデパート等の明るく電気が反射するような場所では目が回ってしまう。
以上のような症状が続くと悪いことしか考えなくなり不安になり、「死」という言葉が毎日のように頭のどこかにあるようになってしまう。
夏に大好きな高校野球を見に行った時にも、客席に座ると眩暈がして転げ落ちてしまうんじゃないかと思って気が気ではなかったです。
それを医者で先生に相談するとパニック障害が疑われるとのことで、弱い薬を処方していただいた。
定期的に飲むのではなく症状が現れた時に飲む頓服薬として処方された。
しかしこのような薬に抵抗があり、我慢に我慢を重ねてそれでもダメな時に飲むようにしていたが、効いてくるまで時間がかかり辛い時間を過ごすことになるので早めに飲むようにしてからはだいぶ楽になった。
今も3日に1度くらい飲むことがある。
それは決まって、目の見え方が悪い日や喉の異物感がひどい時、血圧の高い時等、身体にちょっと異常があって心配になった時です。
今の状態は精神的に厳しいけど、他から見ても脳梗塞を経験したようには見えないだろうから、頑張るしかないと思っています。
脳梗塞後の糖質制限はお勧めできません。
やるならばご飯を半分にしたり、練り物はできるだけ避けて糖質の高いペットボトルのジュースは水やお茶に変えるだけで、今まで摂取していた糖質の半分くらいになります。
無理せず自然に糖質を減らしましょう!
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