治療を続けていた間、長く苦しんだ子宮筋腫。自ら情報を掴み取る機会を！

私が婦人科に通院し始めたのは32歳の頃で、44歳で子宮筋腫の手術するまで約12年間通っていました。
生理が始まった時から生理痛に悩まされ、月に1度の生理に怯える、そんな風に生理と長年付き合って来ましたし、生理痛のない人をどれだけ羨んだかわからないほど苦しい思いをしてきました。

私が10代、20代前半の頃は今のように生理痛が酷ければ婦人科に行くそんな時代じゃなく、「病気じゃないんだから」と周りの人に言われてしまう、だから痛み止めを飲んで必死に我慢するのが当たり前だったと思います。
そんな考えが私の頭にどっぷりこびりついていたのか、とにかく婦人科に行こうなんて事は1度も思ったことがありませんでした。
ただ25歳、30歳とどんどん酷くなり、もう我慢も限界と感じ婦人科に行く事にしました。

初めて行った病院では説明もなく「生理痛が酷いのなら生理を止めますか？」、次に行った病院では内診の後「役立たず」と言われ、婦人科なんて嫌と思ったのですが、ある女医さんに出会い通院する事にしました。
最初の診察で初めて私の今までの辛さをわかってくれたからです。

診察の結果は4㎝の筋層内子宮筋腫と子宮腺筋症でした。
治療のため中用量ピルをすすめられ服用しましたが、吐き気がすごくて飲めず先生に「無理です」と言ったところ、男性ホルモン様用効果があるダナンカプセルを飲んで欲しいという事になり、生理痛を治したい気持ちで始めましたが、私にとってこの薬は本当に辛くて苦しいものでした。
半年間無月経にして治療する薬だったのですが、かなり副作用がでてしまいました。
3～4年の間に3度ダナンカプセルによる治療をしたのですが、1度目は胸がペッタンコになったり、スネ毛が生えてきたり、男性ホルモンの影響の副作用がでました。
2度目はイライラや落ち込み、精神面に来るものが大きく、泣きながら先生に相談して加味逍遥散を一緒に処方してもらっていたのですが、なかなか改善されず大変な日々でした。
3度目が1番楽でこのまま生理がなくなればいい、そんな気持ちになるくらい生理を忘れられた6ヶ月でした。

ただし、この薬は半年間しか飲めず、飲んでいる時は子宮筋腫は大きくならないけれどやめてしまうと元に戻ったり、大きくなってしまう、結局3回目に飲んだ時はやめた翌月には飲む前と同じこぶし大に戻ってしまい、次に合成黄体ホルモン剤のデュファストンで治療する事になりました。

デュファストンで生理の量を少なくして大きくなった子宮筋腫による貧血などの症状を抑える、そして子宮筋腫と子宮腺筋症が悪くならないようにする、ダナンカプセルと違いずっと飲み続けられるので私のような人に合っていると説明を受け始めました。
デュファストンを服用した期間は7年程だったのですが、最初の3～4年は効果があったと思います。生理の量も少なくはないのですが最悪の量でもなく、そして副作用もダナンカプセルに比べると少なかったので辛いながらも飲み続けられました。
ただ飲み始めてから6～7年目にかけてドーンと生理の量が増え貧血の数値もどんどん悪くなり、子宮筋腫も成長し続け10㎝位になってしまいました。

婦人科に通院してからは1年に何度も血液検査をして貧血の数値が悪ければ鉄剤のフェロミアを服用し貧血を改善してきたのですが、この時はそれでも追いつかずフラフラでした。
この頃から「私って手術しなくていい人なの？」という疑問がわいて来たのですが、先生に聞くと「あなたは治療しているから手術は考えなくても良い」の解答に納得している自分もいました。手術をするのは怖い、このまま閉経まで行きたい、私は経過観察ではなく治療をしている、長年通院している先生が言っているから、その気持ちが勝ってしまい別の医師に尋ねてみようという行動を起こそうとしませんでした。

でも手術後に通院した期間の事を振り返ってみると、この頃にもっと自分の病気を周りにオープンにしておけば、別の解決策を早く見つけられたかもしれないという事です。
どこかに生理痛を含め婦人科の病気は人によって軽い、重いがあって話しても理解してもらえない、悪くなるのは自分が悪いんじゃないか？、そんな気持ちがあったからだと思います。

その後は子宮筋腫の手術をするまでの10ヶ月間超低用量ピルのヤーズを服用し生理の量を少なくしながら様子をみたのですが、ある日突然腰が刺さるように痛い、左足がしびれる、そんな状態になってしまい手術をする事になりました。
ピルが原因で筋腫が大きくなったのかはわかりませんが、もういろんな意味で限界だったんだと思います。

先生に「私は子宮を残せるんですか？」と尋ねると「残せると思う」、「でも子供を産む事はないんですが？」と聞くと「摘出して後悔している人もいるから」と言われどちらにして良いのか迷ってしまいました。
でも気持ちが迷っているのなら後で何かあった時に「子宮がないから」と思うよりも、残しておいた方が自分へのダメージが少ないと判断して筋腫だけ摘出する方を選ぶ事にしました。手術を執刀する総合病院の医師は「44歳なら年齢的にどちらでもいいですよ。腹控鏡はMRIの結果だけど今の大きさでは無理だと思う」と言われ、結果的に開腹で筋腫のみの手術をしました。

手術で摘出した筋腫は最大10㎝、その他に5cm、3㎝など全部で12個でした。
MRIの結果は5個だったので見えない筋腫がたくさんあったんだと思います。
10㎝の筋腫があった割には6㎝くらいの手術跡だったのは手術担当の先生に感謝だなと思っています。確かに「開腹でも手術跡は小さく出来るよ」と言っていたし、「僕は25個筋腫を摘出した事があるから大丈夫だよ」と言ってもらっていたので手術には自信がある先生だったのかもしれません。
手術後軽くなったお腹を見ながら先生に「もっと早く手術すれば良かった」と言ったら、「そうだね僕ならこんなに我慢はさせない。こんなに長い間ホルモン剤を飲んでいたら万年更年期みたいだったでしょ。相当辛かったはず」と言われた時はちょっとだけ涙が出そうでした。

もちろん何度も手術が出来るわけではないしホルモン剤の治療も必要だった事は十分わかっています。
子宮筋腫は大きくなり、そして多発性だったけれど子宮腺筋症には効果があったらしく、手術の先生に「筋腫がこんな状態だから子宮内膜症・腺筋症は相当悪いと思っていたけれど思ったより悪くなかった」と言われました。
そしてピルの服用で貧血が改善されていたので手術前に自己血の準備が出来、それによって出血量の多い筋腫核摘出術が出来たんだと思います。

私の場合は色んな条件が重なって筋腫だけの手術が出来、そして手術も成功しましたが何となくスッキリしない気持ちが何年経っても残っています。
それは子宮筋腫によって出来なかった事、失ったもの、色んな事があったからだと思います。
30代、40代前半のほとんどが子宮筋腫で苦しんでいた事を思うと時間は戻りませんが「少し長すぎたかな？」、と後悔の気持ちがわいてきます。

私の経験で思う事は子宮筋腫は治療法も手術の有無も医師だけに任せるのではなく、自分でも病気の事をよく理解しどの方向で少しでも体も心も楽に出来るか決める事が必要な病気かもしれないという事です。。
経過観察、ホルモン治療、漢方、手術などどれが最良かは人によって症状などで違いがあるので私がはっきりと言えることはありませんが、もし治療に行き詰まりを感じていたら、私のように「理解してもらえないから」そんな風に時間だけを無駄にするような事はしないで、同じ病気の方と接して情報を得たり、別の医師に話を聞いてみたり、少し気持ちをオープンにしてみる、そこから何か掴み取る機会を作って欲しいです。

長文になりましたが、今辛い思いをされている方の参考に少しでもなれば嬉しいです。