急に強烈なめまい。脳梗塞を発症し救急搬送。同時に未破裂脳動脈瘤も発覚。
りか (50歳代・女性)
仕事場で急に強烈なめまいがし、ろれつが回らなくなり救急車で搬送され、脳梗塞と診断されました。
前日・起床時共に普段と何も変わらず、仕事へ向かいました。
仕事が始まり、1時間ほどしていつものように電話対応をしている最中に、下を向いてメモを取っていると強烈なめまい。メモを取りながら視界がぐるんと一周したような感じでした。
めまいは一瞬「ぐるん」という感じだけで治まり、電話の最中ということもあり、そのまま対応を続けていると、ろれつが回らなくなり、自分の発している言葉がおかしくなりました。
すぐに同僚へ電話を代わってもらいましたが、これも、一時的で2~3分である程度話すことが出来ました。
周りから「顔が真っ青になっている」と指摘され、病院へ行くか?と聞かれましたが、私自身は、気分が悪いとか、頭が痛いとか、特に症状が無かったので、「更衣室で少し休みます」と伝え、横になろうと思いました。
が、別の同僚が「動くな」と。
「立てるか?」と聞かれたので、「立てる」と立ち上がりましたが、「馬鹿、立つな!」と怒られ、「すぐに救急車を呼べ」と他の同僚に指示し、救急車を呼び、「梶川病院へ」と運ばれました。
「立てるか?」と聞いた同僚、実は、自分の経験から「脳」だと思ったらしく、救急車の要請と、梶川病院の指定をしてくれました。怒ったのも、立つと血圧が変わるため、悪化することがあるからだと、後から聞きました。
救急車で搬送中も、痛みもなければ、気分の悪さも全く「無症状」であったことと、父が脳梗塞で亡くなっていた為、「脳梗塞」をおこしたときの症状が自分とは違っていた為、「たいしたことはないだろう」と考えていました。
「両手は動く」「両足も動く」「頭痛もなし」
と、父が訴えてた症状を救急車の中で確認し、「大丈夫・大丈夫」と思っていました。
会社からすぐに家族へ連絡がされており、病院へ到着した時には母と妹が既に待っていました。
心配そうな家族の顔をみて、「たいしたことないのに申し訳ない」と情けなくなったのを覚えています。
到着後は記憶があいまいなのですが、すぐにCTを撮り、次にMRIを撮った記憶があります。
CTを撮った後に家族に説明があったようで、母が「脳梗塞だって」と伝えてくれ、泣きそうな妹が横にいたのが印象に残っています。
MRI撮影を待つ間、看護師さんから「トイレは大丈夫?」と聞かれ「大丈夫」と言ったものの、30分以上かかるとのことだったので、「やっぱりトイレに行く」と伝えたら、「先生に聞いてみますね」と言われ、結局「起き上がるのはNG、動いたらダメ」ということで我慢になりました。
MRIを撮っているときでさえ、手の指先や足先をもぞもぞ動かして、「動くじゃん、麻痺してないじゃん」などと安易に思っていました。
同時に9mmの未破裂脳動脈瘤も見つかりました。
発症から病院に到着し、検査後投薬(治療)まで3時間~4時間以内でしたが、t-paではなかったようです。家族には説明があったと思いますが、覚えてません。
父が倒れたときは、時間内なので新しい治療方法(t-pa)が間に合うので、こちらで治療します、と言われました。
なので、私もt-paなのかな?と思いましたが、いわゆる「血液サラサラ薬」の投薬だったようです。(ヘパリン?って点滴に書いてあった気がします)
当然、即入院。来ていた制服を寝たまま脱ぎ、おむつをはめられ、病院着をかけられ(手だけは通したかな?)、布団をかけた状態で病室へ。集中治療室ではないですが、24時間監視のスタッフルームの真横の部屋でした。
入院の準備で待機している間に、主治医から脳梗塞等の説明があり、その際、「かくれ脳梗塞の跡がありますね」と言われました。
そこで思い出したのが父と自分の症状。
父は倒れるひと月ほど前に、一時的に右が見えなくなったことがあったと聞きました。
仕事中、運転席に座った時、目だけで右のサイドミラーを見ると見えないけど、首少し動かしてみると見えるということが起きたようで、そのまま少し車の中で休むと元に戻った為帰宅したという症状で、倒れて運ばれた病院で「以前にも軽い脳梗塞を起こしてますね」と言われました。
私は半年ちょっと前に左の手(正確には指・特に小指)が動かしづらくなりました。
丁度、寒い時期に手が冷たく動かしにくい感じに似ています。
仕事でパソコンを使用していますが、「かじかんでうまくキーボードが打てない、打ちにくい」感じだったのと、左の小指は過去に脱臼したことがあったので、あまり気にしていなかったのですが、しびれた感じがだんだんと出てきたので、病院へ行きました。片手だけの痺れ、動かしづらさ だったので(父のこともあって)、整形外科ではなく、総合病院へ行きましたが初診受付の総合内科から結局整形外科へ回され、「胸郭出口症候群」だろうと言われました。(両手に症状はなかったですが、手を挙げる検査でわずかに脈拍が落ちていた為?らしい)
もしかすると、これが「軽い脳梗塞の症状だったのかな?」と。
血圧も正常(少し低め)、毎年受けている人間ドックでは特に問題はありませんでした。
血液検査でも、コレステロールがちょっと・・・という程度で、動脈硬化を発症していたわけではありませんでした。
原因を調べるために、症状が落ち着いたら検査をするとのことでした。
水分は取っていますか?と聞かれ、あまりとらないです。と言ったら怒られました。(仕事中、カップ1杯飲むか飲まないか・・・でした。当然血液ドロドロになりますよね・・・)
時間の経過がはっきりしないのですが、寝たきりの状態から2~3日後から(もっと後かもしれませんが)30度、60度と徐々に体を起こすようにし、一週間くらいで様子を見ながら、ベッドの上で座ることができるようになりました。
起き上がれるようになってからトイレは自分で行けるようになりました。点滴をしながらなので、点滴をごろごろしながら杖代わりにしての移動です。
麻痺は左側のようでした。「ようでした」というのは、自分では麻痺しているということがはっきりわからなかったから。ベッドにいる間は、感じることがほとんどなかったのですが、リハビリをするようになって今までなんでもなかった動作のはずなのに、妙に動かしづらい箇所があることに気が付きました。
中でもびっくりしたのが、手のリハビリで。左に置いてあるボールを右に移動させるというような肩(肩甲骨?)を水平に動かす動作がうまくできなかったこと。
動かないわけではないですが、非常にゆっくりした動きになっていました。
後は、顔の筋肉。自分ではわからないですが、頬をあげる(にーっと笑うような動作)と、左頬がワンテンポ遅れていたようです。
手のリハビリ、足のリハビリ、顔(言葉)のリハビリを毎日しました。
当初、入院期間は不明でしたが(詰まった血管の状態や麻痺の程度によるから?私が聞いてないだけかもしれません)結局退院したのはおよそ一か月後でした。
退院後、10日から2週間ほど自宅療養し、再び脳動脈瘤の手術のために再入院しました。
この時点で、脳神経内科から脳神経外科へ変更。主治医も変わりました。
脳神経外科の医師からは、「脳梗塞の原因は不明です」と言われました。
詰まっていた血管は、詰まりがなくなり、MRIで消えていた血管(詰まった先の血管は血液が通っていないので見えなくなっていた)は再び見えるようになっていましたが、詰まっていたところの血管内は画像を見る限り綺麗になっているとのこと。動脈硬化やコレステロール等が原因での血栓だと内側がぼこぼこしていることが多いが何もないとのこと。
不整脈(心房細動)もなく、心臓からの血栓ではないと思われること。
高血圧でもなく、糖尿病でもない。一般的に脳梗塞を心配する年齢でもない。
考えられるのは、血管の内側がはがれる、解離(乖離?かいり)ではないか、ということでした。
未破裂脳動脈瘤が破裂する可能性は、年に数%(1%も満たない)だったと記憶していますが、私の場合脳梗塞を発症しており、血液サラサラの薬を使用しているので可能性が上がること、大きさも9mmと1cm近くあることから、手術をしたほうがいいということで、血管内コイル塞栓術を受けました。
入院から検査、手術、退院まで、1週間~10日程度だったと思います。
その後、倒れてから1か月半で職場復帰。
丁度、年末年始の休み前の2~3日前に午前中のみの出勤からはじめ、休み明けからは通常業務となりました。
血管内手術なので、体にメスを入れたわけではありませんでしたが、退院時に医師からは、「病院内に居る時にはわからないかもしれないけど、手術によって体力はすごく落ちているから、無理は絶対にしないように」と言われました。
その後、3か月ごとの通院、半年おきにMRI、半年~1年程度の頭部レントゲン(コイルの確認)、血液サラサラの薬(プラビックス)と「念のため」のコレステロールの治療薬(プラバチスタン)(予防と「かいり」予防の血管増強もあるらしい)の服用。
よくネット等では「前兆」が・・・と書かれていますが、私の場合、全くサインとか前兆らしいものはなかったです。
また、「かいり」が起きるときは、「痛み」を伴うらしいですが、その痛みもよくわかりませんでした。
しいて言えば、当日の朝、「首が痛かったような気がした」ということでしょうか。
肩こりや首こりは常にあったのですが、いつもとは違う首の違和感(痛み?)があったのは確かです。
喫煙も原因と言われています。当時、喫煙者でしたが、ヘビースモーカーではなかったと思います。(入院中は絶対安静なので、強制的に禁煙になりました)
痛みも自覚もまったくありませんでしたが、一番苦しかったのは、脳梗塞の原因を調べるために心臓の検査をしたことです。心臓にカメラを入れました。
胃カメラの経験はありましたが、胃カメラと違って、食道ではなく器官にカメラを入れるらしく、痛みと苦しさで二度と受けたくない検査の一つになりました。
面白いと思ったのが、手術を受ける際の検査の一つで、腕の動脈からカテーテルを入れたことです。レントゲンを見ながらの検査で、私も見ることが出来たのもおもしろかったです。(注射等、凝視するタイプです)
しかし、それよりも、カテーテルから薬剤を入れたりするたびに「頭の中が光る感じがするよ」「顔の左側だけ熱く感じるよ」と先生がおっしゃるのですが、ホントにその通りに左側だけがかーっと熱くなったり、フラッシュを浴びたように目の前が光ったりして、脳の専門家ですから当たり前だけれども、単純にさすがだなぁ~、すごいなぁ~と感動していました。
現在、丸4年が過ぎ、5年目に突入しました。
薬も先日から服用なしとなり、通院も半年に一度となったところです。
個人的な感想になりますが。。。
当時はほとんど気にならなかった麻痺ですが、月日が経つにつれて動かしにくさを感じます。
歩きすぎたり、重いものを持って動かしたり(やりすぎたり)すると、だるくなったり、痛みを感じたりします。
通院の際に医師に尋ねると、脳梗塞によって麻痺した場合は、どうしても脳が「疲れた」という信号を出すので、痛みやだるさを感じやすいとのことでした。
動かしにくさはどうしようもないので、「動かさない」ではなく「動かす」ように心がけています。
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