高熱の原因は腎盂腎炎でした。

初夏なのに随分と肌寒いような気がしていて、夜は厚着して暖房までつけていた日の翌朝。
激しい悪寒で目が覚めました。
熱を測ると40℃。ガタガタと震えが止まりません。
でも、咳や鼻汁や喉の痛みなどの典型的な風邪の症状がひとつも無く。
何が原因か分からなかったのですが、子供を母乳で育てていたこともあり、乳腺炎でも起こしたのだろうと思いました。
解熱剤（ロキソニン）を内服しても、一向に下がらず。
40℃の熱が出たまま、丸一日過ごしました。
翌日になって近所の産婦人科に相談に行ったところ、乳腺炎にしてはなんだかおかしい、と言われました。

「おしっこはちゃんと出てる？」

と聞かれ、その時初めて、数日前から尿量が激減していたことと、尿がとても濁っていたこと、尿の色が変だったことに気付きました。（褐色の尿でした）
てっきりそれは、高熱のせいで脱水傾向になっている為に出ている症状なのだとおもっていたのですが…。
簡易検査をしてみると、尿蛋白が異常な量出ているとのこと。
そして、先生から不意に背中を叩かれた時、激痛が走りました。

背中のある部分を叩いて激痛が走るというのは、腎盂腎炎（昔で言う、腎盂炎）の典型的な症状なのだとか。
乳腺炎だとばかり思っていたのですが、腎盂腎炎だったとは…。

すぐに大きな病院の泌尿器科を紹介され、受診。
血液検査をすると、とんでもない炎症反応が出ていて、白血球も異常な高値であり、細菌感染から腎盂腎炎を起こしたのだろうとの診断でした。
すぐに入院するように勧められたのですが、まだ小さい子供もいる為入院は無理…。
交渉の結果、毎日点滴に通うことを約束させられて帰宅を許されました。

帰宅をしても、熱は下がるわけではなく、結局10日間も40℃の熱が続きました。
しかし高熱が続く一方で、抗生剤の点滴が著効した為、血液検査の値はみるみるうちに改善、結局2週間で完治となりました。

後で聞いた話なのですが、あと1日、受診が遅れていたら…腎臓に酷いダメージを受けて、命に関わっていただろう、とのこと。
後遺症も何もなく完治できたのは、最初にたまたま受診した産婦人科で腎盂腎炎を見つけてくださったお蔭です。

腎盂腎炎は、尿路感染によって起こるのだそうですが、通常は膀胱炎のような症状が最初に出ることが多いのだそうです。
私は酷い膀胱炎になったことが過去2回あります。
その時は、真っ赤な尿が出たり、排尿時に激痛があったりしたので自分でも「これは変だ」と気付けて、すぐに受診することが出来ました。
その為、菌が腎臓にまで回る前に治療することが出来ていました。

しかし今回の腎盂腎炎では、膀胱炎の症状はありませんでした。
何か痛みでもあれば、ここまでこじらせる前に気付けたのですが…。
尿量が減っていることや尿の色が褐色だったことなどは、「腎臓が…」と医師に言われてみて初めて気付きました。そのくらい、自覚症状が出るのが遅かったのです。
本人でも気付かないくらいに静かに静かに…病気が進行していたのですね。

40℃という異常な高熱。
しかも、それが明らかに風邪症状を伴わないものだったとしたら…。
そして、尿の様子がいつもと違っていたら…。
腎盂腎炎を疑って、医療機関を受診されることをお勧めします。