子供の頃から慢性の便秘。下剤の乱用により、24歳で虚血性大腸炎に。

物心ついた時には既に母親に捕まえられて浣腸されていた程、自力排便のできない子供でした。

排便は一週間に1度あればいい方、と思っていた中で、小学6年生の時に初めて、通常排便は毎日あるものだと知って驚いた程です。

それでも、『うんちは恥ずかしい』という子供らしい羞恥心から、出ない方が便利だと思い、その後も排便頻度が極端に少ないのが当たり前のまま生活を送りました。


高校生になった頃には痩せたい思いも相まって、下剤で出すことを覚えました。

下剤を使えば排便が自在にコントロールできる、しかも体重が減る、…そんな安易な考えで下剤を乱用した結果、下剤を飲まないと排便できなくなり、その上軽い下剤では効かなくなり、強い下剤も通常の倍以上飲まないと効かない身体になりました。

こんな中でも、自分は大量に下剤を飲まないと排便がない！と笑って話していた位です。


そんな中、24歳のある日、前日までの長期の旅行で排便できなかったため、今日は出すぞと意気込んで、帰宅に合わせて排便できる様にいつもの様に通常の何倍もの下剤を飲んで仕事をしていました。

帰宅して間もなく効き始めるつもりでいたのですが、その日だけは何故か、いつもより早めに、仕事が終わる直前に下剤による腹痛が起こり始めました。

おかしいなあと思いながら、いつも以上の腹痛をなんとか我慢して帰宅して、トイレに駆け込んで用を足して、最後に便槽を見て驚きました。

そこにあったのは見慣れた茶色ものではなく、真っ赤な（例えは悪いですが、マグロの刺身にそっくりな）塊でした。

出したはずなのにお腹を絞られるような何か飛び出すような激痛はなかなか治らず、床に就くまで何度か同じ様な塊を出しました。


翌日（そんな状態でも寝れば治る、と呑気に過ごしていた自分には本当に呆れます。）まだ腹痛は残っていたものの、出るものが通常の色に近くなったことや若干マシになったことから、いつもの様に出勤しました。


しかし、時間が経てども経てども朝の腹痛が軽快することはなく、うずくまらずにはいられなかったため、そこでようやく変だと思い、早退して消化器内科を受診しました。


問診の後、すぐにレントゲン撮影エコー検査が行われ、言い渡されたのがタイトルの『虚血性大腸炎』でした。

「ここ、腫れて栄養が途絶えちゃってるよ。」そう言って見せられたレントゲンには、あるはずの腸の一部が黒くなって写っていませんでした。

本当は絶食&入院加療が必要、との話でしたが、入院は嫌でしょう？との話で、薬を処方してもらい、自宅で3日間の絶食生活を送りました。


それにより元の体調に戻りましたが、後から調べた時に、なかなか恐い病気だと知ってゾッとしました。


先生の話では、私の原因はおそらく下剤の乱用だとのこと。
長い間出ずに出口で固まった便の所に、下剤によって強制的に後ろの便が押し寄せて、腸が圧死しそうになったそうです。
その他、しつこい便秘は幼い頃の浣腸によるもので、
生まれつきの便秘体質というものはあり得ないとの話も受けました。


この件から、そこの先生に体質に合う適量の便秘薬を処方してもらう様になり、今ではごく少量でそれなりに排便できる日々を過ごせています。


ここを読んで下さった方に、便秘は決して当たり前ではなくて薬で出せばいいだなんて思ってはいけないこと、また、排便は決して恥ずかしくないことが少しでも伝わればいいなと思い、このレポートを書きました。