Caloo(カルー) - [特集記事] ADHD(注意欠陥・多動性障害)は治療効果の高い病気。気になったら恐がらずにぜひ受診を。
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ADHD特集

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は治療効果の高い病気。気になったら恐がらずにぜひ受診を。 高橋心療クリニック院長 高橋道宏先生に聞く

最終更新日: 2013年11月12日

記者: 河原知子

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の判断基準や治療法、最新情報について、高橋心療クリニック院長の高橋道宏先生にお話を伺った。
高橋道宏氏 高橋心療クリニック院長 高橋道宏先生

記者:小児のADHDとはどのような病気でしょうか?

高橋先生:不注意、多動性・衝動性が認められ、日常生活が困難となる病気です。学童期では、不注意症状のため、学校で授業に集中できない、人の話を聞いてもうわの空でいることが多い、毎日のように忘れ物をするなどの状況が認められます。多動性の症状としては、授業中にじっと席に座っていることができない、食事の際に体をもじもじと動かすなどがあげられます。衝動性の症状としては、自己を抑制できず、すぐにかっとしてしまうことがあげられます。

このような症状は、 ADHDでなくても学童期にはある程度認められるものですが、ADHDでは同世代の子供と比べて、そのような傾向が特に目立ち、学業成績が低下したり、友達ができにくくなったりしています。

記者:小児のADHDで受診するかどうかの判断基準はありますか?

高橋先生: 不注意、多動性・衝動性の症状が認められ、その症状が同世代の子供たちと比べて顕著であり、学業成績が低下、友人ができにくいなど日常生活が困難となっている場合は受診を検討すべきです。同世代の子供と比べてどうかは、学校の先生の意見を聞いてみると参考になることがあります。

記者:現在の小児のADHDの治療法や最新情報について教えてください。

高橋先生: ADHDは、脳内のドパミン、ノルアドレナリンといわれる神経伝達物質の異常が関与していることがわかっており、薬物療法が非常に有効ですが、これまで日本ではADHDに対して正式に認可された治療薬がありませんでした。2007年にコンサータ、2009年にストラテラが承認され、ようやく薬物療法が国際的なレベルになってきました。

また、CT、MRI、SPECT(単一光子放射断層撮影)、PET(ポジトロン断層法)などの画像診断により、ADHDでは前頭葉の低機能が報告されており、生物学的な基盤について、より多くの知見が得られるようになっています。

記者:ADHDは小児だけでなく、成人にも認められるということですが、成人のADHDについて教えて頂けますでしょうか。

高橋先生:ADHDの症状は、小児期にあらわれ、多くの場合、成長とともに症状は軽くなっていきます。18歳までに治療が不要となる患者さんの割合は、全体の3分の2くらいと言われています。18歳を超えて、成人してからも症状が続く場合は、成人ADHDと言われています。成人期になってからも症状が続くと、仕事や結婚生活でトラブルをかかえることが多く、社会生活上大きな問題になります。

小児のADHDの治療薬は、成人のADHDに対しても有効です。私のクリニックでも、成人ADHDの患者さんがおられますが、治療により症状の改善する割合が高く、治療を受けて仕事がやりやすくなった患者さんが多くおられます。

記者:ADHDの患者さんやその家族の方々へメッセージをお願いします。

高橋先生:これまでADHDは、性格の問題とか親のしつけの問題として片付けられ、病気とは認められていませんでした。しかし、近年、薬物療法が有効であることが認識され、治療の対象と考えられるようになりました。

病気と診断されることでショックを受ける方もいるかもしれませんが、病気であるということは治療の方法があると言うことです。そして、治療の効果は高い病気です。恐れずに、ADHDに詳しい医師を受診することをお勧めします。

高橋道宏 略歴

山形大学医学部卒業(1989年)、同大学院医学研究科を終了し、医学博士の学位を取得(1993年)。

山形大学医学部精神科神経科で講師、病棟医長として勤務。大学病院を訪れる患者さんの治療、医学生の教育、大学院生の研究指導などに従事した。

同大学関連病院の上山病院では、日本で生まれた代表的な心理療法として知られる森田療法を習得した。また、米沢女子短期大学では非常勤講師を務め精神保健の講義を担当した。

1996-1998に米国イェール大学 精神科(Department of Psychiatry, Yale University School of Medicine) に留学し、うつ病の治療薬について研究した。

2001年から外資系製薬企業の研究開発部門でうつ病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などこころの病気のための薬の開発にたずさわり、数々の治療薬を患者さんにお届けすることに成功した。

資格・所属学会

  • 精神保健指定医(厚生労働省)
  • 精神科専門医(日本精神神経学会)
  • 臨床精神神経薬理学専門医(日本臨床精神神経薬理学会)
  • 日本児童青年精神医学会会員
  • 日本心身医学会会員
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