Caloo(カルー) - [特集記事] 便秘の苦痛を取り除けるような生活を送るヒント
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慢性便秘特集

便秘の苦痛を取り除けるような生活を送るヒント 井上胃腸内科クリニック 院長 井上冬彦先生に聞く

最終更新日: 2015年10月21日

記者: 具志林太郎

便秘は症状が軽い方から重症の方まで様々です。軽視している方も少なくないでしょう。そこでどんなタイプの症状があるのか、どんな点に気をつけていけば体の負担が減り楽しい生活が送れるのか、便秘でお悩みの方へ「便秘の苦痛を取り除けるような生活を送るヒント」について、消化器の専門である井上胃腸内科クリニック院長 井上冬彦先生にお話しを伺いました。`

記者:便秘の種類について教えて下さい。

井上先生:大きく2つに分けられます。「器質性便秘」と「機能性便秘」があります。

「器質性便秘」とは、大腸がんなどの病気が原因で起こる便秘です。一方、「機能性便秘」とは、器質的疾患のない便秘、すなわち普段の生活や食生活によって引き起こされる便秘のことを言います。

記者:便秘の時に注意したい病気とはなんですか?

井上先生:器質性便秘を見逃さないこと。症状が改善しない場合は、大腸癌を否定するために調べる必要があります。ほかにも便秘を引き起こす病気があるので原因を探すことは重要です。

記者:便秘について先生が注目していることは?

井上先生:働き盛り世代の機能性の便秘はとても気になります。ここには、子育てするお母さんたちも含まれます。このような方々の中には「早食い」「よく噛まない」「偏った食事内容をとっている」方が多いと感じます。

また、ストレスや疲れを感じていることや運動不足の方も多いようです。中には平日の緊張状態で便秘になり、週末に排便が見られる方もいます。

これらが便秘の原因になっているため、単に薬を飲むのではなく、食事の内容や食べ方を変えること、疲れやストレスに対するアドバイスをとても大切にしています。

また、若い人の機能性便秘の多くが痙攣性便秘です。このタイプでは通常の下剤(腸を刺激して出すタイプ)は好ましくありません。腹痛・下痢の原因になったり、慣れが生じて薬が増えてしまう可能性があったりするからです。

記者:先生ご自身でも体に気を付けていらっしゃることはどんなことですか?

井上先生

・よく噛んで、早食いをしない
・和食中心 野菜をしっかり摂取 できれば玄米や雑穀米を食べる
・運動 ウォーキング(散歩ではなく、30分以上の速歩が良い)とヨガ系の運動
・半身浴で体を温める
・早寝、早起き
これらの「体のメンテナンス」をとても大切にしています。

先生のお話の中でもありましたように、現代社会が引き起こしているストレスや環境など私たちの日常は便秘を引き起こしやすい環境かもしれません。 いつもと違う「体の違和感」や「体の変調」の際には、ただの便秘と考えずに、専門のお医者様にご相談することをお勧めいたします。

井上冬彦先生

井上 冬彦 略歴

  • 昭和54年 東京慈恵会医科大学卒業
  • 昭和59年 同大学内科助手
  • 平成3年 同医局長
  • 平成4年 同 講師
  • 平成11年 大腸内視鏡検査では日本一の症例数をほこる 大腸肛門病センター・松島クリニックに勤務(診療部長)
  • 平成17年 井上胃腸科・内科クリニックを開業(綱島西2丁目)
  • 平成26年 井上胃腸内科クリニックと名称変更し、綱島西3丁目に移転
  • 大腸内視鏡検査数約3万例、上部内視鏡検査数約3万例以上
  • 内視鏡的ポリープ切除 6千例以上

認定医・専門医

  • 日本内科学会・認定医
  • 日本消化器内視鏡学会・専門医、指導医
  • 日本消化器病学会・認定専門医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 大腸肛門病学会

井上冬彦先生のライフワーク

医師と自然写真家2つの視点で“いのち”をみつめる表現活動を行う。
先生の作品はこちらのホームページでみられます。
Breeze in Savanna

写真展の紹介『サバンナ いのちの物語』
*詳しくはBreeze in Savannaホームページ内をご覧ください。
日時:平成28年1月29日(金)~2月4日(木)
六本木・東京ミッドタウン 入館無料

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