父の胃がん(ステージ4)の場合。広範囲のため切除できず、バイパス手術のみ行いました。
ラベンダーアメジスト096
(40歳代・女性)
父ががんであると分かってから、これからどうなるのか不安で不安で…子供を寝かしつけているときでも携帯は見れるので、ブログや体験談を読み漁りました。この体験談もそんな方のお役に立てればと思います。
判明
春頃です。急に嘔吐し、その後は殆ど食事が摂れなくなってしまいました。
殆どというのは、朝食を一口二口、水分も1日200ml程度でした。これでも本人は頑張って、無理して口にしたそうです。
明らかに様子がおかしいため、すぐに近くの胃腸科を受診。
内視鏡で見てもらったところ、病変があり、うちでは手に負えないとのこと。
細胞診の検査結果をみてから大きな病院へ紹介状をもらおうと思っていましたが、何日も食事が摂れないため、直ぐに紹介状をもらい、がんセンターを受診しました。
その間も食事も水分摂取もできないため、親族(医療従事者)のすすめで、近くのクリニックで点滴をお願いしました。
人は1日1~2リットル程度の水分を必要とし、摂れない場合は衰弱してしまうためです。
がんセンターを受診
検査には何度か足を運び、血液検査、肺のX線撮影、CT撮影、内視鏡検査、胃と十二指腸のX線撮影、歯科検査と、かなりの時間を要しました。
入院
水分すら落ちていかないため、内視鏡の検査ができず、胃の内容物を取り除いた後に再度検査をする、十二指腸に直接栄養を入れる処置をすることになり、事前の入院から手術となりました。
検査結果
幽門部に腫瘍があり、飲食したものが落ちていかずに、胃の中になみなみと溜まっている様子が写し出されていました。
(開腹しないと)CT画像でも、詳しい転移やステージは分からないらしく、ステージ3bか4と伝えられました。
治療方針
手術は、開腹し、取れる大きさであれば切除して、もし取れない場合は緩和処置(姑息手術)となり、食事が摂れるよう、胃の上部と小腸を繋ぐバイパス手術にすることになりました。
(余談)
開腹して取りきれない場合は幽門部にステントを入れるか、バイパス手術をするという説明もありましたが、バイパス手術の方が確実ということで、ステントは入れないことになりました。
手術当日
手術時間は説明がありませんでしたので、ネットで色々調べました。
だいたい2時間程度であれば、手が施せない状態であるということが分かりました。
手術中、いつ終了の連絡が来るのか、重い空気の中、待っていましたが、2時間半で手術終了の連絡が来てしまいました。
やはり、開腹して分かったこととしてはステージ4、幽門部から十二指腸、小腸、大腸への浸潤が広範囲のため、切除できず、バイパス手術のみ行ったとのこと。腹膜播種はなし。恐らく、すい臓への浸潤もあり、リンパ等への転移は不明(詳しく調べてない模様)
また、病巣のある小腸部分が癒着してしまう可能性があるため、小腸同士を繋ぐ予防処置もしたとの説明がありました。
退院後
外科は1回、内科は2回受診しました。
内科は、今後抗がん剤治療の説明を受けました。抗がん剤治療をすれば、余命1年、しなければ半年と。
抗がん剤は、胃がんでは一般的なTS1+シスプラチンから始める。効果がなければ、別のものにする。がんセンターなので、治験ができるとの話もありました。
しかし、辛い治療をしても1年、その間の時間も惜しく、親族からも「2クール目からがキツいんだよね」という話があり、抗がん剤の話は断りました。
退院後、少しだけ化膿していた部分がなかなか良くならず、見ている方が痛々しく、近所のクリニックで化膿止めを出してもらおうかとも思いましたが、デメリットを考え辞めました。清潔にすることで完治しています。
食事量は今までの1/3~1/2程度。今まで好きだったものが食べられなくなったり、逆のパターンもあり、食事を作る母はだいぶ苦労していたようです。
その後
近くの総合病院に月1回通院しました。
退院後は、ぼーっとしている時間が多かったものの、日が経つにつれ、何度か旅行に行けるくらい元気になりました。
このまま治ってしまわないかな?と思うくらい、食欲もあり、痛みもなく、安定した穏やかな時間を過ごすことができました。
(以降、父の最期について記載がありますので、読まれたくない方はご遠慮ください。)
寒くなった頃、また徐々に食欲がなくなり、あまり食べられなくなってきました。
もうすぐ年末で実家に帰省しようと考えていた直前、父が倒れたとの連絡を受けました。
脳梗塞でした。
あまりに水分も取れなかったため、血栓ができてしまったようです。
幸い、脳梗塞自体は軽いもので、意識もあり、手足も動かすことができました。
しかし先生は病状からいって、帰宅することは現実的ではないと説明がありました。
余命1ヶ月です。
入院中、病院食は美味しくなさそうなので、好きなものを食べさせてあげたいな、と思っても、気持ち悪くて食べられない事が多く、胃がんの辛いところだなと思います。好きだったものを持参しても食べられませんでした。
ある日、面会に行くと、昼食をほぼ完食したと父が言いました。ついに記憶までダメになったのかと思ったら、本当の話でした。
甘いものも食べてみたいというので、コンビニで購入してきたものも食べられました。嘘のようでした。
どうやら、前日にステロイド(吐き気止め)を処方されたらしく、その効果だったようです。
ステロイドを検索すると、制吐剤とでてきます。抗がん剤の吐き気を抑えるためのもののようですが、効果があったようで、倒れる前より食べられていました。
これに安心しきっていたのですが、数日後の朝、吐血と下血があったと病院から呼び出されました。
吐血の量は多くないものの、下血が酷い状態でした。苦しそうなので、この日から鎮静剤を使うことになりました。
鎮静剤を使うと、意志疎通が出来なくなってしまうと思いましたが、容量の問題なのか、7割眠って3割起きているような状態になり、起きているときには少し話もできました。もちろん、声を聞き取るのも簡単ではありませんが、頷いたりもできたので、話もできました。鎮静剤はミダゾラムを使用。最初は2ml/h、その後4mlに増えてました。
最期
病院の呼び出しから1~2日で下血も治まり、小康状態が続くのではないかと思った矢先、夜中に呼び出しがありました。
痰の吸引中大量に吐血したとのこと。朝まで持つかどうかと言われ、病院に駆けつけました。
痰がからみ、呼吸も荒く、数日前から始まったしゃっくりが止まらず、辛そうでした
。苦しくない、痛くない様にして欲しい、延命しないで欲しいという意思を尊重し、鎮静剤の量を増やしてもらいました。
その後再度大量に吐血し、未明に呼吸停止、心停止となりました。
(余談)
しゃっくりは亡くなる3日前から始まりました。不思議なことに、眠っているときにはでません。起きているときだけしゃっくりがでます。1日目には水を飲むと止まっていたのですが、2日目はなかなか止まらず、3日は起きているときにずっとしゃっくりが続いていました。
水はそのまま飲ませるとむせてしまったので、看護師さんに相談し、少しとろみをつけて飲ませました。
病院からの呼び出しがあり、私が到着する頃、父はしゃっくりをしていました。呼び掛けても返事もありません、ただ苦しそうに早く浅い呼吸をしていましたが、きっと意識はあったのだと思います。
最後まで痛みはありませんでした。亡くなる前日は少し息苦しいと言っていましたが、長引くことなく、苦しくなく逝ったのだと思います。
私の後悔
父はもともと塩辛いものが好きでした。そして、タバコも大好きでした。胃がんの要素は多分にありました。
数年前までは人間ドッグに行っていました。そこで肺に小さな影があると言われたことがあります。しかし、経過を観察してもガンでは無かったようです。これが、父としても安心してしまったのか、待ち時間などが面倒だったこともあり、年金生活なので他のことにお金を使いたかったこともあり、人間ドッグをやめてしまいました。これを続けていれば、ステージ1~2位で発見できたのだと思います。私も定期的な検診をすすめなかったことを後悔しています。また、母は少し少食になったことを気にしていましたが、年のせいではないかと受け流してしまったこと、味覚が少し変わったような気がしたことを見過ごしてしまったこと。気付けるチャンスはあったのです。もう少し父に関心があれば…。何度も後悔して泣きました。
父は病院にも行かない人でした。保険料を払うより、実費の方が安いくらい…。反面、体が弱かったり持病がある人は、定期的に病院に行ったり、自分の体が心配なのでケアします。その方が長生きできると思いました。自分の体に関心を持つことが大事なことなのだと痛感しました。
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