診療案内
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアの原因が筋肉にあるため、薬による治療はできず、完治を目指すには、外科的に手術を行う以外に方法はありません。
◆鼠径ヘルニアの手術
内視鏡を使用した「腹腔鏡下手術」をメインに行います。
当院で行う手術は、手術時間が短いため、麻酔による身体への負担を軽度に抑えることができます。
■腹腔鏡手術
お臍と左右腹部に5mmの筒を刺し、お腹の中から手術を行います。
ヘルニアの原因になっている穴を直接確認し、お腹の腹膜を広く剥離してメッシュを展開し修復します。
手術の所要時間は、片側1時間前後です。左右の手術になると2時間前後になります。
【腹腔鏡手術の利点と欠点】
利点:確実にメッシュを展開できる。鼠径部切開法と比べて痛みが軽い。反対側の確認もできる。
欠点:全身麻酔が必要。手術時間がやや長い。
■鼠径部切開法
病変側の皮膚を5〜8cm切開し、筋肉をよけながらヘルニアの飛び出ている腹膜と穴を確認します。
この部分をメッシュで覆うか、メッシュを詰めることで修復します。
手術の所要時間は30分前後です。
【鼠径部切開法の利点と欠点】
利点:全身麻酔が必要なく局所麻酔で治療可能。
欠点:傷が大きくなるため、痛みが強く出やすい。
◆鼠径ヘルニアの治療の流れ
①外来1回目(初診)
事前に記入いただいた問診票をもとに診察を行います。
鼠径ヘルニアと診断された場合、手術時の全身麻酔に必要な検査を行います。
検査結果をみて、日帰り手術が可能であれば手術日の日程調整、手術の説明を行います。
追加で腹部CT検査や心臓の詳しい検査が必要と判断した場合は、提携先医療機関で検査を受けていただきます。
②手術
手術日当日の朝8時に来院いただきます。
手術に関する説明を行い、個室へ移動し病衣に着替え、入室時間まで待機いただきます。
その後、手術室で点滴を開始し、手術が始まります。
術後は個室でお休みいただき、約1時間でトイレまで歩行していただきます。
その後、痛みが落ち着けば帰宅、宿泊される場合はホテルへ移動となります
③外来2回目(術後外来)
術後1週間以内に受診いただき、傷の状態と鼠径部の評価を行います。
その後は1ヶ月後、3ヶ月後に受診いただきます。
術後の状態によって受診の頻度は増減しますので、診察の際に都度説明いたします。
手掌多汗症
手掌多汗症の治療は、内科的治療と外科的治療に大別されます。
①内科的治療
当院では、以下の薬剤を採用しています。
◎内服薬
プロバンサイン(空腹時に内服。全身の発汗、外分泌が抑制されるため、唾液や涙が減少することあり)
◎外用薬
アポハイドローション(眠前に両手のひらに塗布。効果発現まで1ヶ月程度有する)
②外科的治療
内科的治療に抵抗性の患者様や手術による胸部交感神経節切除を希望される患者様に対しては、「胸腔鏡を使用した手術(ETS)」を提示します。
◆手掌多汗症の日帰り手術
「手掌多汗症に対するETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)」では、胸腔鏡を使用し、手掌多汗症の原因となっている交感神経節を切断します。
当院で行うETSは、手汗を止めることにギリギリ効果を有する第4交感神経節切除を行います。
手掌多汗症の胸腔鏡手術では傷が3mmと小さく2箇所にとどまるため、術後約1時間で歩行が可能になり、術後2時間前後で帰宅できています。
◆日帰り手術のフォロー体制
手術当日の夜が患者様は一番心配だと思います。
手術日夜から内服いただく経口の痛み止めを処方しますが、傷の痛みが強い、もしくは呼吸が苦しいなど心配な場合は、些細なことでも構いませんので、クリニックに電話でご相談ください。
◆手掌多汗症の治療の流れ
手掌多汗症の手術を行う場合、当院にお越し頂く標準的な回数は4回です。
①外来(初診)
問診から病歴と手掌多汗症の程度を判断します。
手術の必要性、合併症などを説明し、内科的治療か外科的治療かを決めます。
外科的治療であれば手術日を決定し、全身麻酔に必要な各種検査を行います。
②手術
基本的には朝8時にお越しいただき、個室へ移動になります。
術後は、約1時間後にトイレ歩行を行います。
その後は、傷の痛みや呼吸に問題がなければ帰宅、宿泊される場合はホテルへ移動となります。
③外来(術後外来)
術後は、外来を最低2度受診していただきます。
1回目の受診は、術後1週間以内になります。手術側の手汗の状況、傷の状態と呼吸状態等を確認します。
2回目の受診は、術後1ヶ月頃になります。手汗の状況と代償性発汗の状態を確認します。
なお、遠方からお越しの患者様には術翌日に受診していただき、その次は約1ヶ月後に電話で手汗や代償性発汗についてお話を伺います。
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