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立ち上がり歩き出した瞬間に痛みと呼吸困難。知らずに放置してしまった自然気胸。

ピストン松本  (40歳代・男性) 2018年01月03日
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病気
自然気胸

5年前に自然気胸を発症しました。
自然気胸というのは、簡単に言うとある日突然肺に穴が空き、そこから空気が漏れて肺がどんどん圧迫されてつぶれていく病気です。主な症状は胸部や背中の強い痛みと呼吸困難です。直接的な原因は現在でもはっきり分かっていません。
当時は自然気胸などという病気は聞いたこともなく、当然知識もなかったので、地下鉄の階段で急に発症した時、左の肺だったこともあり、まず心臓に何かあったのかと疑いました。突如左胸を強烈な痛みが襲い、呼吸困難に陥った私は、とりあえず何とかホームまで降りて、椅子に座って一息つきました。症状がすぐに治まったので、一時的に具合が悪くなっただけだろう、と思いました。
しかしいざ電車がやってきて、椅子から立ち上がり乗り込もうとしたとき、また痛みと呼吸困難がやってきました。しかし大事な仕事の途中だったこともあり、その日は疼痛と息苦しさに耐えながら何とか一日乗り切りました。
一晩寝れば治るだろうと思っていましたが、次の日も状態は改善しません。椅子に座ってジッとしていれば痛みも息苦しさも嘘のようになくなるのですが、立ち上がって歩き出した瞬間に症状が復活します。そんな状態が何日も続き、さすがにおかしいと思った私が病院を訪れたのは最初の発症から一週間経った後でした。
病院で診察を受け、すぐに自然気胸と診断されました。レントゲンを撮りましたが、完全に潰れてしまっていた私の左肺はその写真に映っていませんでした。

そのまま車椅子に載せられ即日入院。
治療として、左胸の脇をメスで少し開いて穴を開け、そこからドレーンと呼ばれる管を通して、肺から漏れてしまっている空気を吸い出すという処置が取られたのですが、これがまた猛烈に痛い。メスでの切開は局所麻酔を使うので特に痛みを感じないのですが、そこから挿入された細い管が、麻酔が及ばない胸の奥でゴロゴロ動いて、それがあっちこっちに当たって猛烈に痛い。痛み止めの薬を処方してもらいましたがほぼ全く効かず、結局初日の夜は痛みで一睡もできませんでした。3日もするとその管が体に馴染んだのか痛みもなくなってきたのですが、それまではちょっと動く度に胸の中で管が動いて激痛が走り、寝返りを打つのもままならない状態でした。
5日間で退院。退院時にレントゲンを取ったら完全に潰れていた肺が復活していて、「肺って一回潰れても復活するんだ…」と、妙に感動したのを覚えています。穴も自然に塞がっていたようです(この穴が自然に塞がらないくらい大きいものだと手術をして塞ぐそうです)。

冒頭にも書きましたが、この病気にははっきりした原因はありません。ただし、なりやすい人には一定の傾向があるそうで、病院の先生いわく「背が高くて痩せ型の、20~30代の男性に多い」とのことでした。当時の私はすべての条件に見事に当てはまっていました。身長180cm近いのに体重は55kgくらいしかないガリガリ体型だったのです。
もう二度とあんな辛い目には遭いたくないと、退院直後からあの手この手で増量をはかり、何とか15kgほど増やして現在に至ります。この病気は何度も再発することが珍しくないそうですが、幸運なことに私はまだ再発はありません。
もしこのレポートを読んでいる方で、上記の条件に当てはまる方がいらっしゃるなら、予防として体重を少しでも増やしておくことをおすすめします。というかそれ以外に予防の方法はありません…

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