Caloo(カルー) - [特集記事] 帯状疱疹後神経痛の治療法
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帯状疱疹特集

帯状疱疹後神経痛の治療法 横浜馬車道皮膚科・ペインクリニック院長 林理華先生に聞く

最終更新日: 2015年09月03日

記者: 具志林太郎

帯状疱疹による皮膚症状が治ったにも関わらず痛みが長引く病気、帯状疱疹後神経痛について、皮膚科・ペインクリニックの側面から横浜馬車道皮膚科・ペインクリニック 院長 林理華先生にお話しを伺いました。

記者:帯状疱疹の皮膚症状がよくなったにも関わらず、神経痛が残ることがあるのは何故ですか?

林先生:帯状疱疹は、身体の中に潜んでいた水ぼうそうのウィルスによって起こります。ストレスや過労など身体の免疫力が低下すると、神経節に潜んでいた水ぼうそうのウィルスが再活性化(再び活動をすること)し、ウィルスが神経を伝わって皮膚に到達すると、赤い斑点や小さな水ぶくれが皮膚表面に現れます。帯状疱疹は皮膚に症状が現れるので、皮膚だけの病気と考えられがちですが、実は神経の病気でもあるのです。

皮膚の症状はだいたい1~2週間で落ち着く事が多いのですが、神経に強いダメージを受けている場合は、その後も痛みが続くことがあります。それが3ヵ月以上続くと、帯状疱疹後神経痛と診断されます。

記者:帯状疱疹後神経痛の症状について教えてください。

林先生:帯状疱疹の皮膚症状が出た部位の周辺に、ピリピリ、ムズムズとした痛みとして残ることが多いです。その痛みはお風呂に入ったり軽い運動をしたり、血流がよくなる行動によって症状が和らぐことが多いですが、症状が強いと日常生活も困難になってしまうこともあります。

また、皮膚症状が出た部位を触れただけで痛みが走ること(アロディニア)や、逆に触っても感覚が鈍くなること(知覚鈍麻)もあります。

記者:帯状疱疹後神経痛になる人とならない人がいますが、なりやすい人はいるのでしょうか?

林先生:比較的高齢者(60歳以上)で、帯状疱疹時の皮膚症状が重症な方に多い傾向があります。また、夜も眠れないような強い痛みがあった方や、皮膚症状が出る前から痛みが出た方、免疫力が落ちる病気にかかっている方や、抗がん剤などで治療中の方もなりやすいです。

しかし、以上の点に当てはまらないのに帯状疱疹後神経痛が残ることもあるため、帯状疱疹になったら誰もが帯状疱疹後神経痛になる可能性があると考えて、注意が必要です。

記者:個人でできる予防・改善策があれば教えてください。

林先生:まずは身体の左右どちらかに、痛みを伴う赤い斑点や小さい水疱を認めたら、帯状疱疹を疑って早めの受診をおすすめします。帯状疱疹と診断されたら、ウィルスによる炎症の勢いを止める抗ウィルス薬、痛みに対して消炎鎮痛剤が処方されます。発症から早期に抗ウィルス薬や鎮痛剤を使用して、積極的に皮膚や神経の炎症や痛みをコントロールしていくことが重要です。

患者さんの中には、帯状疱疹は痛い病気であり多少の痛みがあるのは当然として、痛みを我慢してしまう方もおられます。しかし、急性期の痛みを少なくすることが帯状疱疹後神経痛へ移行しないために重要なので、痛みを長引かせないように医師へ痛みの相談をしていき、薬の調整をしていただいたり、場合によっては神経ブロックなどの治療が可能な痛み治療を専門とするペインクリニックへの受診も検討したりするといいでしょう。

また当たり前ですが、帯状疱疹にならなければ帯状疱疹後神経痛にはならないので、近年では高齢者(帯状疱疹後神経痛の危険因子のひとつ)を対象に、帯状疱疹にかからないように水痘ワクチン接種も有効とされています。

記者:帯状疱疹後神経痛の治療について教えてください。

林先生:基本は薬物治療になります。抗うつ薬や抗痙攣薬が主体ですが、もともとの持病やお薬に対する副作用等があり、その方にあった薬剤とその投与量を患者さんごとに調整する必要があります。痛みが強い場合には麻薬(医療用)を用いることもあります。そういった薬剤を使い慣れた医師に相談することが望ましいです。

その他神経ブロック治療、理学療法(リハビリテーション)が挙げられます。

記者:今後期待できる治療法はありますか?

林先生:私が医師になってからも、帯状疱疹後神経痛に使える薬剤が増えてきています。そして現在も、様々な薬剤が帯状疱疹後神経痛に効果があるのか検証をおこなっています。

薬物療法の選択肢が増えていくことを期待しています。

林理華先生

林 理華 略歴

  • 北里大学医学部卒
  • 北里大学医学部皮膚科入局
  • 北里大学病院・(旧)国立横浜病院・鹿島労災病院・昭和大学藤が丘病院形成外科・聖路加国際病院皮膚科に勤務
  • 横浜馬車道 皮膚科・ペインクリニック 院長(皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科担当)

資格等

  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 国際親善病院非常勤勤務

所属学会

  • 日本皮膚科学会 正会員
  • 日本臨床皮膚科医会 会員
  • 日本小児皮膚科学会 正会員
  • 日本美容皮膚科学会 正会員
  • 日本レーザー医学会 正会員
  • 神奈川県皮膚科医会会員
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