時折あった胸痛や動悸。造影検査の結果、40代で不安定狭心症が発覚。

ある時、自転車で散歩をしていました。その途中でちょっとした起伏のある場所を走っていて、多少息切れをした後に、胸骨の奥の辺りが何となく苦しく感じました。

自転車を漕ぐことをやめて、しばらく休むと何事も無かったように胸の苦しさが無くなり、普通に自転車も漕げるようになりました。

恐らく「運動不足が原因だろうな」位の感覚でいたのですが、翌日も同じルートを自転車で散歩していて、同じ場所で坂道を登っている時にちょっと強めの動悸と胸の苦しさを感じました。

この時に何かおかしい気がしたので、最寄りの大きめな病院の循環器内科を受診しました。

心電図や血液検査、心エコー等をしてもらい、血液検査で、血中のコレステロール値が基準を大きく超えている事がわかったものの、血圧や心電図、エコー等は正常であった事から、「狭心症の疑い」という診断でした。

その時に、コレステロール下げる薬や栄養指導等を受け、ニトロペンを処方され、胸痛が起きたら使うように言われました。
そして、高コレステロール血症についての治療の為の通院が始まりました。

先生は、私がまだ40代であった為に重篤な冠動脈の狭窄は起きていないと思うが、不安だったら血管造影で検査してみても良いと仰ったのですが、検査で入院が必要とのことだったので、その時は検査を受けませんでした。

検査の代わりに、今度胸痛が出た時に、ニトロペンを使用して痛みが無くなれば、狭心症の可能性が大幅に上がるので、すぐに来院するように言われていました。

その後、発作的なものが出ることを避けるために、あまり運動をしない生活を続けていたため、胸痛に見舞われる事がなく過ごせたのですが・・・。


診察を受けてから10ヶ月ほど経った、ある明け方の事です。
朝の4時くらいでした。

寝ていると、胸の中央付近かつ、胃の辺りより上部に鈍い感じで何かが、込み上げて来るような苦しい様な感覚で目が覚めました。

初めは胃液が込み上げて来たような感覚だったので、胸焼けかと思い、起き上がって水を飲んでみると2分もしないうちに治まってきました。

寝ぼけていた事もあって、その日は胃の痛みだと思ったまま、また眠りにつきました。

そして、１日空けた翌々日の明け方の同じ時間に、また同じような胸の苦しさを感じて目が覚めました。

胸の中央から喉元にかけてジワ～っと締め付けられる様な感覚でした。また胃がおかしいのかと思い水を飲んでるみると、また2、3分で治まったのでそのまま横になり寝ようとしましたが、今度は胃よりも上の部分がギューっと何かに握られる様な、締め付けられる様な感覚を覚えました。

この時は、目が完全に覚めていたので、ひょっとするとこの痛みは心臓辺りからなのかも知れないと思いながら起き上がり、ひたすら胸を擦ってみたように思います。(この時、ニトロペンを処方されていることをすっかり忘れてました。)

そして、数分で締め付け感も治まり、暫く起きていたのですが何事も起きなかったのでまた眠ってしまいました。

この段階で、まだ病院に行く気にならず、日中は何も起きないので、普通に過ごしていました。

そして、翌日の朝は何も起きなかったのですが、その日の夜、寝て一時間位すると、胸の締め付け感で目を覚ましました。でも、起き上がって暫くするとスッーと治まってしまうんです。

さすがに、胃ではなさそうだと確信が持てたものの、苦しさは3分も続かないので、たいしたことはなく、安静にしていれば大丈夫だと思って普通に寝ました。

しかし、翌朝も胸の中央辺りがジワっと苦しくなって来て、起き上がって暫くすると治まり何ともなくなります。

こんな事を１週間程繰り返した時に、母親(元看護師)と電話で話す事があり、この症状を話して見ました。
「あんた、それすぐ病院に行った方がいいよ。」
言われ、ネット等でも調べてみると、まともに不安定狭心症の症状で、早めに受診するように勧めているものばかり。

慌てて、普段掛かり付けている、循環器内科で診察してもらうと、心電図等は問題ないけど、自覚症状からみると血管造影検査をやって状態は確認した方が良いと言われ、やるなら午後から検査をしてくれると言われたので、その日に検査入院することにしました。

検査は、局所麻酔で手首の動脈からカテーテルを冠動脈まで入れて、造影剤を入れて撮影する感じでした。
局所麻酔なので、検査中は意識もあり、先生と話をすることも可能でした。

そして、その検査中に
「いや、検査してよかったよ。」
と先生が仰る訳です。話を聞くと、冠動脈の３ヶ所に狭窄があり、1つは閉塞寸前の状態ということでした。

検査中に寝たままの状態で横にある大きなモニターに狭窄部分が映し出され、治療方法の説明を受け、その場でステントを入れてもらうことになりました。

治療中の痛みは、最初の局所麻酔の注射以外まるでありません。

強いて言えば、造影剤が入るときにちょっと暖かく感じる事と、狭窄部分にステントを広げる時に、一瞬だけ発作と同じような胸痛が起こる位でした。

その日は、重篤1ヶ所の治療をしてもらい(私の血管の作りに奇形があり、この時入れた方向からだとカテーテルが曲がらなかったそうです。)、残りの2本は翌週に治療してもらう事になりました。

この時は、検査を含めて2時間くらいで治療が終わりました。
放射線の被曝の事が気になったのですが、先生曰く、今の機械は必要な場所に必要なタイミングで最小限の線量を当てるので、後遺症が出るのは稀だと教えてくれました。

あとは、手首からのカテーテルでしたので、術後の止血は、専用の止血バンドを手首に巻き、減圧しながら4時間後に外しました。

鼠径部からカテーテルを入れる場合もあるそうで、その時は、止血出来るまで足を動かす事ができないので大変だそうです。


2回目は反対の手首からのやりましたが、初回同様、局所麻酔の痛み以外はあまり感じませんでしたが、カテーテルを入れる為のシースを入れる時に血が流れ出てる生温い感覚がありました。

術後は、胸痛などの症状は無くなり、特に運動制限等もなく普通の生活に戻れています。

ただし、毎日投薬は必要です。

ステントを入れると、その場所で血栓ができやすくなるそうなので、それを防止する為に血液をサラサラにする抗血小板薬を2種類服用しています。(ワーファリンように抗凝固薬ではありませんので、納豆は食べられます。)

あと、これは私の問題でコレステロールを下げる薬(これ以上の動脈硬化を抑える)と、胃酸を抑える薬を飲んでいます。

治療費に関しては、自己負担額で約20万でした。(ステント３ヶ所なのでだいぶお高くなりました。)

あとは、この後定期的に診察を受ける事と半年後を目安にステントの状態を確認するための血管造影が必要になるかもしれないそうです。