虫歯がない人ほど歯肉炎になりやすいので注意が必要です

私が虫歯になったのは、もう20年以上前に1度だけです。歯科医にお世話になったのはその虫歯の時と、親知らずを抜いてもらった時だけです。約50年の人生で10回にも満たない通院歴です。

とはいえ虫歯にならないように念入りに歯磨きをしていたかと言えば決してそのようなことはありません。夜、歯磨きのあとで寝る前に甘いものを食べても虫歯にならなかったので、お口の健康というものをなめてかかっていました。

ところがある朝歯ブラシをあてると、一か所だけ歯茎が痛みます。歯ブラシの毛先が当たるだけで痛みます。しかし私の歯や歯茎に限ってトラブルは起きないだろうと思っていたため、そのまま放置していました。しかしそのうちに何か物が当たらなくても鈍痛が起きるようになりました。歯茎も風船のように膨らみ、手で押さえるとぶよぶよしています。

それでも私は歯科医院に行きませんでした。今までほとんど通院したことがなかったため、いい年をして怖かったのです。

やがて鈍痛から激痛に変わりました。痛みを感じだしてから2日しか経過していないのに、急速に悪化したようです。市販の鎮痛薬を飲みましたが全く効きません。眠れない夜を過ごしてようやく歯科医院に行きました。

診察の結果、急性壊死性潰瘍性歯肉炎でした。歯肉炎を起こしている状態が、何らかの原因で急速に悪化して腫れあがっていました。

幸いにも軽症でしたので、抗生物質と鎮痛剤を処方していただき1週間ほどで治りました。

症状が治まったところで、先生からいろいろと説明を受けました。歯石の付着が多いこと、歯茎が弱っていてこのままではいずれ歯が抜け落ちてしまう可能性があること。
どうやら今までのいい加減な歯磨きのせいで歯茎がかなり弱っていたようです。

その後、歯石をきれいに除去してもらい3か月に1度定期的に歯のクリーニングをしてもらっています。相変わらず歯科医院は苦手ですが、あの時の痛みを思い出すとそうも言っていられません。それにこのまま放置しておくと将来自分の歯で物がたべられなくなります。

虫歯になりやすい人は日ごろから丁寧に歯磨きをしますが、虫歯になりにくい人ほどお口の健康に無頓着だそうです。今虫歯のない人でもある程度の年齢になれば歯茎も衰えてきます。なにかトラブルが起きる前に歯科医院を受診することをおすすめします。