突然の腹痛から始まった虚血性大腸炎 (写真あり)

連休の後半に、ウォーキングを一時間ほどして帰宅後、遅めの昼食を食べ終わったころに突然の腹痛がありました。
最初は、汗でおなかが冷えたせいで、ただの腹痛かと思いトイレに行きましたが、そのうち普通ではない激痛になりました。
すこし便秘がちだったせいか、すんなりと便通が無く嘔吐もしてしまいました。2時間ほどの間に激しくおなかを下すこと３～４回。嘔吐も３～４回あったと思います。
また、足先が冷えてつってしまい非常に痛かったのも覚えています。また、少量ですが血液らしきものがまざっているのも確認しました。

夕方に下痢や嘔吐はおさまりましたが、左下腹の腹痛は渋るように続き苦しみました。
休日だし夜になったので、翌日まで様子をみるつもりでしたが、やはり不安で夜間診療の病院に駆け込みました。その時は、痛みもありましたが、症状は少し落ち着いていて、なんとか歩ける状態でした。その病院では、「大腸炎でしょう」といわれ、ビオフェルミンを出されました。ちなみに、この時点では全く食欲が無く、白湯以外は口に入れていません。その日も帰宅して、薬と白湯をのんで寝ました。

ところが、朝まで下痢はないのに左下腹が腸の動きに合わせて、周期的に我慢できないほど痛かったのです。
その夜はほとんど眠れず、早朝にウトウトしただけでした。
起きがけに、ガスがでて、便意を感じトイレにいくと、便というよりもドロッとした全体血液のようなものが出て愕然としました。量はおそらく１００ml程度だったと思います。
あわてて、昨日の病院へいくと即入院ということになり、症状からおそらく虚血性大腸炎との事でした。大腸のなかの一部に一時的に血液が回らなくなっておこり、腸粘膜が傷つく病気らしいです。症状が落ち着くまでは、絶飲食で、一切口から固形物も水分も入れず、点滴だけで水分と栄養を摂ります。
その間に造影剤をいれてCTを撮り、腸壁に腫れた処があるので、おそらくその部分で炎症が起こっていると言われました。

発病後3日経って、3分がゆ、5分がゆと食事のレベルを上げましたが、食事を摂った翌日にまた、少量ですが下血があり、また、絶食と点滴が3日続き、その間に大腸の内視鏡検査をすることになりました。検査の恐怖心が強いと訴えたので、安定剤を点滴で入れてもらいながらの検査になりました。
多少の痛みはありましたが、不安感もなく、冷静に画像を見ながら検査を受けることができました。そのとき、小さなポリープが見つかり切除もしてもらいました。
発病後8日目から、また3分がゆ、5分がゆと食事をとって、10日目には普通食となり、12日目に退院の運びとなりました。
退院後は、あまり繊維質の強いものや脂っこいものは暫く避けるように言われましたが、その他は普通の生活ができています。ただ、絶食の期間がトータルで5日ほどもあったせいか、体力が回復するのは暫くかかりそうです。

この病気は、高齢者に多いようですが、近年若い人も増えているようです。また、特に便秘がきっかけになることも多いので、日ごろから便秘を予防することが、この疾患の予防になります。
大腸のS状結腸から、下行結腸にかけては、構造的に血液の巡りが悪くなりがちなところですので、おなかのマッサージなどで大腸の動きを日常的に整えることも大切と感じました。