体の不調の原因が橋本病だということに、全然気付きませんでした...。

小さい頃から風邪をひいたり体調を崩しやすく、インフルエンザの予防注射をしてもほぼ毎年かかるので、残念な体質だなと思って過ごしていました。社会人になってからの健康診断では異常はなく、唯一LDL(悪玉)コレステロールが基準値以下。高い事は問題視されていますが、低い分には何も言われなかったのでそんなに気にしていませんでした。しかし長年の頭痛や目眩、脱力感に悩まされ、脚にやたらと痣が出来た年があり(24歳)、やっぱり何かの病気なのでは？と内科・脳外科など色々な病院で診てもらいましたが、結局どこへ行っても原因は分からず、食生活の乱れを指摘されました。

そんな体の不調を抱えたまま、結婚(29歳)し、子どもを作るも中々恵まれず、31歳の時に不妊治療の病院へ通い出しました。すると血液検査で異常値。バセドー病を疑われ、甲状腺の病院を紹介されました。診断は慢性甲状腺炎(いわゆる橋本病)。私はえ？何それ？という感じでしたが、先生の話を聞いて納得。自己免疫疾患(通常外敵から身を守る為働く免疫が、自分の細胞を敵とみなし攻撃する事で免疫力がなくなる)。今までの全ての謎が解き明かされた感じで、ショックというよりはスッキリしました。自己免疫疾患なので、薬を飲めば体調が良くなる事。疲れやすい体なので無理をしない事。原因が分かった事で、自分自身でも気を付ける事が出来、今では大分安定しています。

どうして今まで分からなかったのか？それは、この病気が甲状腺の検査をしない限り分からないからだそうです。私は不妊治療に病院に行った際、たまたま甲状腺が炎症しており(咳がひどかったが風邪かと思っていた)、炎症のおかげで血液検査に引っかかり、別の病気を疑われ、甲状腺の病院にたどり着きました。あの時甲状腺が炎症を起こしていなければ未だに原因不明の体調不良に悩まされていた事と思います。この病気は治る事はないけれど、ある程度は薬や生活習慣でコントロール出来ると思います。脱力感ややる気のなさが酷い時は、自分はダメな人間だと思っていましたが、病気が原因だったのかと分かった事で自分を許せるようにもなりました。

甲状腺の病気は圧倒的に女性が多く、気付いてない人も多いそうです。実は私の母もそうでした。母は出産を機に、私と同じように目眩吐き気脱力感があり、仕事中に何度か倒れ救急車で運ばれ脳の精密検査までしたが原因不明で更年期と片付けられ、しまいには体の不調はうつ病なのではと言われる始末。私の病気が分かった時に、母にも甲状腺の検査を勧めるとやはり慢性甲状腺でした。遺伝する確率が高いようで家系に甲状腺の病気の人がいる場合や、よく分からないけど体調不良が多い人など、ぜひ検査を受けてほしいと思います。