病院口コミ検索カルー - ただの口内炎・結膜炎のはずが、スティーブンス・ジョンソン症候群だと判明 : 病気体験レポート
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ただの口内炎・結膜炎のはずが、スティーブンス・ジョンソン症候群だと判明

ちよ  (40歳代・女性)

オススメ: 1,927views 2015年09月20日投稿 7votes 0comments

 このスティーブンス・ジョンソン症候群という病気の主な症状ですが、高熱と共に皮膚や粘膜がひどくただれるというもので、それだけ書けば大したことないようではありますが、治療が遅れれば多臓器不全や敗血症といった合併症を引き起こしたり失明に至ることもあり、死亡率も3%ほどある難病の一種です。ただ、罹患する人の数がそう多くないことを考えれば、3%という死亡率も決して低いとは思えません。
 また、年齢や性別などに全く関係なく発症します。

 ほとんどの人にとって耳慣れない病名だとは思いますが、とても恐ろしい病気であることと、家族が患った際に診断がとてもつきにくかったこと、また進行がとても速いのでかかってからゆっくりと調べることはまずできないと思い、こちらに書かせていただきました。我が家では妹が罹患しましたが、それまでは全く聞いたことのない病名でした。

 ただ、もし聞き覚えがある人がいるとすれば、風邪薬など市販薬の薬害の一種としてだと思います。

 事実、この病気は薬害としての面が大きくて、ネットなどで調べた際にも出てくるのはほとんど薬害絡みの情報ですが、妹の場合はそうではなく別の原因だったこともあり、そういった意味でもこの体験談が誰かの助けになれば、と思っております。


 妹の場合ですが、まず最初に出た症状は口内炎でした。ただ、その時点では風邪気味だったことと、仕事が忙しかったこともあって疲れもあるのだろうと考えただけでした。
 その翌朝、目が覚めると口内炎の数がいきなり数個増えていましたが、微熱があり目も充血して涙目になっているという状態は風邪の症状に非常によく似ていて、この口内炎も風邪のせいだろうと判断してしまいました。
 ですが、風邪だと思って市販の風邪薬を飲んで一日過ごしている間にもどんどん口の中の状態は悪化していき、夜には食事も食べられなくなってしまって、さすがにこれは何かがおかしいと思い、翌朝一番に内科と迷いつつも取りあえずかかりつけの歯医者に向かいました。
 口の中のことは歯医者さんだろう、という単純な思いつきからでしたが、そもそも口内炎で病院に行く、ということを考えてみたことがなかったので、どこに行くべきなのかなんて当時は全く分かりませんでした。


 迷いつつも朝一で行った歯医者ですが、そこでは診断はできないものの口の中の状態は明らかに酷いということで、歯科口腔外科のある市民病院に紹介状を書いてもらい、次にそちらに向かいました。ただそこでも判断がつかなかった上、口の中の状態よりも目の方に注目されてしまい、別の市民病院の眼科に紹介状を書かれ、そちらに回されました。 
 
 この間ずっと付き添っていましたが、確かに目も潤んでいて決して状態がいいとは思えませんでしたが、それはあくまでも熱があるせいで、素人目には口内炎の方がひどい状態にしか見えませんでした。
 朝には話せていたものが、昼を回って三軒目の病院に行く前には、口の中が痛すぎて話すことも辛い状態で、しゃべったとしてもはっきりとは発音できず、刻一刻と悪化しているのは明らかでした。
 ですが、三軒目の市民病院での診断は「結膜炎でしょう」というあっさりとしたもので、目薬は出されたものの口の中に関しては一切触れず、家族とフェイスタオルなどを共有しないよう気を付けてくださいと言われたのみでした。
 この段階ですでに夜になってしまっており、この日はこれ以上どうすることもできませんでした。
 

 最初に口内炎に気が付いてから四日目となる翌朝、口の中の状態は更に悪化しており、すでにしゃべることもできなくなっていました。
 口内の至る所に口内炎ができ、ただれて腫れあがっていて、唇もたらこのように倍近く腫れあがっていました。話も当然できず筆談ですし、痛すぎて食事どころか水も口の中には入れられない状態でした。
 そこで、昨日行った病院ではどうにもならないと考え、改めて自宅近くの内科に行ったところ、ここで初めて先生の口から「スティーブンス・ジョンソン症候群の可能性があります」という言葉が出て、すぐに向かってくださいと紹介状を書いてくれたのが、加古川医療センターの皮膚科でした。
 この時点まで皮膚科を受診することなど全く考えてもみませんでしたが、後で分かったことですが、この病気では入院設備のある皮膚科に行くことがとても重要だということだということです。

 病院ではすぐに入院が決まって治療が開始され、結局十日間入院することになりました。
 治療内容はステロイドパルス療法という、短期間に大量の副腎皮質ステロイド薬を点滴で投与する治療で、ほぼ一日中点滴をすることになりました。この病気ではとにかく早く発見し、この点滴治療を始められるかどうかが鍵になるそうです。発症から七日以内に治療を開始するという目安もあるようです。
 実際、妹はかなり早く診断がついた方だったようで、症状は口と目で留まりましたが、ひどくなると全身にただれが広がるだけではなく、透析が必要となったり、命を落とすこともある病気です。


 そして、この病院でやっと原因が分かりました。
 妹は口内炎発症後ではありますが風邪薬を服用していたため、念のためその薬も調べましたが、その結果風邪薬が原因ではありませんでした。
 では何かというと、この病気の一部はウイルスや肺炎マイコプラズマ感染に伴って発症することがあるそうで、妹の場合はマイコプラズマ肺炎が原因でした。
 マイコプラズマ肺炎は風邪とよく似た症状が出ますが、結果的に口内炎ができた時点で風邪を引いていると思ってたのは、マイコプラズマ肺炎だった訳です。

 先生のお話では、このスティーブンス・ジョンソン症候群はここ最近増えてきている病気だとのことでした。ただ、とにかく診断が難しく、また医者の方にも知識がない場合もあり、結果として重篤化してしまうことも少なくないとのことです。
 
 口内炎をはじめとする口のただれや結膜炎のような目の充血や潤みなど、少しでも自分のこれまでの経験と照らし合わせておかしい、ひどすぎると思ったら、入院設備のある皮膚科に向かうか、またはそういった病院を紹介してもらえる病院にかかってください。
 症状は恐ろしいほどのスピードで悪化しますし、後遺症がない状態で回復するためには、とにかく少しでも早く治療を開始する必要があります。幸いにも妹は現状、問題なく日常生活が送れています。   
 私も、ちょっとくらいの口内炎ならば我慢することを選びますし、口内炎で病院にかかるなんてこと考えたこともありませんでしたが、今回のことで認識を改めました。

 それと、この病気は決して薬の副作用だけでは起こらないということを知ってほしくてこの体験談を書きましたが、ほとんどの場合は市販薬の副作用で発症するものです。ですので、その場合は飲んでいた薬そのものを病院に持参してください。残っている薬そのものを調べることが薬害かどうかを確定するためには必要ですし、この病気は一度なれば二度とならないというものではないですので、今後再び発症しないためにも必要なことだと思います。


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