帯状疱疹ウイルスで顔面麻痺が起きる、ラムゼイハント症候群に。

　酷い頭痛、地面が揺れて歩けないほどのめまい､微熱、耳鳴り目の痛みで1週間程、寝たり起きたりしてました。。
　最初に受診した近所のクリニックでは、重度のアレルギーとインフルエンザといわれました。アレルギーの目薬と4種類のアレルギー薬とインフルエンザ薬が処方されました。酷いめまいは、東日本大震災の後だったので、精神的なものと説明を受けました。
　薬を飲んで､3日目には症状がもっと酷くなり起き上がれませんでした。平衡感覚が分らなくなり、歩けませんでした。
　あごが外れたような何かがブツッと切れたような衝撃があり、かんだり飲んだり､うがいすらできなくなりました。口が開かなくなり､話せなくなりました。ら行、ハ､パ､バ行、マ行が話せなくなってました。
　舌を動かせない､唇を閉じられないことにようやく気付きました。そして、鏡を見て驚きました。顔が福笑いのように､めちゃくちゃな配置になっていたのです。
　酷い頭痛もあるので､脳血管疾患と思い、すぐ病院に行こうとしました。タクシーは､話せなくて､無理でした。
　めまいも酷かったので歩くのも困難でした。しかも片目が麻痺しているようでした。右目が必要以上に開き切って閉じず、瞬きすらできず、痛みと､複視（重なって見える）で、メールで家族に連絡したくてもそれすら出来ませんでした。
　無我夢中で、ふらつきながらも壁伝いに、電車とバスを利用して多摩医療センターERに受診しました。
　顔のパーツの位置が右と左では全然違い、アンバランスを超えてました。救急車も利用しなかったのに、そんなに長く待たずに､CＴを撮ってもらえ、脳には問題ないことを確認してもらえました。ＥＲのドクターと偶然通りかかった耳鼻科のドクターのおかげで帯状疱疹によるラムゼイハント症候群と診断がつき治療を開始できました。
ラムゼイハント症候群とは、帯状疱疹ウィルスで顔面麻痺が起きてしまい、麻痺が残ることが多い病気です。
　
〈その後の経過〉最初に受診した近所のクリニックの薬は処分し､多摩医療センターの処方を服薬することになりました。帯状疱疹ウィルスの毒素により神経が痛められているということで抗ウイルス薬であるバルトレックス、麻痺をとめるためにプレドニンという弱いステロイドを使いました。
　また日を改めて耳鼻科外来を受診し発疹の有無、難聴の程度、麻痺の進行を観察しました。
〈神経ブロック〉同時にペインクリニックで、早期に神経ブロックも7，8回しました。早期の神経ブロックは後で神経痛にはなりにくいそうです。

〈訓練〉少しでも､回復するように、頭と顔のマッサージ、ガムを右側でかんだり、唇を閉じる練習などをしました。
〈筋電図〉筋電図の結果、神経の殆どがやられてしまい、最悪の状態でしたが、半年後には、3割の神経が戻ったらしいです。
〈顔〉以前の顔には戻れませんでした。右と左の差はあります。特にほうれい線の深さと目の大きさは差があるままです。でも、訓練で改善した所もあります。麻痺側の口角は､麻痺初期にはつり上がってましたが、半年経つと口角が下がってしまいました。毎日マッサージを続けて､上がってきました。
〈発疹〉帯状疱疹なのに発疹はなかったのかと疑問に思うと思います。発疹が出たのは、診断がついてから２週間経ってからでした。薬も服用してたので、とても小さく、右の鼻の下と唇の間に右の鼻翼に向けて帯状に何十個もありました。
〈顔の帯状疱疹になられた方へ〉重傷の場合、不自由なことだけでなく、容姿まで損なうため、命を自らたつ方が多いそうです。私も､家族が外出して、一人きりになった時、鏡を見て､一度だけ大泣きしました。でも、少しですけどマッサージで良くなります。負けないでください。そして後遺症を極力少なくするために、帯状疱疹を得意とする病院になるべく早く行ってくださいね。

〔何科に受診？〕普通、身体に発症するときは、発疹と痛みへの対応なので、皮膚科が最適と言われてます。
　顔の場合は、目なら、失明の恐れがあるので、即眼科へ、麻痺に関しては、耳鼻科、皮膚の発疹に対しては皮膚科に、行くのをおすすめします。ただ、麻痺が顔に起きているときは､大きな病院の耳鼻科やＥＲに行くのもいいと思います。

　〔帯状疱疹後神経痛にならないための薬の飲み方〕痛み止めをしっかり飲み、痛みを感じないように、常にしておくことが大事だそうです。痛みは我慢してはいけないそうです。痛みを神経に覚えさせないことがコツらしいです。胃の弱い方は、胃薬を出してくださいますよ。
　　　
〔長沼ペインクリニック〕五反田駅近くにある帯状疱疹に強いクリニックです。
「帯状疱疹に克つ」という本も出してます。優しくて、ペインクリニックとしての麻酔の腕もいいです。ＮＴＴ病院でも帯状疱疹の方に神経ブロックをされてました。

〈注意〉電気機器でのマッサージはやめた方がいいです。私は知らずに､かなりやってしまったのですが、ペインクリニックのドクターから言われました。電気機器でのマッサージは、治ろうとする神経が混線するそうです。口を閉じようとすると目を閉じてしまったり等です。私がそうです。ご飯を頂くとき､右目は閉じてしまいます。