ヘルペス脳炎で脳浮腫を併発、グリセオールの点滴投与で完治

当時新人看護師として働いていた私は、年末でスタッフが少なくなっており、右脇腹にヘルペスが出来ていたものの、勤務交代出来ず、受診も出来ないまま夜勤などもこなしていました。

夜勤中、物を拾おうと頭を下げた時に尋常ではない頭痛を感じましたが、頭をあげると治るため、市販の鎮痛剤を飲んで勤務を続けていました。
二日程痛みで眠れない夜を過ごしながらも、出勤はしていました。

頭痛は日に日に悪化する状態でしたので、日勤後もやっている近所の個人病院を受診しましたが、よく眠るようにと睡眠薬と痛み止めの座薬を処方されただけでした。
その夜あまりの激痛の為、横になることも出来ず、椅子に座っていましたが、深夜、激しすぎる頭痛に嘔吐、後頚部の硬直、息苦しさ、四肢の脱力感に、大学病院の救急外来を受診しました。
すぐに造影CTの撮影で脳の浮腫、髄液検査をして髄液圧の上昇などを指摘されたようでしたが、その頃は意識が既に朦朧としていて記憶が曖昧です。
ずっと嘔吐を繰り返し、頭を抱えながら頭痛を訴えていたようです。

気付いたら両親が呼ばれたようで心配そうにベッドサイドで私を見ていました。
ヘルペス脳炎を発症してから抗ウイルス剤や脳浮腫へのグリセオールの点滴投与がされていたそうです。
医師からは何らかの後遺症が残るかもしれないと言われたようでしたが、的確な診断と治療のおかげで一切の後遺症もなく、現在に至ります。

ヘルペスが出来たらすぐに受診すること。
尋常じゃない痛みに襲われたら、CTやMRIの設備がある病院を受診すること。
新人看護師とはいえ、当たり前の事が出来ずに重症化してしまいました。