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長引くめまいはメニエール症候群でした。3年にわたる闘病記。

ゆっきー2015  (40歳代・女性)

オススメ: 24,529views 2015年10月09日投稿 202votes 0comments
病気メニエール病、メニエール症候群
病院なかむら耳鼻咽喉科下村耳鼻咽喉科
製薬メリスロン錠6mg、トラベルミン配合錠、プレドニゾロン錠、アデホスコーワ顆粒10%
参考http://www.asahi-net.or.jp/~uc7m-mzn/

〈病気が発覚した経緯〉

■前兆

体調不良に気づいたのは結婚3年目、当時20代後半。クリスマスを過ぎたあたりでした。
12月に入り風邪気味でしたがいつものことだと思って年賀状をすませ、
クリスマスに手の込んだ料理を用意して、パンやケーキを買いに走りました。
無事にそれらも終わって「あぁ、やっと終わったなぁ・・・」とほっと一息ついたときでした。

体がどうもふわふわ、グラグラ揺れているような感覚に襲われました。
歩いていても海に浮かぶ不安定なイカダの上を歩いているように不安定なのです。
振り返ったり頭を動かすとグワーンと視界が揺れて、頭がクラクラとしました。

これまでも風邪気味で鼻水が出てグズグズしだすと、耳がおかしくなり軽いめまいがすることがありました。
風邪が治ればよくなるだろうと思って、風邪薬を飲んで寝ていました。

その時自宅で仕事をしていたこともあり毎日の睡眠時間は5時間を切っていました。
家事は全て私一人でしていました。

大晦日、正月を迎え、1月も中旬になった頃にもまだめまいは続いていました。


■最初の大きなめまい

夫が仕事に出かけ、居間に座っていたときでした。
突然大きなめまいに襲われて体を起こしていられず、その場になんとか横になりました。

目の前がぐるんぐるん回ったので目をつぶりました。
床に体をくっつけているから頭も動いていないはずなのに、
それでも体がジェットコースターに乗せられて引っ張り回されているかのようにぐるぐるしました。

吐き気でムカムカして、貧血のときのように頭から血液がさーっと引いていくような感覚がして、
手足が冷たくなっていきました。
一体なにが起こっているのかわからず、ただただ横になるしかありませんでした。

どのくらい時間が経ったのかわかりません。とりあえず目を開けられるようになったので、
寝転んだまま夫に連絡を取り救急外来へ連れて行ってもらいました。

車の移動が辛かったですが吐いても大丈夫なようにビニール袋を握りしめて目をつぶり、
頭を社内の壁に押し付けるように固定してひたすら耐えました。

病院では脳のCTを取ってもらい、脳に異常はありませんでした。
院内の移動は車椅子でしたが小さな段差や方向転換にも頭がくらくらして辛かったです。
吐き気とめまいを止める点滴を1時間ほどしてもらうと、吐き気が落ち着いて楽になり自宅に帰りました。

その後も2度、大きなめまいに襲われて救急外来で点滴をしてもらいました。

水の中に入ったり飛行機の気圧の変化のときのように鼓膜がバリバリいう音がして痛くなりました。
耳がつまった感覚がして、倒れていると高音の耳鳴りが鳴り響いていました。


■耳鼻咽喉科へ

救急外来で耳鼻咽喉科を受診するように言われて、2箇所行きました。
水中メガネのようなものをつけてする眼振の検査は異常なし。
聴力は低音が下がっていたため、プレドニン錠が処方され5日間飲んで再診を受けました。
「メニエール症候群」との診断でした。

もう一つの耳鼻科ではバランスの検査、聴力検査をしました。
耳鳴りと耳のつまりの症状を訴えたところ
「進行しないタイプのメニエール病」と診断されました。

「一生完治はない(症状が抑えられた寛解の時期はあるけれど)から、
持病として一生付き合っていかなくてはいけない」と医師から言われたときは
こんなにフラフラでこれからどうやって生きていけばいいのかと思い涙が止まりませんでした。


■治療の内容

内耳のむくみを取るイソソルビド内用液
めまいをおさえるメリスロン錠剤
血行をよくするためのアデホスコーワ顆粒が処方されました。

イソソルビド内用液は甘くて苦くてマズイですが、ぶどうの香りがついているので、
直後に水を飲むとぶどうジュースのような感じで後味が紛らわせることができました。

・疲れとストレスがよくないので、何も考えずにゆっくりと休むこと。
・睡眠時間を8時間くらいとること。
・減塩食を心がけること
・寒い時期や季節の変わり目、低気圧はめまいが起こりやすいから注意

めまいがすると寝てばかりになってしまうけど、
できるだけ体を起こして動く方が早く体がめまいに慣れるからといわれました。


■発症~3ヶ月

起きている間中ずっと震度3くらいの揺れが続いている状態で吐き気に悩まされていました。
30分程度体を起こしているのが限界で、すぐに目を瞑り横になっていました。

眠っても眠っても眠くて、毎日10時間くらい1ヶ月間程寝続けました。
掃除機もかけられない、台所に立つこともできませんでした。
仕事もお休みをもらうことになりました。
実家からおかずを届けてもらい、夫に家事を手伝ってもらいました。

しかし吐き気がひどくてほとんど食べられず、体重が5キロ減りました。
ご飯が炊ける匂いにも吐き気がして、寿司飯や甘酢の味付けなら食べられました。
エネルギーゼリーを飲んだりしましたが、体重が減り、低血糖状態で体がだる重くて辛かったです。

飲み薬の効果はよくわかりませんでしたが、
飲むのをやめたらめまいが起こるのではないかと感じてお守りのように飲んでいました。
家事もできず迷惑をかけて、さらに月に薬代が5千円ほどかかって申し訳なく思いました。

毎日乗り物酔いのような状態がひどいので、トラベルミンを処方してもらいました。
いくらか気分の悪さがマシになり座っていられるようにはなりました。

テレビ、パソコン、スマホの画面は酔うので見られませんでした。
ラジオや音楽などもすぐに耳が疲れてしまい聞く気になれませんでした。
雑誌や料理本を眺めたり、絵を書いて過ごしました。

雨などの天気の崩れや気温が下がる予報が出ると、途端に体が鉛のように重くなり
起き上がることができなかったりめまいが起こりました。

1時間刻みの天気予報を見て、天気が良さそうなときにお風呂に入りました。
突然めまいに襲われて冷たいフローリングの上から動けなくなってしまったことがあったので、
そろそろめまいが起こるかもしれないと感じたらトイレを済ませて布団に入るようにしました。
いつも近くにブランケットを置いておいて、寝室に戻るのが間に合わないときはそれで対処しました。

体重が40キロを切ろうとしていました。食べられない、でも入院にもならない。
頬がこけて目がくぼみ、肋が浮いて、どんどんやせ細っていくことが怖くてたまりませんでした。

毎日洗濯機を回し、部屋干しして除湿機で乾かすことだけは続けました。
途中しんどくなったら横になって休んだりしながらしました。


■4ヶ月目

ある朝起きると、急に吐き気が軽くなっていました。
あとで知ったことですが、内耳の壊れた平衡感覚を脳が視界と足裏からの刺激で補う作用が働くそうです。
代償機能が働くまでに個人差があるようで、私はこのタイミングだったようです。

一人前とまではいかなくても、いくらか食事が取れるようになりました。
これまで吐き気に耐えながらなんとか口に入れなくてはという気持ちでしたが、
久しぶりに美味しいと感じて食べられたことに涙が出たのを覚えています。

まだ体や視界の揺れは続いていて、常にふらふら、ぐらぐらしていました。

1時間ほどならテレビやパソコンの画面を見れるようになりました。
旅番組や海の映像、バラエティ番組で画面が切り替わるなど画面が揺れるものはダメでした。
それからメニエール病について調べるようになり、参考URLに書いたホームページを読み励みにしました。
「めまいは自分で治せる」という本を購入。そこに載っていためまい体操を少しずつ始めました。
最初はめまい体操をすると吐き気で寝込んでいましたが、1ヶ月ほどで大丈夫になってきました。

カフェインが自律神経に良くないという情報を見かけて、大好きだったコーヒーとチョコレートをやめました。

■5ヶ月目

料理を再開しました。といっても、3ヶ月程の寝たきりで体力が落ちてしまいました。
30分立っていたら気分が悪くなりめまいがして、
どんなに途中でも倒れ込んで2時間は眠らなければ回復しませんでした。めまい体操は継続しました。

夫に洗い物は全部してもらいました。
冷凍のカット野菜、レトルト食品も使いました。レンジで調理できるレシピ本も買いました。

雨が降ると寝込んだので、体の具合が良い時にまとめておかずを作り冷凍しました。
あたためるだけで食べられるのは便利でしたし、しんどい日はそれがあると思うと気が楽でした。

そして迎えた梅雨は地獄でした。
雨がざっと降るたびに耳がつまって痛くなり、めまいがして寝込みました。
鼓膜がバリバリ言い始めておかしいなぁと思うと天気が崩れるということがよくありました。

耳鳴りは24時間、両耳から高音が鳴りっぱなしでした。
耳鳴りというのは、聴力が落ちているのを補填しようとして体が音の感受性を高めるために
雑音が聞こえてしまう現象なのだそうです。


■6ヶ月~1年

雨が降って体が重くても、寝込むところまではいかなくなってきました。
掃除はなかなかできず週に2回。
テレビの音が耳に響いて頭が痛くなってしまうので、テレビの音量は今までの半分に下げていました。
掃除機の音も耐えられないし体力的に無理だったので、
フローリング用シートと粘着テープでなんとか掃除しました。

後頭部から締め付けられるような痛みと激しい頭痛に悩まされて、脳神経外科を受診しました。
偏頭痛に似ているけれど頻度としてはまだ確定できないと言われて保留になりました。
その症状も半年ほどで軽快していき、それに伴ってめまいの頻度も減っていきました。


■病後初めての美容院

髪の毛がボサボサな状態に耐えられず、徒歩圏内にある行きつけの美容院に行きました。
そこの美容師さんに事情を話して、洗髪なし、椅子の回転もなし。
極力頭を揺らさないようにして切ってもらいました。

その美容師さんもメニエール病の経験があり、
その方は「年を取って神経が図太くなればよくなる」と言われたそうです。
寝起きに朝日を浴びてラジオ体操をすると自律神経を整えることと体力作りに良いと聞き、
私も取り入れて薬を勇気を出してやめて、ラジオ体操を数ヶ月続けました。


■1年~

一進一退が続きました。
病気になる前にできていたことが出来ない自分がなかなか受け入れられず、
やりたいことを我慢するのが大変でした。
やりたい、でもやったら寝込むかもしれない。でも・・・!その繰り返しでした。
勢いでやってしまって、寝込んだことも何回かありました。

料理は野菜を何日分かまとめて切って、あとは調理するだけにしておきました。

一度めまいが起こると回復は早くなってきましたが、それでも3日程揺れが強くて辛くて、
1週間ほどふわふわ感が続いていました。

料理を作って、食べて、ちょっと掃除をして、お風呂に入って、眠る。
健康な人には当たり前のことかもしれませんが、それを精一杯頑張る日々でした。

2時間の映画は休み休み見ないと疲れるようになりました。
人と会っておしゃべりをすると楽しいのですが、その後疲れて寝込むことがあり控えるようにしました。
苦手な人と関わると大きなめまいが起こるようになり、自分の体が大事だと思い距離を置くことにしました。


■病後初めての旅行

車で1時間程度のところへ、日帰り旅行にいきました。
部屋では横になり体を休めて、食事はレストランへ食べに行き、部屋風呂にちょっと入りゆっくりしました。
観光はできませんでしたが少し遠くまで行けたことが自信になりました。


■発症からもうすぐ丸3年を迎える今

耳鳴りは基本的に24時間、両耳、高音で鳴っていますが慣れました。
時々違和感を感じて気にしてみると片側だけ鳴っていないことがあり、嬉しくなります。
疲れると耳鳴りが大きくなるので疲れ具合の目安にしています。

現在仕事はしておらず、専業主婦です。
朝食と夕食作り、洗濯は毎日。掃除は掃除機で週2でできるようになりました。
あとはシートや粘着テープを使っています。
お風呂や洗面所を使うたびにこまめに掃除したり、布団乾燥機を使っています。

冠婚葬祭で出かけたり、家事をやりすぎたりするとめまいがすることがあります。
外出した日は作り置きをして食べたり、弁当を買うなどして無理しない。
体調が悪い日は夫に手伝ってもらったり、翌日以降に用事をあとまわしする。
疲れる前に体を休めたり、仮眠をとるなどして気をつけています。

食事も1人前は完食できず体重も1キロしか戻っていませんが、そこそこ食べられるようになりました。
ノンカフェインコーヒーと、時々チョコレートはいただいています。ストレッチや体操は続けています。

減塩食については、市販のカップ麺は食べていないくらいでそれ以外は特に気をつけていません。
塩分が摂り過ぎでめまいが起こったということはないように思います。
私の場合はやはり、睡眠時間、体力的な疲れ、精神的なストレスから起こる場合が多いです。
少しめまいが起こっても薬は飲んでいませんが、ゆっくり過ごしていると軽快するので大丈夫です。

台風や激しい雨が降ると体が辛いですが、寝込むまではいきません。
めまいが起こりやすいことを考えると難しいかもしれませんが、今後子供が欲しいと考えています。



■同じ病気の方へ

病気になった当初、私は睡眠時間も少なく運動もしていませんでした。
寝る時間もまちまちで、朝食、昼食も忙しさを言い訳に食べなかったりしていました。
今思えばとても不健康な生活をしていたと思います。

そして、神経質で完璧主義な傾向がありました。
料理はレトルトやインスタントは一切使わない。出かけた日も手作りでなければいけない。
体調不良で洗濯物がたためないことに罪悪感を感じて、そんな自分が許せませんでした。
病気をしてできないことばかりになり、自分はダメだと責めて泣いてばかりいました。

嫌なことがあっても嫌と言い出せなかったり、断れないところがあって、
人間関係でもとても我慢が多かったです。多分そんな性格だから、ストレスが多かったのだと思います。
今はできないことがあってもいいし、嫌われたらその程度の関係だったんだと思えるようになってきました。

発症原因は人それぞれだと思いますが、メニエール病の方のブログを拝見していると忙しかったり、
なかなか休めないで自分を責めてしまいやすい感じの方が多いように思いました。
どうかご自身の心と体の声を聞いて、無理なさらないでください。

芸能人でもメニエールになり仕事復帰されている方がたくさんいて、
症状がひどいときも現在もその方々の姿がとても励みになりました。

初期段階で休まないと落ちた聴力が戻りにくくなることがあるそうなので、
もし違和感に気づいたらできるだけ早く医療機関を受診して欲しいと思います。
私もこれから長い付き合いになりますが、頑張っていきます。

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