暴言、妄想、徘徊..診断が遅れた父のアルツハイマー型認知症。

父のアルツハイマー型認知症についてお話します。

私達家族が異変に気付いたのは、かれこれ10年ぐらい前になります。
しかし、私達は父が認知症ではないかとは思っていても病院で診断してもらっていませんでした。
結果、アルツハイマー型認知症だとわかったのは父が永眠する1か月前でした。

父は商売をたたんだ頃から、家にばかりいるようになり動かなくなりました。

頭も使うことがなく、身体も動かさない、趣味も見つけず、
テレビの前に座ったまま・・・
その頃、母が病気になり入院することになった時、
父がおかしな事を言いはじめたのでした。
病院の8階から見下ろして『魚が見えるね』とか、
自宅のソファを見て『誰か寝てるね』とか・・・私達は耳を何度疑ったことか。

そして、怒りっぽくなっていく父。
こんな事で何で怒るの？というような事でもブツブツと文句を言っていました。
それと甘いものなんか食べなかったのに、甘いものばかり欲しがる。

私達子供は、平気で父親とは言い合いをしていたのでイジメはありませんでしたが、
母親には弱い者イジメのように嫌味をよく言っていました。
母は父には逆らえなかったからです。

父は糖尿病を患っており、2か月おきの定期検診で末期がんと診断されました。
2か月前までは同じ検査では見つからなかったのに。

そして余命は1年と宣告されるのですが、その1年後、抗がん剤も効かなくなり入院することになるのですが、
認知症と病気の場合の入院の難しさをしることになりました。

認知症での徘徊で、普通の病院では夜中は看護師が減るので家族が呼び出され毎晩病院に泊まり込みで父を見張らなければならなくなったのです。

結果、一過性ですが癌の治療も済んだので、
その後は精神科の病院（老人病棟）に転院することにしましたが、
これも本人も家族もかなりのショックが大きいこととなりました。
この病院のソーシャルワーカーさんとか、地域のケアマネジャーさんの力の助けがあって見つけることが出来たのです。

そして徘徊や暴言もなくなり、落ち着いてきた父は元々の病院に戻ることが出来ました。

最後になりますが、何が言いたいかというと、
病気と認知症を持つ患者は、病院を見つけるのは本当に大変な事です。
ましてや、認知症の家族を初めて持った時の対処や、介護、看護は
地域のケアマネや病院のソーシャルワーカーに迷わずに頼って下さい。

それと出来れば認知症かも・・・と思った時点で検査に行って下さい。
薬で進行を遅らせることも可能なはずです。

恥ずかしいとか思わないで、病院に行って下さい。