胃の痛みを1ヶ月放置し、胃穿孔で敗血症性ショックに。幸い寝たきりにならずに済みました。

家族(50代男性)が胃に穴が開き、敗血症性ショック、多臓器不全となりました。
もう四年前です。家族は生きています。
医学的なことは私には分かりませんが、当時「敗血症性ショック」で検索すると、生存率などシビアなことばかりでてきて闘病については分からないことだらけでしたので、覚えていることを書きます。

(病院１軒目)
家族が「胃がいたい。食べると痛い」と言い出しましたが、病院嫌いで１ヶ月ほど我慢していました。
１ヶ月たつと耐えられなくなり、なんとか説得し病院へ。
レントゲンや血液検査など一通り検査。
「水しか飲めないので」と伝えたのですが「水がのめれば大丈夫」とのこと。週に一度の外来なので、来週の今日くるようにと言われ、胃薬だけ処方されました。
帰り際、看護師さんに「本当になにも食べられず、一週間もみていられません」と伝えましたが「診るのは同じ先生がいいので」と。
この時、救急病院にかけこむべきでした。

(病院２軒目)
次の日の夜。
なにも食べられず一日すごし、夜「寒い」と言い出したので熱を測ると３２度。救急車を呼び近くの総合病院へ運ばれました。
病院で電気毛布で温め輸液してもらうと体温が戻り、寒さと食べなかったことによるものだろうとの診断で、一晩とまることに。
家族は帰宅し、次の朝迎えの準備をしていると「至急きてください」との連絡。
ICUに運ばれており、体温がまた３２度に、血圧も90をきり、心拍数も100ちかい。本人はうわごとのように「喉が乾いた」と言いますが水はのめず。輸血などしても血圧はあがらず、医師にきいても「原因がわかりません」とのこと。
夕方、たまたま病院に立ちよったベテランの先生が「胃の痛み」「なにをしても血圧が回復しない」ことから胃せんこうを疑い「もしかしたら移動している間に死んでしまうかもしれませんが、CTしてみないとわからない」といわれ検査。胃穿孔がみつかりました。
先生が病院に立ち寄らなかったら、原因不明で死んでいました。本当に感謝しています。

穿孔は見つかったものの、手術室があいておらず、先生があくまで何時間も待っていたらもたないと判断し、すぐに手術可能な病院を当たってくれました。

(病院３軒目)
すぐに手術可能な病院が見つかり救急車で移動。
外科の勉強会があり、外科の先生６人全員いる、非常にラッキーな状態でした。
手術の同意書を書く際に、全身状態が非常にわるく手術中なくなる可能性かあると説明されました。

三時間ほどで手術終了。
開腹→洗浄し、穿孔を縫った状態。
なんとか成功したようです。

手術後は、何本もドレーンが出ており、抗生物質やアルブミンを点滴。人工呼吸器をつけていました。
サイトカイン吸着法を２度行いました、そのあと病状がよくなっており、効果があったようです。

この時点で多臓器不全になっているとのことでしたが、本人は手術後２週間は人工呼吸器をつけ、鎮静剤で眠っていたので、わたしたち家族は、どうなっているのかよくわかりませんでした。

しかし、２週間たったころから、一本ずつドレーンがはずれ、人工呼吸器がはずれ、意識のある時間が増え、、、
なかなかつかなかった手術跡もすこしづつふさがりました。
３週間後、一般病棟にうつることができました。
このころからやっと「死ぬかもしれない恐怖」がうすらいできました。

体重は２０キロ近くへり、せん妄もひどく、食べられない、うまく話せない、起き上がれない、当然歩けず。一時は寝たきりになるかもしれないといわれました。
夜間は熱がでることも多かったです。
しかし、少しずつ食べられるようになり、普通に話せるようになり、リハビリをして歩けるようになりました。
退院できたのは３ヶ月後。
それまで、薄皮をはぐように、すこしづつすこしづつよくなりました。
普通に働くには半年ほどかかりましたが、生きているだけで有り難いです。

たくさんのお医者さんや看護師さんに支えてもらったおかげです。
本人は辛かったのではないかと思うのですが、救急車にのったあたりから、回復し一般病棟にうつるあたりまで、覚えていないようです。ICUで２時間ごとに体位交換してくれた大恩人の看護師さんがわかりませんでした。。。


入院中、外科に入院していたのですが、大病かと思っていたがんの患者さんの多くが一週間後には退院していきました。
わたしの家族はもとは胃潰瘍だったようですが、３ヶ月かかりました。
やっぱり不調を感じたら病院！健康診断をきちんとうけるのは大事！と痛感しました。
胃の痛み、なめてはいけませんね。

いま、敗血症性ショックでなやんでいる人がいたら、よくなりますように。