診療案内
うつ病
健康な人でも強いストレスや不安を感じると気分が沈みます。
しかし、その憂うつな気分や無気力な状態が2週間以上続き、日常生活に支障を来してしまう場合は、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・気分が落ち込み、何もやる気が起きない
・夜中に何度も目覚め、目覚ましよりも早く目が覚める
・集中力が続かず、人の言うことがすぐに理解できない
・今まで好きだったことや趣味に対して興味がなくなってしまった
・食べてもおいしくないし、食べるのも億劫
・休日は外出するなど活動するよりも、寝ていたい
・身だしなみやおしゃれに関心がなくなってきた
◆治療について
当院では、「十分な休養」を重視し、「最小限の量で、最大限の効果を狙った薬物療法」を目指しております。
特に“十分な休息”というのは、身体面および心理面といった体調回復を促すためには最も欠かせない存在となります。
ですが、十分な休息といっても、心理面が不安定であったり、体力面が著しく低下している状況下では、時として十分な休息であったとしても体調回復効果が不十分となり、普段通りの体力面、及び心理面での回復効果を発揮するまでに相当の時間がかかると思われます。その結果として、“十分な休養”だけではお悩みの症状が必要以上に長引いてしまう可能性も十分に出てくるのです。
そのため当院では、患者様の症状の程度に応じて判断し、うつ病治療の第一選択とされる、“適切な薬物による治療”を“十分な休息”と共に併用して治療することが望ましいと判断した場合にのみ、お薬治療を提案させていただいております。
適切な薬物による治療は心理面の不安定さのバランスの回復を促し、十分な休息と併用することで、うつ病の回復のスピードが上がり、日常生活や社会生活の改善が早いとされております。当院では、十分な休息を重視した上で、患者様の症状によって必要な場合にのみ薬物治療を提案させていただいております。
認知症
「認知症」とは老いにともない、脳の働きが衰えて記憶・判断力の障害などが起こり、意識障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出ている状態をいいます。
認知症は原因により、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などに分類され、それぞれに治療法や対処法が異なります。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・同じことを何度も言う、問う、するなど、もの忘れがひどい
・新しいことが以前よりも覚えられなくなった
・慣れた道でも迷ってしまうことがある
・些細なことで怒りっぽくなった
・外出する際の持ち物などを何度も確かめる
・財布、通帳、衣類などを盗まれたと人を疑うようになった
・今まで好きだったこと(趣味や好きなテレビ番組)に興味を示さなくなった
◆検査・治療について
当院では、長谷川式簡易知能評価スケールやMMSEといった認知症の簡易検査を併用し、早期診断に努めてまいります。
また、地域連携病院をもとに頭部MRIやSPECTなどの検査も併用して診断を行っておりますのでご安心ください。
“認知症の進行を遅らせる“という治療薬の特性上、早期診断と早期治療が重要とされますので、ご自身をはじめ、家族や友人など周りの方たちからも「認知症では」と思われる症状に気づいたら、ぜひ当院へご相談ください。
不眠症・睡眠障害
睡眠障害は、「眠れない」という苦痛だけではありません。
日中に襲われる眠気や、だるさ、集中力が続かないなど、心と体にさまざまな影響を及ぼします。
専門医の指導のもと適切な治療を行えば、毎晩ぐっすり眠れるようになります。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・布団に入ってから眠るまでにいつも時間がかかる
・寝付いたと思ったら、夜中に何度も目が覚めてしまう
・目覚ましよりも早く目が覚め、それ以上眠れなくなることが多い
・熟睡感がない、寝た気がしない
・いびきが気になる
・日中に眠くなる事が多々ある
◆治療について
睡眠障害・不眠症は単純な病気ではなく、症状によりそれぞれ原因があり対処法も異なります。当クリニックでは、ストレスが原因のもの、身体的な原因、心の問題、薬や刺激物、生活リズムの乱れ、環境が原因のものなど、睡眠障害・不眠の原因を明確にして、その対処法と治療法をご提案いたします。
“少量のお薬の量”で“最大の効果を引き出せる治療”を目指しておりますので、内科で治療がうまくいかない、薬が心配な方など、専門医療である当院へ是非お気軽にご相談いただけましたら幸いです。
不安神経症・強迫性障害
不安障害というのは、不安や恐怖の感情が、普段の状態とは異なって過剰に付きまとってしまい、日常生活に支障をきたしてしまうことです。過度のストレスや疲れなどをきっかけとして、感情のバランスが崩れてしまい、理由に不釣り合いな不安と恐怖が出つづけてきてしまうのです。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・毎日のように心配や緊張、不安を感じて悩んでいる
・怖くて電話に出ることができない
・恥ずかしい思いをするかもしれないという状況に強い不安や恐怖を感じる
・人前に出たり、人と話をしたり、人と食事をしたりすると不安や緊張が出現する
・人前で字を書こうとすると手が震える
・電車に乗ることができない
・人に注目を浴びないようにこそこそしてしまう
・不安や恐怖を感じる場所や状況を避けようとしてしまう
・不安な気持ちが強くなり、仕事や学校生活や家庭生活が思うように過ごせない
◆治療について
不安障害の原因となっている“過剰なストレス”や“心のバランスの乱れ”を整えながら、日常生活を送るための不安症状や強迫行為のコントロールを図ってゆくのです。「適切なお薬治療」をモットーに、最低限の量で治療をすることを目指して日常生活のリズムを整えるおります。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、自律神経がバランスを崩してしまったことです。
「自律神経」というのは、脳・胸・腹、筋肉・皮膚を含む、ほとんどすべての全身に分布している神経であり、多くは心臓の循環や呼吸・排泄などをつかさどり、その役割も昼と夜で少しづつ異なっており、私たちの生活のリズムには欠かせない存在が「自律神経」といわれております。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・朝起きると体がだるく、重たい感じがする
・耳鳴りやめまいが出るようになった
・頭痛や肩、筋肉の痛み、凝りで悩むようになった
・睡眠が以前よりぐっすり眠りづらくなり、不定期になった
・手の震えやしびれなどを感じることが多くなった
・便秘や下痢、吐き気などの胃の調子が良くない状態が続いている
・手に汗が出たり、動悸が出たりする
・憂鬱な気持ちが続いたり、突然イライラしやすくなったりする
・不安な気持ちが大きくなったり継続したりしやすい
◆治療について
「十分な休息や、生活リズムの安定」と「適切な量の薬物治療」などがあります。患者様と相談させて頂き、必要と判断される場合にのみ、“適切な量のお薬“を提案させていただいております。日常の生活のリズムの整え方や、生活指導だけではなく、ストレスをため込みやすい癖や考え方などの対症の仕方や見直し方などの指導も行っております。お気軽にご相談ください。
統合失調症
統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。
「コミュニケーションが取れなくなる」「治りにくい」と誤ったイメージがありますが、心の働きの多くは保たれ、日常生活に復帰するまで回復可能です。
考えや行動・感情を1つの目的に沿ってまとめていく能力(統合能力)が長期間にわたって低下し、その経過中に幻覚や妄想、まとまりのない行動がみられる病気です。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・どこからともなく聞こえてくる正体不明の声が、自分を責めたり命令してくる
・みんなが自分の悪口を言ったり、嫌がらせをすると感じる
・ささいなことに過敏になり、すぐ興奮するようになった
・独り笑いや独り言を言うようになった
・部屋に引きこもり、1日中ぼんやり過ごすようになった
・人と話すのが苦痛になり、会話するのが億劫になった
・1つのことに集中したり、とっさの判断ができなくなった
◆治療について
薬物療法と心理社会的な治療(リハビリテーションや精神療法)を組み合わせて行っていきます。 統合失調症に用いられる薬剤は「抗精神病薬」と呼ばれます。抗精神病薬の作用は大きく分けて、幻覚や妄想などの陽性症状を改善する抗精神病作用、不安感や不眠などの症状を改善する鎮静催眠作用、感情鈍麻や意欲の低下などの陰性症状を改善する精神賦活作用の3種類です。
抗精神病薬には様々な種類があり、薬剤によって上記の3種類の作用のいずれかが強い、という特徴があります。そのため、患者さんそれぞれの症状に合う薬を適切に処方するにはある程度の試行錯誤が必要となり、治療は長期間におよびます。
また、抗精神病薬には再発予防効果があります。統合失調症は再発しやすい特徴があり、薬物治療で一旦症状が改善しても、その後も服薬を継続しないと数年で多くの患者さんが再発してしまいます。しかし、統合失調症の症状が改善した後も薬物治療を継続することによってその再発率が減少することがわかっています。
そのため、服薬は長期間にわたることを理解し、自己判断で服薬を中止せずに主治医と相談することが大切です。
ADHD・大人の発達障害
コミュニケーションの不得手や、不注意、多動性、衝動性など様々な症状にずっと悩まされており、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、なかなか状況が改善しないために、大人になっても症状で悩んでいる方が多いというのが特徴です。
症状はすべての症状が揃うのではなく、コミュニケーションの不得手のみであったり、多動性の目立つ症状であったりなど様々ですので、まずはお気軽にご相談ください。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・つい他の事を考えて、気が散ってしまう
・片づけられない
・段取りが組めない
・優先順位がつけられない
・思った事をすぐに発言してしまう
・カチンとくると、怒りがうまく抑えられない
・重要な用事でも期限を守れない
・ケアレスミスを何度も繰り返してしまう
・持ち物を忘れる、よくなくす
◆治療について
ADHDの傾向として多い、不注意やミスの多さ、衝動性など、不得意としている箇所については、日常生活での苦手を減らしていくスキルを身につけたりするだけではなく、薬物治療も併用することにより症状を目立ちにくくさせることができます。
パニック障害
パニック障害は「パニック発作」と「予期不安」という症状があり、100人に2〜3人が発作すると言われています。
突然起こる激しい動悸発作、頻脈やこのままでは死んでしまうというような強い不安に襲われる病気です。また、この発作が度々起きることで、発作がまた出るのではないかという予期不安を体験することがあります。日常生活や社会生活が必要以上に制限されないように早期治療が肝要です。
<日常生活の中で現れやすいサイン>
・心臓がドキドキして、脈拍が早くなる
・手の平や、全身に汗をかく
・息苦しさ、のどに何かつまったような窒息感がある
・めまい、ふらつき、または気が遠くなるような感じがする
・現実感が失われ、自分が自分ではない感覚が起こる(離人症状)
・自分をコントロールできなくなる恐怖や、気が狂う恐怖に襲われる
・このまま死んでしまうのではないかという恐れがある
◆治療について
パニック発作というのは、「心のストレス・不安や感情の不安定さから、体の症状・発作の出現につながっている」という考えに基づいて治療を考慮していきます。
パニック障害の治療には2つの考え方があります。
「体の症状や発作そのものが少なくなるようにコントロールをする治療」
「発作出現の原因となる心のバランスを整えて、体の発作が起きにくいように取り組む治療」
この2つの治療法を組み合わせて、患者様の症状に応じて治療を行うのです。
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