アトピーは一生付き合う病気。試してみましたが、民間療法はお勧めしません。

33歳の会社員(男)です。

【病気になったきっかけ】
・中学一年生の頃に床屋で顔を剃ってもらった翌日に強い痒みを感じるようになり、病院で「アトピー性皮膚炎」と診断されました(それまでは何もありませんでした)。その後アトピーは全身に広がり、中学2、3年生の頃には全身血だらけの「重症アトピー」になりました。
・その後、適切な治療法(保湿剤とステロイド、タクロリムス軟膏など)により、33歳の現在まで、良くなったり悪くなったりの波を繰り返しながら、なんとか生活に支障が無いレベルに抑えてうまく付き合っています。

【症状】
・これを見ている方に敢えて書く必要は無いかもしれませんが、とにかく患部が痒く、起きている時も寝ている時も、血が出るほど掻きむしってしまいます。ストレスでついつい掻いてしまったり、掻く頻度が多いせいで掻き癖になってしまうこともあります。
・私の場合患部は全身で、頭皮や手の平、足の裏にアトピーが出ることもあります。
・ステロイドなどの使用により症状が良くなると患部は健全な皮膚に近づきますが、シワのようになったり黒くシミのように残ってしまうこともしばしばです。

【薬の効果、治療法】
・残念ですが現在のアトピー治療は完治させる特効薬や治療法は存在せず、
①保湿(ヒルドイドやワセリン等)
②ステロイド、タクロリムス軟膏の外用薬
③抗ヒスタミン剤等の内服薬
④アレルゲン等の生活環境の見直し
などの治療法により「良い状態を維持する」といったものになります。
(温泉や塩水などの民間療法はお勧めしません。私も過去に痛い目を見ています)。

①の保湿は、毎日朝晩継続的に行うことで、アレルゲンが皮膚に侵入することを抑える効果があります。
②のステロイド剤は世間で批判もありますが、うまい使い方を学べばだらだらと長期間使わなくて済みます(症状が悪化した時に強いステロイド剤を短期間にしっかり塗って症状を改善させる「プロアクティブ療法」)。タクロリムス軟膏は特に顔や首に効果があります。
③の抗ヒスタミン剤は近年は眠くなるなどの副作用が小さい優れた薬が販売されており、継続的に服用することで痒みを抑える効果があります。
④の生活環境の改善も「部屋のこまめな掃除」や「体の洗い方」など、正しい方法を学ぶことでアトピーの改善につながります。

【病院の選び方】
・上記の適切な薬、治療法を正しい皮膚科医のもと実践すれば、多くの患者さんが「生活に大きな支障の無いレベル」までアトピー症状を改善させることができます。そのため「評判の良い皮膚科医を探し出す」ことはアトピー治療においてとても重要だと思います。
・今の時代は「ネットの口コミ」が一番良い選び方なのでは無いかと思います。(私の経験上「アトピー治療の権威」のような雑誌などで取り上げられる方が必ずしも良いという訳では無いと思います。)
・もし皮膚科に三ヶ月程度通ってアトピーの症状がで大きく改善されないのであれば、見切りをつけて転院するのも正しいと思います(適切な治療法を行えば最短で1ヶ月程度で改善するためです。そう本に書いてありました)。

【同じ病気の方に】
・私自身、約20年間この病気と付き合ってきて、ほぼ20年間保湿薬やステロイドを塗り続けています。体に黒いシミや掻きむしった傷跡は今も多数残っていますし、これを書いている今も、落屑が大量に部屋の床に落ちています。
・この病気は相当生活の質(いわゆるQOL)を下げてしまう辛いものですし、周りの目が気になってしまうこともあります。正直なところ、私はアトピーを完治する薬があれば300万円出してでも買いたいくらいです。ですが、そのような治療法が無いので、この病気を受け入れるほかは無いと思います。これをご覧になっているアトピー患者の皆さんも私と一緒に「アトピーとうまく付き合って」いきましょう。