他人事ではない婦人病ー子宮頸癌

五年ほど前になるでしょうか、妻が更年期症状を訴えたので病院に行きました。
始め行ったのは馴染みの医院で、検査を受けるだけで帰ってきました。
結果が出たのは数週間後でした。
嫌に悠長な展開だと思っていると、何のことはないいくつかの検査数値が異常を示していました。
その時点でもっと速く通達できなかったのかと考えましたが、医者に責任があるわけではありません。
大人しく結果を受け入れ、紹介された病院へ行きました。

次に行ったのは杏雲堂病院でした。
子宮癌の権威がいるということで、半ば安心して診察を受けました。
数値は異常でも、診断は異常無しとのことでした。しかし、何か疑わしいことがあったのでしょう。
更年期障害を緩和する薬と他にもう一つの薬を処方してもらって、その日は帰りました。

次に病院を訪れたのは二ヵ月後のことでした。
それが予約日だったので、その予定に従ったまでです。
妻が、受診を終わってかけてきた電話は、今になっても忘れることは出来ません。
診察の結果を訊いたところ、沈んだ声でこう答えました。「子宮に癌があって、左の卵巣が腫れているの」結論から言うと、妻は子宮も卵巣も全摘出を余儀なくされました。
疑念の余地があるとすれば、それを取り除くのが医者の務めです。
結局、早期発見が出来たにもかかわらず、治療には及ばなかったのです。
後味の悪い病気体験でした。同じような境遇にいらっしゃる女性に進言します。

もし、病院や医者に不信感が残るとすれば、必ずセカンドオピニオンを訊かれることをおススメします。
医者とは言え完璧ではありません。後々後悔するような事は絶対に避けるべきです。
残念ながら、我が家に子供はおりません。