結婚10年目に判明した脳腫瘍。発症3ヶ月前に数回のてんかん発作。
たぬきち
(50歳代・女性)
| 病気 | 脳腫瘍、てんかん |
|---|---|
| 病院 | 大阪医科薬科大学病院、独立行政法人労働者健康安全機構関西ろうさい病院、兵庫医科大学病院 |
| 製薬 | エクセグラン錠100mg、ニドラン注射用25mg、オンコビン注射用1mg、塩酸プロカルバジンカプセル50mg「中外」 |
| 参考 | http://plaza.umin.ac.jp/sawamura/ |
2006年5月。発症3ヶ月前にそれは起こりました。
雨の中を自転車で帰ろうと、自転車のハンドルを握り、リュックを背負おい、傘をさそうとしていました。
すると突然自転車のハンドルを握る自分の左手が動かせないので、全身が固まったように感じました。
意識ははっきりしています。
傘を右手でさそうとしているタイミングでの出来事だったのでどんどん体が濡れていくのに傘がさせない、なぜか体が動かない。
時間にして10秒ほどだったでしょうか。
ふっと動けるようになり、なんなんだ?怪奇現象か?と不思議に思っていました。仕事と友人とでストレスを溜め込んでいた時期なので、疲れてるのかもとも思っていました。
1ヶ月後自宅で娘の髪の毛を乾かしている時、同じことが起こりました。
同じ場所にドライヤーの熱風を当て続けられた娘は自分で熱い!と動きましたが、私はまるでマネキンのように動けない。これも10秒ほどでした。
主人の前でも動きが止まった事が有りました。
これらはてんかん発作だったようです。
頭痛も吐き気もなく、ただ動きが数回止まる事が発症の前兆でした。
…そして2006年8月31日早朝の全身痙攣の大発作。
その姿に小3の娘が気づいてくれ、救急搬送されました。そのまま検査入院となり、画像診断結果は右前頭葉部分にある脳腫瘍である可能性が高いと告知されました。エクセグランはてんかん発作止めとして処方されました。
その後体調的には何事もなく過ごしましたが、緊急搬送された病院の医師にセカンドオピニオンを希望して3件受診、その3件目に決めました。縁が有り、トントン拍子に事が運び、検査入院し、2006年11月15日に手術となりました。
術中採取された細胞の検査結果は神経膠腫(退形成性星細胞腫・グレードⅢ)の診断がくだされ、色々調べて知識が多少有ったのでボー然としました。
治療計画として説明を受けることになり、すぐに化学療法(現在ならテモダールが一般的ですが当時はニドラン、オンコビン、プロカルバジンのPAV療法でした)、入院して放射線治療、免疫治療(インターフェロン点滴)の3つを同時進行させる事になりました。
ただし放射線治療は、土日を除く毎日を照射に当てる必要があり、時期的に年末年始を挟む事になるので家族と過ごす時間も有った方が良いとの事で、一時退院し年明に再入院する事になりました。
2006年12月の自宅療養生活時に、大阪医科大学のBNCTの研究チームが当時治験患者を探しているサイトを発見して居ても立ってもいられなくなり、主人と主治医に相談して放射線治療のセカンドオピニオンを受ける事にしました。
大阪医科大学の先生に私の両親と主人とで問診を受けると、腫瘍の範囲がしっかりわからないといけないと説明を受け、京都の提携病院にて頭部PET検査をすることを指示されました。自費で約8万円したその検査結果を持って再診。
わかったことは、術後と言うこともあって術痕の周囲に残る腫瘍細胞がごくごくわずかで有るということでした。
治験対象外患者となりましたが、その結果にて「予後が良いであろうから安心して元の病院で治療を受けると良いですよ」との先生からのほっとする言葉。お礼を言って待合室で帽子を目深にして泣きました。
年が明けて、2007年1月。
元の病院にてリニアック放射線治療を受ける事になり、例に漏れず脱毛。化学療法は4クール受けました。
2007年2月下旬に退院し、その後の暮らしとしては実家にて小学低学年の2人の子供と一緒に寒い時期を過ごさせてもらいました。
発症時派遣社員だった為、契約は解除する事に。しかし加入していた派遣の健康保険を任意継続させ傷病手当の受給ができる時だったので、自宅療養中にも発生する通院の医療費や生活費の足しにできました。
しかし任意加入の医療保険はちょうど切り替えを検討中で無加入状態だったため、悪性のガンなのに、がん保険や入院時に出る保険等々が一切受けれず、その後も医療系の保険には入れず大変でした。
退院して1年後、共済保険の引受緩和型医療保険(1000円/月)を見つけて加入。
5年後、民間の引受緩和型の医療保険に加入しています。(持病再発しても告知義務違反していなければ医療保険がおりるタイプ)
現在は年に4度の主治医による問診、MRI画像診断、インターフェロン点滴(これはプラシーボ効果でも良い)を続けています。
8kg太りましたが元気です。笑顔でポジティブに生きています。気持ちが落ちてても笑顔を保つと脳は楽しく生きていると勘違いするらしく、免疫があがるそうです。ストレスフリーを心がけ、まだまだ頑張ります。
仕事は月~金のフルタイムで総務事務員として勤続年数5年となりました。発症してからは丸9年経過。現在10年目に突入しています。
私の場合の5年後生存率は40%ですが、あてにならないものですね。
これを読まれる事になった方々は患者ご本人か、患者さんの親しい方だと思います。笑顔で過ごしましょう、気持ちが負けちゃダメですからね。
※また、参考になればと思うので、日々進化していく医療の世界への希望の意味を込めて、下記リンクも紹介できたらと思います。
脳腫瘍の生存率、遺伝子の傷で差…治療法開発に期待 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞) http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=117378&from=tb
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