発熱から診断までに長かった川崎病。5日目にしてようやく治療を開始できました。

　息子が４歳の冬に発病。

＜症状は＞
　高熱３９．７度(どの時間帯もこの体温でした）　　
リンパ節の腫れ(首が回らないほど)痛みもありました　　　　　　　　　　　
　発疹(いろんな形）背中､お腹、足、手（皮膚の不定形発疹）
　　　　　　目が真っ赤(両眼結膜充血）
　　　　　　口も真っ赤　舌も真っ赤(イチゴ舌)
　　　　　　手は腫れて皮が剥けてました。(手足の硬性浮腫　膜様落屑）


都立府中病院(現都立小児総合センター）にかかりつけクリニックから紹介され受診。

検査　心電図　心エコー　レントゲン　採血など

治療　ガンマーグロブリンを点滴　
　　　　アスピリン服薬

経過

ガンマーグロブリンを点滴してからは熱も下がりました。
心臓の合併症はありませんでした。
９日間で退院。

退院後の経過観察でも後遺症はありませんでした。

余談ですが、実は今まで、夜中に始まる咳と鼻水に長い間苦しんでました。
入院中に先生が気付いてくださり、薬を処方してくれました。
この日を境に咳と鼻水からも解放されました。

（入院中）

分らないこと不安なことは、看護師さんと先生が説明してくれ生きた心地がしました。
大きな病気をしたことのない私は入院イコール死というイメージがあったので初日は子供がこのまま消えてしまうのではないかと一睡もできずに星を探しながら祈ってました。

こどもを授かってから初めて安心した気がしました。子供のことを信頼して相談できる人は今までいませんでした。１９日間まともに寝ていなかったり、何も信じられなくなって、不安定になっていた私にさりげなくとことん向き合ってくれた看護師さんと先生のお陰で私自身もまた立ち上がることができました。ここ私のは原点であり、､出発点になりました。

次はどの様に症状が出たのか､かかりつけ医から紹介してもらうまでの経緯が書いてます。

〈発病前の咳地獄〉
　発病前の２週間､子供は夜間に激しい咳で夜中殆ど熟睡してない状態でした。咳が激しすぎて､反射で失禁とおう吐を３回位繰り返しました。今までも、咳で苦しむことが一月の半分はありました。そのたび受診しても､治りませんでした。咳が激しいことを伝えましたが、ドクターのまえでは何故かピッタと止まり、去痰剤だけ処方されました。効いているのか分らないまま、咳は２週間経ってようやく治まりました。その間何度か､受診しましたが､病院では咳は出ないので､神経質な母親と思われたと思います。かかりつけのクリニックのドクターからは喘息ではない。風邪だと言われました。
咳が治まるまでの２週間で子供は体力を使い果たし痩せて､食欲もない状態でした。

〈発熱１日目〉
元気がないので体を触ると熱っぽく､計ると、３７．7度ありました。水分はとれていたので､一晩ゆっくり家で寝かせておきました。
〈発熱２日目〉
　翌朝になると３９．７度に上がってました。体温計を見て違和感を感じました。普通の感染症なら、朝は若干でも低くなるのに､この高さは何だ？と。
不思議と朝計っても、午後計っても、３９．７度でした。不思議で何回か時間を変えて計ってみましたが､やはり３９．７度なんです。ちなみに私を計ると３６度代でした。

いつもいっている小児クリニックに行くと、また、風邪でしょうと言われ、家で見ているように言われました。

常時、いつ計っても､３９．７度であること自体感染症ではないのではないかと、私が感じている不安を訴えましたが、無駄でした。それは医者が考えることと言われました。全くその通り。

〈発熱３日目〉

水分もとれていて､食事もとれていたのでクーリングして寝かしていました。
私自身この２週間、夜は子供の､咳と失禁、おう吐でシーツを替えたり体を拭いたりで不眠でした。家で見ている方が子供にも自分にもいいのではと思ってしまいました。
ただ、いつもの風邪の熱とは違う怖さでいっぱいでした。ドクターが大丈夫っていうんだし風邪だよと自分に言い聞かせてました。


〈リンパ腺が腫れる〉　しかし状態は変わってきました。左の耳の後ろが痛がるので見ると､首から耳のかけて腫れてぱんぱんになってました腫れに伴って､顔貌も変わっていきました。土曜の夜でした。もう病院はやってませんでした。引っ越ししてきて間もないこともあり、どこにどんなレベルの病院があるのか､分らず、朝一番で市の休日救急に連れて行くことにしました。

〈４日目　市の休日診療に受診〉
熱は相変わらず３９．７度のままでした。その頃は､唇が真っ赤でした。乾燥のためか切れて､妙に真っ赤異様でした。舌も赤く両目も充血し始めてました。おなかと足にはポツポツと発疹がありました。赤く大きさもまちまちでした。

〈これが診察？〉
市の休日診療にて

「リンパ腺が腫れていていたいんです。」､と言うと
ドクターは「おたふくだよ」と
私は「片方だけ腫れているんですが、おたふくは、片方だけのこともあるんですか？」
ドクター「じゃあ､ウイルスがリンパ腺に入ったんだな、それで腫れてるんだな」
私「どこから入ったんですか？」
ドクター「耳とか首の近くに傷ができてそこから入ったんだよ、それで腫れてるんだな」
私は呆れて何も言えませんでした。素人もびっくりの当てずっぽう診療。しかも、子供には触れませんでした。リンパの腫れも､ドクターが言うウイルスが入ったとする、あるはずのない傷さえも確認､探すこともしませんでした。

私は「発疹もあり、目も赤くて、朝になっても少しも解熱しないんです。絶えず､３９．７度なんです。まるで機械で設定温度が決まっているみたいに、０．１度も変わらないんです。免疫系が壊れてしまってるのではと心配してるんですが、」
足とお腹の派手な発疹を見せながら訴えました。

ドクターは「取り敢えず、１日分の薬を出すから飲んで良くならなかったら､かかりつけ医に行ってくださいね。」
出された薬はケフラールという抗生物質でした。
子供は､ふらふらで､私が抱きかかえて受診しているのに､なんて適当なんだろうと感じました。
後で､勉強して分ったのですが、診断する際に「抗生物質を服薬しても解熱しない」という基準がありました。
診断こそしてくれませんでしたが、かかりつけのドクターが診断しやすいように､上手にトスを上げたんだとわかりました。

おたふくとか、見もしないで、傷からウイルスが入ったとかいう適当な先生と思ってましたが
そこそこ、頑張ってくれたんだと思えるようになりました。

　（結果論ですが、症状がでそろったこの時に大きな病院紹介してくれるのが､本当ではと思いはありますが）


〈発熱５日目〉
朝一番でかかりつけ医に受診。
発熱５日目で症状も激しくなり、子供は歩くこともできなくなってました。私はかなり動揺してました。寝てない日も１９日目となり、不安と子供を守らないとと言う切迫した気持ちでした。
主人は先生が風邪って言うなら風邪でしょう。なんで何度も病院に行かないといけないかなあと怒り気味でした。

私は４歳の歩けなくなった子供を抱きかかえ､症状を伝えると
　ドクターは「川崎病です。すぐ、都立府中病院に紹介状を書きますから、」

こうして、息子は、５日目にしてようやく川崎病の治療を開始できるようになりました。

主人が車で連れて行ってくれましたが、辛そうにしている息子を抱き、担当の先生に子供を託すまでの道のりは今までで一番長く感じました。

〈川崎病かもと思ったら〉
心エコーがある小児科か、最初から、大きな病院をおすすめします。　循環器に強いクリニックなら、心エコーで冠状動脈に瘤の有無を確認してくれます。診断基準を全部揃わなくても､瘤の発見があれば､診断できます。

私の子は、早くから、症状が複数で出ていて、痛がっていました。大きな病院に行っていればもっと早く診断がついて、辛い思いをさせずにすんだと思います。

ガンマーグロブリンを点滴をできるだけ早く始めることが､合併症を防ぐことらしいです。

お大事に、