前立腺肥大症で受けたHoLEP手術無事終了後、発症した過活動膀胱も完治し、一年が経過しました!
金木犀
(70歳代・男性)
1.病気に気づいたキッカケとその当時の症状について
2年位前から排尿に勢いがなくなり、夜間頻尿も激しくなり、21時に就寝すると、決まって0時、3時、5時頃に強い尿意で目が覚め、少量の排尿の後はなかなか寝付けずに悶々として7時起床といった生活が続くようになり、いつも寝不足状態でした。
2.受診する病院の選択方法について
ネットで症状を検索し、まずは近隣の泌尿器科専門医(クリニック)を訪ねました。最初に受診したクリニックの専門医は症状を聞くのみで検査らしきことは一切せず、薬(ナフロピジル75mg)を処方してくれました。私も最初は薬で完治する程度の病気だと思い、3~4か月間薬を飲み続けてみましたが、症状に変化が見られかったことから、改めて数か所の専門医を訪ね、それぞれの専門医の所見を聞いてから判断しようと考えました。初めて直腸診、超音波検査、尿流量測定、残尿 測定などを受けた結果、前立腺の大きさについてはクリニックによって1.2倍~2.5倍とかなりバラつきはあるものの、大方の医師は『前立腺肥大症であること。また手術をするまでの症状ではなく、現在は【よく効く薬】が出ていますので、投薬治療で行きましょう!』とのことであった。そこで一か所の医師を決め、処方された薬を飲み続けて1年以上。残念ながら、投薬の効果を全く見られず、むしろ「薬効のない錠剤を毎日飲んでいる」ような感じさえしたため、再度ネット検索し、前立腺肥大手術実績のある病院を訪ね、今後の治療方法について相談することにしました。
幸いなことに、神奈川県下で手術実績年間約200件(全国3位)の淵野辺総合病院を見つけ、早速S医師を受診した。
3.診察・検査の内容や診断の結果について
H29.10中旬、初診時にS医師からは「超音波検査等から前立腺は41g(正常値は15g~20g)であり、遅かれ早かれ手術をすることになると思います。」と言われ、そして今まで私が受けてきた治療内容に対する評価などの説明を受け、最終的にS医師に手術をお願いすることにしました。
入院一か月前に血液検査、肺活量測定、脊髄クモ膜下麻酔、入院時の注意事項等の説明を受け、手術に臨みました。
4.病院で受けた治療および術後の経過等について
私が受けた手術名は、「経尿道的前立腺レーザー手術」(HoLEPというホロニウムレーザーを用いた手術)で、麻酔準備時間も含め2時間30分程度の手術でした。
付き添ってくれた妻がS医師から『手術は無事終了し、核出部分は11g』と説明を受けたようでした。
余談ですが、『核出』とは木の実を殻から無傷でくり抜くように取り除くことだそうで、出血の少ないHoLEP手術の特徴をうまく表現した言葉と素人ながら感心しました。
麻酔は脊髄クモ膜下麻酔いわゆる下半身麻酔で麻酔注射の痛みはほとんど感じず、また静脈麻酔を併用してもらったので、手術中は眠ってしまい、気が付いたの は病室に戻ってからでした。
尿道カテーテルは翌日にとれ、4泊5日で退院しました。
術後の状況は以下の通りです。
・【術後1週目】
・尿の状態 ⇒ 排尿開始までに時間あり。「ジーン」とした痛み強
毎回、出始めに薄い血尿あり
・排尿痛 ⇒ 排尿後、2~3分間
・会陰部痛 ⇒ ツッパリ感・腫れてる感じ
・【術後2週目】
・尿の状態 ⇒ 排尿開始までに時間あり。「ジーン」とした痛み強
3回に一度くらい出始めに薄い血尿
・排尿後痛 ⇒ 排尿後、2~3分間
・会陰部痛 ⇒ 肛門付近にツッパリ感・腫れてる感じ
・【術後3週目】
・尿の状態 ⇒ 排尿開始までの痛みは少なくなり、すぐに排尿できるよう になる。血尿なし。尿の勢いもかなり良く、その太さも
「そば」から『うどん』に
・排尿後痛 ⇒ 排尿後、15秒程度。かなり短くなってきた。
・会陰部痛 ⇒ かなり改善したが、依然として肛門のまえ付近が重い
【術後一か月検診】(2017.12.28)
予定されていた尿流量測定で「元気な排尿」をS先生に見せられるものと自信をもって測定器に向かいましたが、残念ながら先生の診断は「術後の経過は良好ですが、過活動膀胱が起こっています。前立腺肥大症の患者さんの多くが合併するのですが、検査直前まで目一杯尿を貯めたつもりでいても実際には180ml程度しか膀胱に貯まっていないのに尿意が起こってしまう敏感な状態(通常の蓄尿量は300ml~500ml)になっています。投薬治療(ベニタス錠25mg)により一か月もすれば、もっと多くの蓄尿ができるようになり、頻尿も改善するでしょう」とのことでした。
前立腺肥大部分の手術さえ受ければすべて完治と考え、排尿痛や会陰部の疼痛はあるものの、これも時間の経過とともに解消するものと思っていた私にとっては少し様子が違うことにびっくり(+ショック)。
先生のお話では、物理的な尿道圧迫原因であった肥大部分(内腺)は今回の手術によって除去されたが、尿が出にくい状態がこれまで長期間続いた結果、なんとか体外に尿を出そうとがんばる膀胱に負担がかかってしまい、その「がんばる」行為が繰り返された結果、膀胱の筋肉が異常をきたし、少しの刺激にも過敏な反応をするようになり、過活動膀胱が起きたのだとの説明がありました。
テレビCMなどで「過活動膀胱」という言葉を聞いたことはありましたが、それも女性に多い症状と思っておりましたし、これまで受診した泌尿器科の専門医の方々からは、残念ながら一度も『前立腺肥大症と過活動膀胱の関わり』を口にされた方にお会いできなかったことも私にとって不幸なことだったことかもしれません。
(1/22)ベニタス錠25mgを一か月間服用しましたが、著しい改善が見られなかったため医師に相談し、ベシケアOD錠25mgに替えて(朝夕)服用中です。変更後数日で明らかな変化があらわれ、切迫尿意や排尿痛、会陰部痛もなくなり、昼間のトイレは4~5回、夜間は1.5回弱になってきました。
【術後三カ月検診】(2018.2.19)
前回同様、尿流量測定を行った結果、蓄尿量は330mlに増え、日常生活においても排尿時の違和感は解消、また昼間トイレ回数=4回、平均就寝時刻=22:00、夜間トイレ回数=1.0回、平均排尿量=300ml/回であることを説明し、担当医師からは朝夕の投薬を止めて問題がなければ飲まなくてよい。蓄尿量もその他の状況も良好です。このような説明を受けました。
【術後六か月検診】(2018.5.14)
尿流量測定と超音波検査を実施。医師からは蓄尿量、尿流曲線ともに正常で、超音波検査も問題なしとのこと。「私たちはこのような尿流曲線を目指して治療しています。若者と同じ曲線で順調ですよ。」このような言葉をいただき、着実に回復していることを実感した。
なお逼迫尿意感などはないものの、依然として亀頭の深部(?)でジーンとした感じがわずかに残っていることについては、『その違和感は、おそらく「血液の停滞」によるものだと思う。できるだけジョギングをしたり、スポーツをしたりして血液の流れを活発にすることです。』とのことだった。
【術後一年検診】(2018.11.19)
早いもので手術をしてから一年が過ぎ、今回を以って術後ケアはひと段落となる。本日も尿流測定と超音波検査が行われた。駅前で購入したペットボトル(600ml×3本)を飲み干し、ひたすら尿意を我慢して検査に臨んだ。その甲斐あって蓄尿量はナント!399ml。その他測定結果は、排尿時間:32sec、最大流速:27.6ml/s、平均流速:12.1ml/s。(実は、尿流測定も当面は最後となるので、スマホで測定結果をパチリ!)
医師からは、蓄尿量等も問題なく、術前41gだった前立腺も20g前後になっており、正常の大きさとのこと。「とても改善されています。」との言葉にひと安心。
なお、【前立腺癌】については、手術時(2017.11)に行った前立腺がん細胞診では問題ないものの、5年位経過するとがん発生の場合もあるので、PSA数値などに注意が必要とのこと。
【膀胱ガン】については「血尿」がポイント。人間ドックなどでの検査結果に注意すること。
また【前立腺肥大】については、存命中における再発はほぼ考えなくてよい!とのこと。
今後気になることがあればいつでも受診してください。とのことであった。
5.同じ病気を抱えておられる方々へ 【以下は「ズブの素人」である私の個人的見解ですので、念のため】 投薬治療、手術治療のいずれを選択するかは最終的に個人の考え方次第であって、両者ともに物理的な尿道圧迫原因を緩和もしくは除去を目的としたものであると思いますが、いま私がつよく後悔していることは、前立腺肥大症の原因、症状、治療方法などにばかり目が行き過ぎてしまい、陰に隠れてひたすら頑張ってくれていた「MY膀胱」の存在を完全に忘れてしまっていたことでした。老齢化等の避けられない要因よる膀胱の機能低下などを考慮すればするほど、それ以外の要因での「膀胱」の疲弊は早期の段階で軽減もしくは除去しておくことが大切なように感じています。
術後一年の経過報告を以って本レポートは終了としますが、大なれ小なれ自身の臓器を傷つける(?=手術)ことの代償は大きく、一年単位で良くなっていく・・・。位のゆったりとした気持ちで病気に向かい合っていくことが大切だと感じています。
悩まれずに、恥ずかしがらずに、そして「膀胱」が元気なうちに、複数の専門医の所見を聞き、その結果を手術実績の多い病院で相談されてみては如何でしょうか?
排尿時のドボドボッ・・と勢いよく出る爽快感、そして排尿後のスッキリ感を共に味わってみませんか?
冗長な文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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