診療案内
発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD)

■発達障害
<このような症状はありませんか?>
・幼少期よりコミュニケーションが苦手で集団になじめない
・こだわりが強く臨機応変な対応ができない
・学校や職場で忘れ物やうっかりミスが多い
・スケジュール管理がうまくいかず課題の提出期限や仕事の納期が守れない
・整理整頓が苦手でいつも探しものをしている
発達障害は脳の発達に特有の偏りがあることで、定型発達とは異なる様々な認知や行動の特性が現れてきます。
そのため、日常生活や学校、仕事などで本人や周囲が困っており、何らかの援助が必要な場合に「発達障害」と診断されます。
【当院での診療について】
当院は「小児・児童」と「大人」の発達障害の専門医がそれぞれ在籍しておりますので、患者さんのライフステージに合わせたシームレスな診療をおこなうことが可能です。
また、心理士による個別のカウンセリング(具体的な生活指導、疾病教育、福祉サービスとの連携の支援、など)も行なっております。
さらに、院長が責任者として慶應義塾大学病院で実施している「発達障害のショートケアプログラム」への参加もご紹介しております。
ご興味のあるかたは遠慮なくお問い合わせください。
■自閉スペクトラム症(ASD)
これまでは別々に分類されていた広汎性発達障害、アスペルガー症候群、自閉症をひとつにまとめた名称になります。
【治療について】
ASDの特性そのものを完治させる治療法は確立していません。治療の目的はあくまでも今より生きやすい状況を作ることです。
○環境調整・生活指導
現在のストレス因になっている環境調整を行なったり、様々な社会的場面での適切な行動パターンを学ぶSST(ソーシャルスキルトレーニング)などを実施します。
○薬物療法
症状により、睡眠薬や抗不安薬、抗うつ薬、また抗精神病薬が使用されることがあります。環境調整や行動療法が基本であり、漫然と薬物療法が継続しないよう心がけております。
■注意欠如・多動性障害(ADHD)
注意欠如・多動性障害(ADHD)の中核症状は、不注意や多動・衝動性です。
【治療について】
○環境調整や生活指導
ADHDの症状への理解、キーパーソンへのADHD特性についてガイダンスが優先されます。過大な負荷は能率を下げるため、負荷を調整することも大事です。
○薬物療法
脳内の神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)を増やすための療法として、コンサータやビバンセの処方が可能です。
一般診療

■うつ病
「うつ病」はストレスなどの原因を取り除いても、脳の機能異常が起きているため、きちんと治療を受けないとすぐには回復しません。
治療としては、休養、環境調整、薬物療法、精神療法の4つがあります。
■不眠症
治療では、まずその要因を考えることから始まります。
何らかの身体的な病気が疑われた場合は、それぞれの専門医による診療が必要となります。
うつ病や不安障害など精神的な要因があれば、その治療を優先する必要があります。
■適応障害
適応障害はうつ病や不安障害と鑑別をしていく必要があります。通常、適応障害の場合は原因となるストレス因を特定することができます。
治療としては、環境調整、薬物療法・精神療法があります。
■パニック障害
"パニック発作""予期不安"などの心理状態や行動制限によって、日常生活に支障が起きている状態をパニック障害と言います。
治療は薬物療法と精神療法(認知行動療法)になります。
■社交不安障害
注目を浴びるような社会的場面において、あまりの緊張から、赤面、動悸、発汗、声の震え、吐き気などの症状が現れ、このような症状を人に見られたくない、絶対に失敗をしたくないという強い思いから、やがて恐怖感が強くなります。
ついにはこのような場面を避けるようになり、日常生活に支障をきたしてしまう状態を社交不安障害と言います。
治療として、薬物療法と精神療法があります。
■強迫性障害
強迫観念と強迫行為に特徴づけられる疾患で、有病率は1〜2%と報告されています。
治療は主に薬物療法と精神療法(曝露反応妨害法)の併用です。
■統合失調症・双極性障害
脳の機能障害のひとつで、自らの思考、行動、感情をまとめ統合する能力が、何らかの原因によって低下することで、幻覚・妄想の症状が現れている状態を統合失調症と言います。
治療は、抗精神病薬による薬物療法が必須となりますが、長期的な視点からは、薬物を使用しない精神療法も重要となってきます。
■もの忘れ(MCI・認知症)
脳の病気である認知症でも病気の初期からもの忘れが進行することが多いため、年齢相応のもの忘れなのか、認知症によるもの忘れなのか、きちんと見分けていく必要があります。
認知症の治療戦略として具体的には、抗認知症薬や向精神薬による"薬物療法"とケア、リハビリテーションを含めた"非薬物療法"になります。
カウンセリング

カウンセリングでは自分の言葉で悩んでいることを話し専門家に聞いてもらうなかで、問題点を整理したり、一緒に解決への糸口を考えたりしていきます。
また、必要に応じて具体的な対応策やアドバイスをお伝えすることもあります。
当院では主治医と患者さんが相談をしたうえで、カウンセラー(臨床心理士、公認心理師)によるカウンセリング治療を行っています。
【カウンセリングの流れ】
①主治医がカウンセリングによる治療が必要と判断します
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②カウンセラーとの初回面接のご予約
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③初回面接
問題となる症状が起こった流れやこれまでの家族関係や対人関係など、どのような人生を歩んできたかカウンセラーが聞き取りを行い、問題点を理解また整理していく時間になります。
患者さんにとっても、これまでの人生を振り返り、客観的に見つめる重要な時間になります。
↓
④カウンセリングを開始
今後のカウンセリングのテーマやカウンセリングの方法をお互いに共有し、合意したうえでカウンセリングを進めていきます。
【カウンセリングの方法】
基本的に患者さんとカウンセラーの1対1で患者さんのお困りごとについてお話をうかがっていきながら、一緒に解決方法を探していきます。
さらに、必要であると判断された場合には様々な心理療法も取り入れながら進めていきます。
心理検査

心理検査は、「患者さんを知る」ための重要な情報となり、診断や治療方針を決める大きな助けとなります。
当院では臨床心理士、公認心理師が、認知機能や記憶などの神経心理検査や発達に関する検査、パーソナリティに関する検査を行っています。
得られた所見は、主治医による診断や治療の際に一つの資料として用いられることになります。
またご希望のあった患者さんには、心理検査の結果を分かりやすく説明した報告書を作成し、心理士との面接で結果をフィードバックするサービスを行っております。(有料となりますので、詳細は受付にてお尋ねください)
当院では、主に以下のような心理検査を実施しております。
【認知機能の検査】
■WAIS-Ⅳ(ウェクスラー成人知能検査Ⅳ)
■WISC-Ⅳ(ウェクスラー児童知能検査Ⅳ)
■CAT(標準注意検査)
【精神発達検査】
■MSPA(発達障害用の要支援度評価スケール)
■AQ(自閉症スペクトラム指数)
■ASRS(成人期ADHD検査)
■CAARS(コナーズ成人ADHD評価スケール)
上記の心理検査以外にも、パーソナリティ検査(描画テスト、SCT(文章完成法テスト)、MMPI等)を医師が必要に応じてご提案をすることもあります。
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