耳鳴りが続き、突発性難聴に。うまく向き合って生活しています

　一時的な耳鳴りは誰でも経験したことがあるかとは思いますが、私の場合は、突然耳鳴りが始まり、それがずっと続きました。その他にも、食器と食器がぶつかる音などが、異常なほど耳に響いたり、増幅して聞こえたりするといった症状もありました。そうした症状が続き、三日目か四日目には、「さすがにこれはおかしい」と思い、耳鼻科を受診しました。

　問診や聴力測定などを行い、その結果、医師からは「突発性難聴」と診断されました。聴力測定では、高音部分が聞き取れなかったようです。原因は、さまざまなようですが、ストレスや疲労なども原因になると言われ、思い当たる節があったので、とりあえず納得しました。

　ただ、「突発性難聴」という病名はついていますが、要は「突発的におきる原因不明の難聴」はすべて「突発性難聴」と診断されるみたいです。症状は、軽～重度の難聴、耳鳴り、耳閉感、強いめまいなどがあるようですが、私の場合、めまいはありませんでした。

　耳鼻科での治療は、鼻から管を入れて空気を送り込み、耳から出すというものと、器具を使った鼓膜のマッサージみたいなものでした。どちらもハッキリ言って効果はほとんどありませんでした。耳鼻科では治らないと判断し、数日通った後に、通院をやめました。

　その後も日によって耳鳴りの症状が軽くなったり重くなったりといったことはありましたが、基本的には、朝から晩までずっと耳鳴りが続く状態で、特に寝るときはうるさくて仕方ありませんでした。そのため、充分睡眠がとれないこともたびたびありました。

　1ヶ月以上もずっとそういった状態が続いたので、「もしかして、脳の病気……？」と不安になり、思いきって脳外科を受診し、MRIで脳の検査をしてもらいました。

　結果はまったく異常なし。「とてもきれいな状態」と医師からは褒められてしまいました。脳外科の医師に突発性難聴のことを話すと、「治す方法が今のところないんじゃないかな。本人の自然治癒力にかかっている」という見解でした。

　脳に異常がなく、命にかかわる心配はないということがわかったので、とりあえず、耳鳴りを気にしないようにすることにしました。

　突発性難聴になってから、もう3年ほどになりますが、今でも耳鳴りは続いています。ただ、耳鳴りにも慣れてしまって、よほど体調が悪いときではない限り、耐えられないほどの不快感を覚えたりイライラしたりすることはなくなりました。ですので、今はとくに治療はしていません。

　個人的な傾向としては、寝不足、ストレス、体調不良などがあったときには、耳鳴りの症状がひどくなるようです。「今日は耳鳴りがひどいから、体調があまり良くないな」などと、今では、健康状態を知るためのバロメーターとして活用しています。悲観的に考えても良くなるわけではないのですから、前向きに考えていくしかないと思っています。

「治療法がなく、治らないなら、うまく付き合っていくしかない」
それが突発性難聴というやっかいな病気にかかってしまった私の結論です。