頑固者の祖父がアルツハイマーに。気の荒い面が出て突然暴れる様に。

祖父は戦争に行った世代の人で頑固者…当時祖父母と同居していた私の伯父夫婦に対しても厳しい人でした。
ある年、伯父が病気で他界したので残された奥さんと子供達は家を出る事になったのですが、祖父母が二人きりになってしまうので、私達家族が同居する事になりました。
同居後もうちの母や私に対しても厳しかった祖父母は、時に母に手を上げる事もありました。
同居して７年ほど経った頃、祖父の言動が次第におかしくなり始め、急に暴れたりする様になったので近くの病院を受診しました。
脳の写真を撮ってみると脳が萎縮して、健康な人に比べると脳全体に隙間が沢山出来ていました…診断はアルツハイマー型認知症。
祖父は元々、杖を使って歩いていたので徘徊する様な事はありませんでしたが、健康な時より気の荒い面が強調されて急に立ち上がり手元の物を私達に投げつけたりしました。
老人といえども身長が170cm以上もあり力も強かったので私達では手に負えず、京都にある大きな病院へ入院する事になりました。そこでも急に暴れたり暴言を吐いたりするので病院側から退院する様に言われてしまい、今度は浜松の病院へ入院しました。
ところがその病院でも入れ歯を庭に投げてしまったり主治医の腕に噛み付いたりして、また退院する様に言われました(その病院では手足をベッドに縛り付けられてしまって可哀想でした)。
次の入院先を探しましたが受け入れて頂ける病院も無いので自宅へ連れて帰り家族で世話をしていましたが、夜中に騒いだり暴言を吐いたり物を投げたりで私達家族もヘトヘト…
祖父を独りに出来ないので、洗濯などの家事をする時は別の家族が入れ替わり常に誰かが側に付いていました。
孫の私と二人の時は比較的大人しくなり、折り紙をして過ごしたりしていましたが、それでもテレビの声に「お客さんが来た」とか、押し入れに入って２階に上がろうとしたりしていました。
ただ、一見支離滅裂な祖父の行動にも理由があるのだと次第にわかって来たんです。
よくよく考えると押し入れの位置は、前に住んでいた家(祖父が発病するまで住んでいた家から引っ越したので、祖父にとって初めて住む家でした)では２階に上がる階段があった位置でした。
私達からしたら押し入れに入るなんて…と思いがちですが、祖父がそういう行動をするには、ちゃんと理由があったのだと私なりに理解出来る様になりました。
そう理解出来る様になると辛い気持ちも和らぎ、祖父に対して落ち着いて対応出来る様になりました。
祖父の生活リズムは昼間に寝てしまう様になっていました。病院で昼夜問わず寝ていた習慣が抜けなかったのも原因の１つですが、買い物に行ったりしたい祖母が昼間に祖父が寝ている方が都合が良い為、祖父を寝かせていたのです。
結果、私達が夜中に付き添う事に。
祖父が自宅で過ごす様になって３年ほど経った頃から体も衰弱して来て、最初に受診した病院へ入院。
体力も無くなっていた為、暴言はありましたが暴れたりする事は無く、１年入院した後に病院で息を引き取りました。
私が住んでいる所では高齢者が行方不明になって、情報提供を求める市の放送が頻繁に流れています。
痴呆があって足腰がしっかりしている方は、家族が目を離した一瞬の間に外へ出てしまうそうです。
大変だな…と思いながら放送に耳を傾けていますが、うちの祖父の様に足が不自由な方が勝手に外に出れないので、その分家族は安心かもしれないですね。
余談ですが、アルツハイマーはアルミ製の鍋を使っているとなりやすいと聞いた事があります。
この話の真偽はわかりませんが不安材料は排除したいので、祖父が発病してから我が家ではアルミ製の鍋を処分しました。