気がついたら摂食障害に……一人ではどうしようもない状態になっていました。

社会人３年目の女です。
身長165センチ
体重 マックス62キロ
一番低い時 52キロ

去年から夜勤が始まり、睡眠不足から夜勤明けに食欲が治らなくなってしまいました。
１ヶ月で体重が３キロ太り、ダイエットを決意。
一食置き換えなどをして２ヶ月後７キロ減量。
そこから過食嘔吐が始まりました。

夜勤明けにとんでもない量の炭水化物をとり、喉をスプーンで刺激して吐きました。
どんどん食べる量が増えて行き、過食嘔吐の回数も増えていき、泥沼にはまっていきました。
週に２、３回。１日に立て続けに２回するときもありました。

過食嘔吐を始めてすぐに満腹感というものがなくなりました。お腹にたまっているという感覚はあるのですが、あーお腹いっぱいとは思えないのです。

それから初経以後規則的にきていた生理がなくなりました。
３ヶ月生理がなくなったため、危機感を感じて婦人科で注射を打ってもらいました。
１回打っただけでは来ず、２回目でやっと来ました。
今考えればもうこの時私の体に生理を起こす力はなかったのです。

生理をおこしてからというもの、少し食べただけでも体重が増加するようになりました。
それにお腹だけ異様に大きく妊婦さんのようでした。
体型の変化に食べる量をどんどん減らし、その反動で過食嘔吐する。
頭はつねに食べ物のことでいっぱい。
帰宅途中に何軒ものコンビニに寄り、買い食いし、自宅には帰りつけない。
食べ物との戦いに心身ともに疲弊して行きました。

まだ私はこのとき、自分は食べて吐くだけで普通の人間だと思っていました。
自分は過食嘔吐だとわかっていましたし、過食嘔吐が心因性であることが多いのも知っていましたが、自分は違う、と。
夜勤で体のバランスを崩しただけだと思っていたのです。
ちなみに体型も標準体型そのものでした。

食費が家計を圧迫し、これではいけないと、過食嘔吐を止めようと決意したのですが、続いたのは２週間だけ。
ある日職場で強いストレスを感じ、その夜今までで一番ひどく過食嘔吐をしてしまったのです。

それからは崩れていく一方。
過食嘔吐が精神的なものであると自覚した瞬間、足元が崩れていく気がしました。
とうとう貧血で倒れ、そのまま親に懇願される形で休職。
嫌な思い出ばかりになった一人暮らしの部屋を引き払い、実家に帰りました。
栄養失調でろくに動けなくなり、ぼろぼろの体で病院に行きました。

病院では「とにかく我慢するしかない。炭水化物や甘いものを食べれば食べるほど衝動が強くなる」と言われました。
また、食欲を抑える薬もあるが、吐き気が伴うので過食嘔吐には向かないそうです。
家族にもカミングアウトして食事の管理、金銭の管理をしてもらい、物理的に買い食いが不可能な環境を作りました。

代謝が落ちていたため、最初はものすごく太りました。
食べれば食べるほどに太り、本当に辛かったです。
お風呂に入ればのぼせ、ウォーキングも１キロが限界。階段では息切れし、すぐに疲れて寝込む。自分でもどうしてこうなっているのかわかりませんでした。

ですがバランスに良い食事を心がけた結果、体重の増え止まりが起きました。
体力も回復し、毎日ラジオ体操やヨガ、ウォーキングにサイクリングと軽めの運動も始めてみました。
ひと月半経った今、むくんでいた顔が元に戻り、逆にほっそりして見えるくらいです。
脂肪もじょじょに落ちてきて、お腹ばかりが出ていた体型もスリムになってきています。

何より嬉しいことは食欲が正常に戻ったことです。お腹いっぱいだと思えるようになりました。
食べる量も減ってきて、過食嘔吐を「忘れ」つつあります。

今、摂食障害で悩んでいる方、暗い出口のないトンネルにいるような気分だと思います。
私もそうでした。あの頃を思い返すと、衝動を抑えきれずに買いに走った夜のコンビニのことばかり思い出します。今でもコンビニに抵抗があります。

でも過食嘔吐は治すことができる病気です。
ひとりではむずかしいかもしれません。
ですがきっと出口はあります。

過食嘔吐で悩む方にはいい子で自信がない人が多いそうです。
私もそうでした。自分に自信がなく、どうして自分はこんなにダメなんだろう。そんな思いを食べ物とともに吐き出していました。

過食嘔吐は自分自身の悲鳴です。つらいよ苦しいよ、もうダメだよという悲鳴です。
それだけがんばってきた自分をもう許してあげてください。いたわってあげてください。
もうひとりでがんばらないでください。

摂食障害で悩むみなさんが、あーお腹いっぱい。幸せ！と思える日が来ることを願っています。