突然の血尿から腎臓がん（ステージ2、転移なし）と告知され、全摘手術。

最近、食欲も低下して腰痛がひどいな…と思っていた時のことです。
ある日の夕方、赤ワインのような血尿が出て驚きました。
しかし、痛みもなかったので「明日、病院に行こう」と思ってその夜は床につきました。

深夜になって猛烈な痛みに襲われて、朝まで眠れぬ夜を過ごしました。
じっとしていられないほどの痛みだったのを覚えています。

朝になって、近所の病院に行き鎮痛剤など点滴を受けましたが効果は見られませんでした。
その間も各種検査を受けましたが、その結果は「腎臓が悪いみたいですので、処置ができる大きな総合病院を紹介します」というものでした。
総合病院では、先に受診した病院のデータを見ながらCTや超音波などの検査を受けました。
検査結果は医師からストレートに「腎臓がんです」と告げられました。
それだけでもショックでしたが、抗がん剤や放射線治療、がんの部分の切除で完治するものと痛みに耐えつつ思っていました。
しかし医師からは「腎臓がんは、抗がん剤や放射線治療は効果がないので、がんのある腎臓を丸ごと摘出します」と告げられました。
こちらの告知の方が私にはショックでしたね。
そのまま数日入院して、手術の日を待つこととなりました。
血尿はそのまま続きましたが、痛みは不思議なことに翌日には治ったと思います。
痛みが治ったので、一時退院して手術の日を待つこととなりました。
手術の日を待つ間にも、手術の説明を受けたり同意書にサインをするなどの手続きはありました。

そして手術前日、準備のため再度入院しました。
売店で必要な物を購入したり、陰毛の処理をしたりした記憶があります。
明日は大きな手術を受けると思うと、なかなか寝付けませんでした。
手術当日、手術は午後１時からということで正午くらいに血栓予防の弾性ストッキングを履いて手術室へ向かいました。
手術室に入る際には、生きてこの部屋を出られるか不安もありました。
でも、手術室のスタッフは患者に不安を与えない配慮なのか、明るい雰囲気でした。
それによって、少しですが不安も軽くなりました。
麻酔をかけられた瞬間、意識はなくなりました。
そこから4時間くらい手術はかかったみたいで、午後５時くらいに病室へ戻ってきました。
麻酔から覚めると、意識はあるのですが身体は動きませんね。
寝返りをうちたくても、自分で動けないのが辛い。
結果、翌朝には床擦れができました。
床擦れは寝たきりの人ができるわけではないのですね。
半日で床擦れができるとは思っていませんでした。
４０針くらい腹部を切開して、糸で縫ったのとホチキスみたいなもので留めたものと半々でした。

手術後は翌日から可能な限り、トイレなどは自分で動ける時は動けるようにすすめられました。
リハビリを兼ねていたんでしょうね。
食事も手術後はお粥でしたが、だんだん普通の食事に変わっていきました。
手術後は2週間ほど入院していました。
痛みに対しては、自分で局所麻酔を注入できる装置があったので楽に過ごせました。
病理検査の結果は医師から「悪性のがんで、ステージ2、転移なし」と知らされました。

退院後は無理なく、身体に負担をかけないよう過ごしました。
普通に過ごせるまでは、2ヶ月くらいはかかったような気がします。
手術後は５年間くらいは半年に一度CT、年に４回くらい血液検査や尿検査などをしていました。

現在は年に1度CTと、血液検査、尿検査を受けています。
手術前に５年生存率は６０〜８０%と告げられましたが、ありがたいことに現在も元気です。
現在でも手術の跡はハッキリと腹部に残っています。
転移という不安はありますが、現代医学に感謝して日々を過ごしています。
ところで、がんには完治というのは無いそうです。
寛解といって、病状が落ち着いているという扱いになるそうです。
また、献血もできなくなりました。
献血のできる基準から外れてしまうので、仕方ありません。
３０代だと健康診断は受けても、人間ドックを受ける人は少ないと思います。
私の経験からも若いうちから全身を細かく調べる人間ドックをオススメします。