不妊治療半ばで子宮内膜複雑異型増殖症が発覚し子宮卵巣摘出。

四年くらい前から、不妊治療目的で矢内原ウィメンズクリニックにかかるようになりました。
タイミングからスタートして人工授精へ、それでも結果は出ずに体外受精（顕微授精）も
考えるようになってきた頃、子宮内にポリープがあるが不妊の原因にもなりうるので
手術で取りましょうと言う事になり、日帰りで全身麻酔でポリープ切除をしました。
ところが、不妊の原因どころか、95％以上は良性と言われていたポリープから異型細胞が出てしまい、
子宮内膜増殖症だろうとのことでした。
そうなると不妊治療はストップしてそちらの治療に入らねばなりません。
その頃は深刻には考えておらず、ただ不妊治療を止めて治療するもどかしさだけでした。

自分で調べて、北里大学病院に紹介状を書いてもらってそちらにかかるようになりました。
とりあえずは、高用量ホルモン療法（MPA)で様子を見てそれでも悪い細胞が消えない場合は
子宮摘出も視野に入れるように言われました。
子宮内膜増殖症といっても、私のように複雑型の異型細胞の場合は一番子宮体がんに近く、
25％くらいはガンに移行するといわれました。それでもまだ摘出なんてまだ大丈夫だろうと思ってました。
幸いMPAは効果がありました。本来はヒスロンですが、ジェネリックのプロゲストンだと
価格が半分位だったのでずっとプロゲストンにしていました。
担当医にも半額だったと伝えたら、ご存じなかったようで他の方の参考になるから詳しく教えてと言われました。
その後は毎月細胞診と組織診をしつつ、最後に入院、全身麻酔での子宮内膜掻爬をして、
子宮内膜増殖症は残っていたものの、複雑型の異型はなくなっていたので、とりあえずは寛解（小康状態のようなもの）となり晴れて不妊治療再開となりました。
しかし、大概の人は一年以上経ってからだけど再発率が7～80％とのことで、
急ぐため体外をすぐ始めるよう言われました。
また矢内原に戻り、体外受精（顕微授精）を二回しましたが、卵は取れるものの、結果は出ませんでした。

そして寛解から三か月、再発してしまいました。

また同じ様にMPAで治療する病院もあるようですが、北里では再発の場合はMPAの効果が薄いと判断し
摘出を勧めるとのことでした。
でも、子供が欲しいとの希望と40歳以下の年齢を考慮して、もう一度MPAを検討しても良いとも言ってくださりましたが、詳しく調べるためにまた掻爬をしたところ、「癌細胞を否定できない」と出てしまいました。
「癌」という文字が出てきてしまうと、もうそちらの恐怖が先立ち、家族で話し合い
「子供より私の命が大事」と摘出を勧められ、私も決意しました。

卵巣を全部取ると、卵巣欠落症（更年期症状）になるので、残せたら一つ残してくれると言われましたが、
卵巣にはチョコレートのう胞があって、癒着や骨盤内腹膜炎を起こしていたので残せませんでした。

しかし、子宮体がんを覚悟していましたが、幸い病理結果では癌まではいっていないとの事で、
最終的な診断は子宮内膜複雑異型増殖症になりました。

最初にMPAをしていた頃や、再発してすぐの頃などはまだ癌のことなどちらりとも思わなかったですし、
いろいろ無知だったなと振り返って思います。
私はほんとに幸いなことに、癌ではないという結果になれましたが、
再発時もっと明らかに癌だったらリンパも取っていたでしょうし（術後排尿障害やリンパ浮腫発症の恐れが伴う）病理で癌だったら、初期でも再発転移の恐れが少なからず出てきます、
それに抗がん剤になったら、つらい副作用と戦うことになっていたでしょう。
卵巣欠落症や腸閉塞のリスクと一生おつきあいになりましたが、
それでもその他の後遺症や追加治療をされている方の辛さに比べれば雲泥の差だと思っています。

子供が欲しくてMPAをされる方も結構いると思います。
初期の体癌の場合もMPAが可能だったりします。
でも、その後のリスクをもっと考えてほしいとです。
特に再発しても何度もMPAで対応する病院も、同じ病気のブログなどでよく見かけたのであると思います。
その病院の方針だとは思いますが、癌が限りなく近くに居るという事やその後の苦労を
ご本人がもっと知るべきだと思います。