発疹ではなく悪性腫瘍だった…子どもの隆起性皮膚線維肉腫は診断されにくい

はじまりは生後１か月。
乳児湿疹がひどく、全身湿疹だらけに。
様々な薬を使用し、やっと３か月ほどで湿疹が落ち着きました。
すると右上腕部に一つの５ミリほどの発疹が。

小児科で見てもらうと「乳児湿疹が残ってるんだろう」ということで軽めのスレロイド。
しかしいくら続けても全く治らず。
気になったので小児科を何件かまわりましたが、どの先生も「なんだろうね、でも悪いものじゃないから今すぐとりなくてもいいんじゃない？」程度に軽くあしらわれました。

それでも少しずつ大きくなっている気がして、あるとき測ってみると１㎝にまで大きくなっていました。
１才をすぎても治らず、本当に少しずつですが、大きくなっていました。
かゆがることも痛がることもなかったため、私もそれほど心配はしていませんでした。

いつも通っている小児科で再び相談しました。
「ケロイドかもしれないから、ステロイドの注射してもらえば？近くの皮膚科を紹介するよ」と、近くの皮膚科にいきました。
皮膚科では「こんな小さな子にステロイドの注射はできないよ」とのこと。
テープ式のステロイドがあるからそれを試してみようということで、２週間ほど続けました。
しかし全く効きませんでした。

そちらの皮膚科でもお手上げになり、大きな総合病院の皮膚科に紹介状を書いてもらいました。
大きな総合病院の皮膚科ではまずは保湿剤をだされ、様子を見るようにいわれました。
４時間も待って、保湿剤を出され、１か月後にきてくださいと１分診療。
さすがに悲しくなり、１か月後の予約にはいきませんでした。
しかし、やはり気になり続けたので、怒られるのを覚悟してまた総合病院にかかりました。
おそらく良性だろうとのことでほっとしましたが、念のため生検することになりました。
生検はすぐに終わると思ったのですが、採血やいろいろな検査をし、別日に設定。
その日もとても時間がかかり、４針ほど縫合しました。
そのため、１週間後に抜糸しにいきました。

生検の結果はおそらく「若年性黄色肉芽腫」(良性)だろうとのこと。
しかし、気になるので、さらに染色検査というものに進めていきたいとのこと。
その結果は１か月以上かかるとのこと。
一度、良性と言われていましたので、すっかり安心しきっていました。

１か月後、受診すると、軽い感じで先生は「隆起性皮膚線維肉腫であろうと思われる、広範囲に切除しなくてはならない」と説明しました。
切除する範囲などは形成の先生と相談して決めていく、これからＭＲＩなどをとってどこまで広がっているか検査すると。
軽い感じで話されたため、事の重大さに全くその時は気がつかずにいました。

家にかえり、さっそく検索してみると、悪性との文字が。
はじめてここでガンだということをしりました。
先生からは悪性という言葉もガンという言葉もまったくない説明でした。
私は涙がとまらず、次の日、説明を求め、仕事を半休もらい、先生に説明を求めにいきました。
また４時間以上待ち、泣きながら先生に説明を求めました。
やっとここで悪性であるとの説明をうけました。

とにかくＭＲＩをして広がりをみて検査してから切除する範囲をきめるとのこと。
子どもなのでＭＲＩも寝かさなくてはならない、そのため検査でも入院になるとのこと。
すぐに予約がとれないため、最短で２週間後にとってもらいました。
ＭＲＩの検査をし、１０センチ×１０センチほど切除し、深さは筋膜まで切除するとの説明をうけました。
くずれ落ちました。

切除し、１か月後に植皮術を受けるとのこと。
植皮はお腹から２か所切り取るとのこと。
息子は一才にしてお腹に大きな傷と右腕に大きな傷ができました。。

入院は検査で一泊。
はじめの切除術で３週間。
２回目の植皮術で４週間。
頑張りました。

植皮術のあとは安静が必要になり、右腕は抑制され、左手は点滴のためミトンをつけられ、両手使えない状態になりました。
ベッド上安静で、歩きたい盛りの息子はストレスで毎日泣き叫んでいました。
手術の日は痛みで「いたい、いたい」と泣き叫んでいました。
毎日、毎日入院生活に耐え、やっと先日退院できました。

手術したところはケロイド状になってしまい、瘢痕拘縮がおきてしまったため、また時期をみて再手術をするとのこと。
しばらくは週に一回通院していくことになりました。

そして５年間は再発がないか、転移がないか見ていきます。
まだまだこれからも戦いは続きますが、ひとまずは無事に退院できたのでここに報告しようと思いました。

ずっと良性だといわれていた息子の発疹。
実はガンだったと診断がつくまでには長い長い時間がかかりました。

なかなか治らないときは疑って病院を変えて調べてもらうことの重要性を感じました。
もう少し早くわかっていたら・・と何度も後悔しました。
息子には大きな大きな傷が残ってしまいました。
しかし、再発や転移がなくこれからも過ごせたらそれで幸せです。

傷はこれからいい病院をさがしてきれいにしてあげたいと思います。
もし、治らないできものや発疹などで悩んでいる方がいましたら早めに生検などをすることを心からお勧めしたいです。

まさかこんな小さな子がガンになるなんて。
毎日毎日眠れない日々を過ごしました。
自分を責める日々を過ごしました。

安心して心から笑える日がくるといいな。