喉と鼻の違和感、副鼻腔炎と間違えられやすい上咽頭炎とは？

私が風邪を発症してから1ヶ月、風邪は治りましたが、粘り気のある鼻水が喉に落ちる違和感がほぼ毎日、どの時間でも感じられるようになりました。また、喉に垂れた鼻水は慢性的な咳と痰を誘発させるのでとにかく不快になります。

しかし、耳鼻科でレントゲンを撮るも、異常はなし。気のせいだという医者や精神的な問題と精神安定剤を勧める医者もいました。
とは言え、咳と痰が生産されている事は紛れも無い事実、インターネットでひたすらこの症状について調べました。
そして、上咽頭炎という病気を見つけました。
ちなみに上咽頭は鼻の奥の壁、喉と鼻の間にあります。
上咽頭炎の症状は、鼻と喉の違和感、むせ込むような咳、透明や白く濁った鼻水のような痰（時には血も混じる）、熱感、自律神経系の異常等、ここには書ききれない程の症状があります。

さらに厄介な事に、この上咽頭炎は現代の耳鼻科で診察される事がほぼありません。大抵が副鼻腔炎を疑われ、検査の結果は異常なしと判断され、大抵は切り捨てられます。
上咽頭炎は、風邪や副鼻腔炎を患った時等に併発する事が多く、どんな人でも1度はかかりますし、大抵は悪化する前に自然に治ります。しかし、慢性化すると鼻呼吸の際の空気の通り道であるため、位置的な問題もあり、とことん治りにくく、長期間症状に悩まされる事になります。また、逆流した胃酸で上咽頭がダメージを受けて発症する事もあります。

上咽頭炎は昭和の頃まではどこの耳鼻科でも診察可能であり、治療法も確立されていましたが、平成の現在では診察可能な耳鼻科は全国で2桁程度まで落ち込みました。
その理由として、治療の保険点数が安い事、治療法（下記参照）が患者に嫌がられる事、効果の医学的根拠（論文等が少ない）が微妙、そもそも治療法を行う気がない耳鼻科がほとんである事が上げられます。

上咽頭炎の特効とも言える治療法は、塩化亜鉛（クロールチンク）を鼻と喉から塗り込む方法です。
「Bスポット」の名前の方が有名かもしれませんね。
しかし、前述の通り、塩化亜鉛塗布は全国でもごく僅かの耳鼻科でしか受ける事は出来ません。
私の場合は幸運にも家から20分の距離に2件、塩化亜鉛塗布を行う耳鼻科がありました。
治療法については、各耳鼻科で独自の発展を遂げたせいか、耳鼻科によって治療法も異なります。
主に、喉から曲がった綿棒で直接塗り込む方法（嘔吐反射あり、嘔吐反射が酷い人はこれが嫌で諦めます）と鼻から小さめの綿棒で塗り込む方法（くしゃみや鼻水、涙があふれ出ます）、この2つを両方行う耳鼻科もあります。
塩化亜鉛塗布治療は激痛があります。嘔吐反射と同様に、この激痛で治療を諦める人がいるほどです。これは症状が重ければ重い人ほど長く痛みも強いです。私は喉を鉄で焼かれたような激痛が丸1日続きました。この時は治療を後悔しましたが、痛みが引くと治療前より格段に状態が良くなります。更に、治療を重ねるごとに痛みに苦しむ時間も短くなり、痛み自体も減ります。
治療回数は痛みや違和感がなくなるまで、概ね10回程度で楽になる事が多いですが、治療前の症状が重い人ほど長くなります。私は15回治療して、症状がほぼ気にならないレベルまで落ち着きました。
根気良く治療する必要があるのも通院を諦める要因の1つですね。

とにかく、治療してくれる耳鼻科が少ないので、上咽頭炎を疑う時には必ずネットや電話等で調べてから耳鼻科を訪ねるようにして下さい。治療にも時間はかかりますが必ず楽になります。