同じ精神科医でも診断がまちまち。ADHDと診断されましたが...

検査の結果でADHDと診断されましたが、本当にそうかどうか１００％確かではないということをお断りしておきます。えてして精神病としうのはそういうもの、つまり医師の診断が全てらしいです。

小さい頃から落ち着きはないほうでしたが、５０を過ぎてさらに忘れ物等が酷くなってきました。職場で配られたADHD関係のパンフレットを読んで「まさにこれだ！」と思ったので、精神科Aを受診してみました。WAIS-IIIとかいう知能テストのような検査を受けて、「こんなに高い点数の人がADHDのわけがない」と笑いとばされ、終了になりました。しかし実際に困っている身としては納得がいかなかったので、別の精神科医Bをテスト結果を持参して訪ねると、自己申告の症状も加味した上でADHDと診断され、投薬治療が始まりました。B先生の診断では、著しく高い点数とそうでないものがあるためにADHDで間違いないでしょうとのことでした。

しかし診断を受けたわけではないがたまたま話した別の精神科医C氏（友人）には「大人のADHDにWAIS-IIIは関係無い。薬は最終手段。本当はカウンセリングで治すべきだが、保険がきかないので利用が進まない」と言われました。さらに別の精神科医D氏は私の学歴と職業を見て「ADHDのはずがないでしょう。最近なんでもADHDにしたがる医者がいて困るんだ」と怒っていました。このように、同じ精神科医でも診断がまちまちであるということを、まずご理解ください。

投薬は、まずは一番小さな分量のストラテラから始まりましたが、一週間経ってまったく変化が無いので、通常量に増やしていただきました。それからは少し意識がシャキッとして、忘れ物や約束忘れが減ったような気がしました。苦手な片付けも少し順序だててできるようになりました。ただ、これが薬の効果なのか、自分の思い込みなのかは、はっきりとはわかりません。お決まりの副作用として、喉が非常に乾き、食欲がなくなりました。

私の場合、一部の仕事（勉強）をつい先延ばししてしまうことが悩みでした。子供の頃から、好きなことは人一倍熱心にするほうでしたが、学校の宿題や期末試験の勉強はどうしても手が付けられず、悪い成績をとっており「IQが人並みはずれて高いのに、なぜ勉強しないのだ！と教師から叱咤されたりしておりました。どれだけ「やらなければいけない」と理性で思っていても身体が言うことをきかないのです。本を読もうとしても、目が文字のうわべだけを追い、頭には全く入ってこないという状況でした。そんなことですので、受験や仕事では何度も失敗し、その「後遺症」のような状態で、今でもショボい人生を送っています。

そのような「症状」は、治療を始めても一向によくなりませんでした。実はどうしても受からなければならない資格試験があり、焦りで追い詰められていました。それで、もっと即効性があるというコンサータを、こちらからお願いして出してもらいました。これの副作用は非常にきつく、頭が締め付けられるような思いや、胸のむかつきがあり、長くは続けられませんでした。薬に関しては、インターネットに出ている他の患者さんの体験談をあれこれ読みました。

結果として、私の場合は、本当に苦手なこと、つまり心の中でやりたくないと思っていることは、薬を飲んでも全くできるようにはならず、とうとう勉強に集中できないまま、資格試験に落ちました。思うような効果が無かったことと、薬を常用することの恐怖も覚えたので、治療を自らやめ、代わりにそのお金を払って資格試験の対策学校に通い始めました。本当に馬鹿馬鹿しい話ですが、「高い授業料を払ったのでもったいない」という意識に押されて休まず通いますので、その授業中だけはちゃんと勉強します。たぶん今年は受かるような気がしています。あの「闘病」と焦りは何だったのだろう、なぜもっと早くに病院ではなく対策学校に通わなかったのかと、自分の愚かさを笑うしかありません。

誰かが言っていましたが、今、大人のADHDがひとつの「ブーム」になっているようです。ちょっとした工夫や努力でどうにでもなることを、病気のせいにしたがっている患者と、公的補助（障害者手帳をもらうと治療費の負担が少なくなる）も手伝って、そのような需要に応えるクリニックも多くなっているのではないかと言ったら、言い過ぎでしょうか。

高いお金を払って買ってしまったが、飲み残している薬が、まだ家に転がっています。国民保険が破綻していることを思うと、申し訳ない気がいたします。