診療案内
治療対象疾患
カテーテルによる治療を肩や腰の痛みに応用することにより誕生した、血管内治療の専門医による、運動器EVTの専門クリニックです。
◆肩
五十肩(肩関節周囲炎、凍結肩)、肩こり(肩甲上角炎、肩甲骨周囲炎)、石灰沈着性腱板炎、上腕二頭筋長頭腱炎、インピンジメント症候群、肩鎖関節炎、変形性肩関節症
◆腕
上腕骨骨膜炎
◆肘
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、ゴルフ肘/野球肘(上腕骨内側上顆炎)、内側側副靭帯損傷、滑膜炎
◆手
腱鞘炎、ヘバーデン結節、CM関節症、ばね指
◆胸部
肋間神経痛
◆腰・骨盤
椎間関節炎、腸骨稜付着部炎、仙腸関節炎、梨状筋周囲炎、鼠径部痛・グロインペイン、股関節周囲炎、変形性股関節炎、ハムストリング付着部炎、大転子滑液包炎、坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア
◆膝
変形性膝関節症、鵞足炎、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)、膝蓋下脂肪体炎、腸脛靭帯炎(ランナー膝)、膝蓋大腿靭帯炎、滑膜炎・タナ障害
◆足
アキレス腱炎、足底筋膜炎、後脛骨筋膜炎、幻肢痛、モートン病、足関節周囲炎
◆手術後の痛み(内視鏡手術を含む)
人工関節置換術後、脊椎手術後(FBSS)、開胸術後、骨折手術後
◆その他
帯状疱疹後痛、CRPS(複合性局所疼痛症候群)、各種筋・筋膜性疼痛、筋・腱付着部炎、滑液包炎
モヤモヤ血管
痛みの原因部位にできてしまう異常な血管が、血管造影画像では、かすんでぼやけて見えるため、この新生血管をわかりやすいように“モヤモヤ血管”と呼んでいます。
モヤモヤ血管は通常、出来ては消え、出来ては消え、ということを繰り返していますが、何らかの原因で消えなくなった病的新生血管のそばには病的な神経も増殖していることが分かっています。これらが痛み信号を発するほか、病的血流が増えることで局所の組織圧が高まることなどにより、五十肩や腰痛、膝の痛みなどの長引く痛みが引き起こされると考えられています。一般に、40歳以上になるとモヤモヤ血管を自然に減らす力が衰えてくるため、長引く痛みが生じやすくなります。
3ヶ月以上経過したモヤモヤ血管はなかなか消えないため、当院では症状の程度により注射療法と運動器カテーテル療法を組み合わせて治療を行っております。特に、運動器カテーテルは非常に強力に、かつ広範に炎症を減らすことが期待できます。
<モヤモヤ血管を疑う症候>
・押すと痛い
・夜痛くなる
・お酒を飲むと痛くなる
・お風呂に入ると痛くなる/あるいは痛みが良くなる
・『ズキズキ、ジンジン、チクチク、ズーン』とする痛み
・古傷の痛み
・じっとしている時の痛み、気圧や気温の変化で痛くなる など
運動器カテーテル治療
手首や肘、足の付け根の血管から太さ0.6mmほどの細長いチューブ(これをカテーテルと言います)を動脈の中に進めていき、痛みのある場所に薬(塞栓物質)を投与します。一時的な塞栓効果であるため、正常な血管は一時的に流れが悪くなることがあっても自然と再開通しますが、病的な血管は正常な血管とは構造が異なり脆弱であるため、一時的塞栓物質であっても投与により退縮していきます。このように血管構造の違いを利用して痛みのある部位を治療していきます。
体表面から注射をするよりも、直接的にモヤモヤ血管に作用しますから非常に強力な治療効果が期待できます。また、注射が困難な部位においても、正確にカテーテルを導くことにより、安全かつ確実に薬を届けることができます。繰り返し注射を続けると、それだけ組織を傷つけることになりますが、カテーテル治療では皮膚や筋肉、腱などの損傷を避けることができます。
投与する薬は、イミペネム・シラスタチンという生体内の安全性が確立されている抗生物質です。
◆カテーテル治療のリスクについて
針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)
造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります
◆治療期間
30分~1時間程度。
術後1時間の安静の後、問題がないことを確認してご帰宅いただいております(日帰り治療)。
◆治療回数
1回の治療が標準です。
難しい痛みについては2-3回の治療をおすすめする場合も稀にございます。
注射治療
痛みに対する治療としては、麻酔鎮痛薬を用いる神経ブロック注射や、ヒアルロン酸やステロイドなどを用いる注射が広く行われていますが、当院における注射は薬液成分組成と、それらを投与する部位に工夫を凝らしております。
痛みの原因となる血管を把握している血管治療医ならではの視点が、モヤモヤ血管をより効果的に減らす注射治療を可能としました。
◆注射治療のリスクについて
極細の針を用いますので稀ですが、皮膚、筋肉、腱、血管、神経などの組織を損傷する可能性があります。
◆治療期間、治療回数
注射単独の場合:重症度により3~5回程度(1~2回/月)
運動器カテーテル治療後に注射を行う場合:1~3回程度(1~2回/月)
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