Caloo(カルー) - [特集記事] 小児の統合失調症は早期発見、早期治療が大切。
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小児の統合失調症特集

小児の統合失調症は早期発見、早期治療が大切。 高橋心療クリニック院長 高橋道宏先生に聞く

最終更新日: 2014年08月15日

記者: 具志林太郎

小児の統合失調症の判断基準や治療法、最新情報について、高橋心療クリニック院長の高橋道宏先生にお話を伺った。
高橋道宏先生 高橋心療クリニック院長 高橋道宏先生

記者:小児の統合失調症とはどのような病気でしょうか?

高橋先生:統合失調症は、10歳代から20歳代で発病することが多い心の病です。このうち18歳までに発病する場合を「小児の統合失調症」と言っています。

記者:小児の統合失調症で受診するかどうかの判断基準はありますか?

高橋先生:統合失調症で特徴的な症状は、幻覚、妄想です。幻覚には、幻聴(実際に存在しない声が聞こえてくる。)幻視(実際に存在しないものが見える)などがありますが、多くは幻聴です。代表的なものは、たとえば「誰かが自分の悪口を言う。」というものです。また妄想の多くは被害妄想です。たとえば、「誰かが私に危害を加えようとしている。」「誰かが私を陥れようとしている」という被害妄想がしばしばみられます。このような現実離れした体験が続く場合は、医療機関を受診する必要があります。このような症状が認められるようになると、言動、行動もまとまりがなくなり、学校生活が困難になります。また、小児の場合は、自閉的になり、自宅に引きこもり、学校に行くことができなくなることが多い特徴があります。

記者:現在の小児の統合失調症の治療法や最新情報について教えてください。

高橋先生:日本国内では、小児の統合失調症に適応を持つ治療薬が正式に認可されていません。海外では、正式に認可された治療薬がすでにあります。成人と比べて小児では、心も体も発達途上にありますから。成人と治療薬の使い方が異なります。小児には小児に合った治療薬を小児に合った方法で使用することが必要です。特に小児では、薬の副作用が出ないように、細心の注意が必要です。実際には、成人で使用するよりも少ない用量で使用することが多いです。

記者:小児の統合失調症と成人の統合失調症につきまして違いを教えて頂けますでしょうか。

高橋先生:小児の場合は、成人と異なり、幻覚、妄想などの異常体験をはっきり言葉で表現することが難しく、不安症状を強く訴えることが少なくありません。そのため成人に比べてその異常に気付きにくい傾向があります。また、自閉的になり、自宅に引きこもるケースが少なくありません。

記者:小児の統合失調症の患者さんやその家族の方々へメッセージをお願いします。

高橋先生:小児期に統合失調症になると、多くの場合学校に行くことが困難になり、そのマイナスの影響は生涯に及びます。早く治療を受けて、学校生活を普通に送ることができるようにしましょう。一般に、統合失調症は発病から時間が経てば経つほど治りにくくなります。早期発見、早期治療が大切です。早期に適切な治療を受けることで、ほとんど症状がなくなり、普通の学校生活を送るようになる場合も少なくありません。最近では、小児の統合失調症に対する治療薬が日本でも開発されつつあります。今後、日本でも小児の統合失調症の治療が進展していくものと思われます。

高橋道宏 略歴

山形大学医学部卒業(1989年)、同大学院医学研究科を終了し、医学博士の学位を取得(1993年)。

山形大学医学部精神科神経科で講師、病棟医長として勤務。大学病院を訪れる患者さんの治療、医学生の教育、大学院生の研究指導などに従事した。

同大学関連病院の上山病院では、日本で生まれた代表的な心理療法として知られる森田療法を習得した。また、米沢女子短期大学では非常勤講師を務め精神保健の講義を担当した。

1996-1998に米国イェール大学 精神科(Department of Psychiatry, Yale University School of Medicine) に留学し、うつ病の治療薬について研究した。

2001年から外資系製薬企業の研究開発部門でうつ病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などこころの病気のための薬の開発にたずさわり、数々の治療薬を患者さんにお届けすることに成功した。

資格・所属学会

  • 精神保健指定医(厚生労働省)
  • 精神科専門医(日本精神神経学会)
  • 臨床精神神経薬理学専門医(日本臨床精神神経薬理学会)
  • 日本児童青年精神医学会会員
  • 日本心身医学会会員
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