巨大腎臓がんを、分子標的薬と摘出手術で治療。3か月後復職しました。

ある日便秘でお腹が痛いなぁと肋骨下辺りを脇の方から胃の方へさすると、右側だけいやに硬く｢おかしい？｣と感じました。
翌日会社の同僚ふたりに話しをすると｢私は硬くないよ！病院行きな｣と言われました。
その夜からインターネットで色々調べると｢もしかしてがん!?｣と思われる項目がいくつか当てはまりました。
※赤血球の数が多い
(健康診断で3年連続で数値が高かったが肥満が原因と思っていました。
肥満が原因でもあると思うが、腎臓がんが進行すると高くなることがあるという記事を見ました。)
※尿潜血+
(毎回+反応でしたが尿蛋白は-だったので、子宮筋腫が原因だと思っていました)
※尿蛋白3+
(今回がんと診断された2か月前の健康診断で高い数値が出ました。)
※腰痛、背部痛
(痛みは職業病と思っていましたが、がん摘出後痛みは無くなりました。)
※上腹部しこり
(みぞおちの右側、肋骨下あたりが硬くなっていました。押しても痛みはありませんでした。)

悩んでても仕方ないと町医者で受診すると右腎臓がんだと思われるので紹介状を書くから大きな病院へと。
紹介状を持って地元のそこそこ大きな病院へ行きMRI検査を受けると余りにも大きすぎる(18cm)事と静脈が短いので万が一手術で何か起きた場合を想定すると血管外科がある病院が良いとの診断で大学病院に紹介状を書いて頂く事になりました。

この時点で実はまだ自分ががんだとは少し信じられませんでした。
何故なら肉眼で分かるような血尿が一度もなかったからです。
インターネットで良性腫瘍という記事も見たので淡い期待もありました。
大学病院に行き質問すると｢尿管にがんがかかっていると血尿が出るけれど、かかってないから出てないだけですね｣との事でした。

治療計画は約1か月ヴォトリエントと言う分子標的薬を一日4錠服用し、右腎臓とがんの摘出手術を行うというものでした。
ヴォトリエントはがんが新しく血管を作る事を阻止することによりがんに栄養を送らないようにする効果がある薬との事でした。
悪い細胞にだけ働きかけるので副作用が軽いそうです。
実際に出た症状は
※腹部膨満感(常に胃に空気が入っている感じがし、小さなゲップがちょこちょこ出て、食欲不振になりました。)
※白髪(頭髪、睫毛など毛がつくもの全て。髪は気になるほどは抜けていません。)
※高血圧(通常高くても120台だったのが130～160に上昇)
※甲状腺ホルモンの値上昇(自覚症状なし)
※肝臓の値上昇(自覚症状なし)

肝臓の値上昇のため、4日分の薬を残し服薬中止になりました。
因みに薬価は保険適用で1錠1200円位でした。
血圧と甲状腺の薬も服用していました。

手術はみぞおち辺りからへそ下3cmに縦、へそから右脇腹に向かって横に創が残る開腹手術でした。
手術は7時間程かかり、術後先生から家族に｢出血はほぼなかった事、発病から5年以内だと言う事、分子標的薬の効果があり、ひとまわりは小さくなっている事｣など説明があったそうです。
創はホチキスの針の様なもの(50本はあったと思います)で閉じられており、抜糸(針)は数が多いので2日間に分けて行いました。


経過が順調だったので14日間入院予定でしたが、11日間で退院出来ました。
摘出した状態から転移は見られないとのことで、術後は放射線や化学療法はなく定期検査のみとのことでした。

退院後はデスクワークではないので、痛みが軽くなりお腹に力を入れられる様になってから復帰しようと思い、結局3か月間休職をしました。
片腎になりましたが、復職後はだるさなど感じる事なく手術前と変わらぬ日々過ごしています。