熱性けいれんから分かった本当は怖い幼児の薬事情
ハマーン
(50歳代・男性)
| 病気 | 熱性けいれん |
|---|---|
| 病院 | 川崎市立多摩病院 |
| 製薬 | ペリアクチン散1% |
| 関連 | けいれん、発熱(子供) |
| 参考 | http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=3759:2012517&catid=20&Itemid=98 |
お子さんをお持ちの方の中には熱性けいれんの経験のある方がいるのではないでしょうか。
初めて経験されるととても怖いと思いますし、何度も経験をしてくると何かをしている時にけいれんが発症して,その拍子で頭を打ちやしないかと心配になると思います。
熱性けいれん自体はめずらしい事ではないようですが、問題は【薬で発症する可能性が高くなる】と言われていることです。
可能性のある薬についても書いていますので同じように小さなお子さんをお持ちの親御さんのお役に立てればと思います。
■2度救急車のお世話になる
初めて娘が熱性けいれんになったのは2歳のことでした。
もともと呼吸器が弱めな娘は
●ぜんそく
●副鼻腔炎
にかかっていましたので風邪を引きやすい体質でした。
これらの症状に対して日常的に飲む薬が処方されていて長期的に継続して服用していました。
2歳のある時に急激に38.5℃を越えて発熱した娘は、急に血の気を引きながら顔を紫色に染めながらけいれんを起こし意識を失いました。
しばらく声をかけても意識が戻らない娘に私たちは動揺し、すぐに救急車を呼びました。
救急隊が着いて様子を診ているあたりから意識を取り戻したので10分は意識が無かったと思います。
意識は取り戻したものの念のため救急病院に搬送されてそこの小児科の先生に診てもらいました。
その時は熱性けいれんであることは告げられましたが原因は分からず、脱水の可能性もあるからということで点滴を受けて帰宅しました。
二度目のときは同じように急激に高熱になったので夜間診療に連れて行ったときでした。
ちょうど小児科の先生が診ている前でけいれんを起こして失神し、しばらく意識が戻らなかったので先生自ら救急車に連絡して救急病院に搬送されました。
■抗ヒスタミン剤がダメらしい
その時の救急対応の先生から言われて分かった事があります。
副鼻腔炎の薬として今まで処方されていた「ペリアクチン」が熱性けいれんの原因になっている可能性があるという事です。
抗ヒスタミン剤は鼻炎やアレルギーを抑える薬に含まれていたり、よく市販の風邪薬でも聞く名前ですので聞いたことがある方は結構いるのではないでしょうか。
先生いわく、
●元々熱性けいれんを起こしやすい子は服用で発症しやすくなる
(閾値が下がる)
●38度を越えた高熱でけいれんを起こす子は特定の薬で37度台でもけいれんする可能性がある
●複数回経験がある場合は、てんかん等の可能性もあるので脳波の検査は受けたほうがいい
ということでした。
今回の事をかかりつけの先生に話してペリアクチンは抜いてもらってくださいね、と言われました。
かかりつけの先生にお願いしてペリアクチンを抜いてもらって以降は発熱で38度を越えても一度も熱性けいれんを発症しなくなりました。
先生から熱性けいれんは後遺症とかの心配も無いから大丈夫ですよ、と言われました。
ペリアクチンを抜いてからは座薬であるダイアップを処方されましたが、よほどでない限りは使わなくていいです、とも言われました。
先生によってダイアップを処方する方としない方とがあるそうです。
■最後に…
これは同じく子どもを持つ友人から聞いた話で驚いた事なのですが、子どもに処方される薬の半分以上は薬の安全に関する情報が一部あるいは全く表示されていないのだそうです。
その情報が正しいとすると、小児科や耳鼻科の先生たちにも安全性の情報は入ってこないのではないでしょうか。
安全性が確保されていない薬をまだ代謝能力が未熟な幼児が飲む、これは怖いです。
インターネットで調べてみるとヘルスデージャパンというサイトに友人が言っていたことと符合する内容の記事が掲載されていました。
小児が使用する薬剤の半数は十分な安全情報の表示なし(2012.5.17掲載)
【URL参照】
以下は順天堂大学 新島新一先生の講演会の内容を抜粋しています。
これをお読みの方でお子さんが熱性けいれんの経験がある方は以下にある薬を服用されていないかチェックされることをお勧めします。
●抗ヒスタミン薬の使用の際には、過去に「けいれん」があったかの確認が必要です。
●抗ヒスタミン薬はアレルギー性鼻炎の鼻汁やくしゃみの改善やアトピー性皮膚炎や蕁麻疹の痒みの改善に使われる薬です。
●てんかんのある成人が、抗ヒスタミン薬を内服するとけいれん発作が増悪するので注意が必要です。
●10才未満のお子さんで、けいれんの既往がある場合には抗ヒスタミン薬の内服によってけいれんが誘発されますのでお薬の選択が重要です。
●熱性けいれんのお子さんの45%が抗ヒスタミン薬を飲んでいたとの報告があります。危険因子として抗ヒスタミン薬の内服があげられます。
●6ヶ月以上の乳幼児で「鼻汁」の症状に安全に使えるお薬はアレジオンドライシロップのみでこれ以外のお薬は避けたほうがよいでしょう。アレジオンドライシロップはお薬が脳内に移行することが低い安全なお薬で乳幼児には最も適しています。
●小児において脳内移行に伴う「けいれん」を誘発しない安全なお薬は次のものがあげられます。
a)抗ヒスタミン薬の中ではアレグラ・アレジオン・エバステルがあげられます。
b)ぜんそくのお薬ではオノン・シングレア・IPDがあげられます。
●けいれんの既往のあるお子さんでは「けいれんを誘発する可能性のあるお薬」は使用を避けることが大切です。
具体的には次のお薬に注意が必要です。
①ザジテン
②セルテクト
③ポララミン
④アレルギン
⑤ペリアクチン
⑥ヒスタール
⑦アタラックス
⑧レスタミン
⑨タベジール
等の抗ヒスタミン剤。
上記のお薬は脳内移行の多いお薬ですので、けいれいんの既往があるお子さんが服用するとけいれんを誘発しやすくなります。
従って上記のお薬を使用する際には抗痙攣作用を持つセルシン散をほんの少々入れると良いと思います。
コメント(2件)
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ハイビスカスサティ2歳の息子も熱性痙攣を3度起こしたので、とても参考になりました。投稿:2015/02/01 03:23 -
ここにゃ我が家の子供2人も熱性けいれんを起こしました…。
まさか抗ヒスタミン剤が、悪かったとは。
こんな副作用があるのですね。
服用を中止します!投稿:2015/07/13 04:37 -
(削除されました)
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