スケーリング（歯石取り）: 歯の表面に形成された歯石やバイオフィルム（細菌が形成する薄い膜）を除去する処置。
歯石は、歯垢（プラーク）が固まって石灰化したものであり、通常の歯磨きでは除去できないため、「スケーラー」と呼ばれる専用の器具を用いて機械的に歯石を剥がし取る。手動のハンドスケーラーに加え、超音波スケーラー、圧縮した空気が振動するエアスケーラーなどがあり、歯の部位や状態に応じて使い分ける。
スケーリング後は歯の表面が滑らかになり、細菌が住みにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクを低減し、口臭予防効果も期待できる。
歯根部（歯周ポケット）の歯石除去であるルートプレーニングと合わせて行う場合が多く、スケーリングとルートプレーニングをまとめてSRP（スケーリング・ルートプレーニング）と呼ぶこともある。
毎日の丁寧な歯磨きに加え、スケーリングやルートプレーニングを定期的に継続して行うことで、プラークや歯石が付きにくくなり、健康な歯と歯茎の維持が可能になる。
歯周病の治療としてスケーリングを行う場合は保険適用になるが、口内清掃や歯周病・虫歯の予防を目的に行う場合には自費治療となる。

▼厚生労働省　e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-009.html
料金の目安: ≪保険適用あり≫ 3,000円程度 ※歯周病などを有し、必要な検査の結果、医師が必要と認めた場合。 ≪保険適用なし≫ 7,000円～20,000円程度 ※口内清掃および歯本来の白さを保つ目的で行う場合など。

診療科目

歯周病科、歯科

病気

歯周病、智歯周囲炎、歯肉膿瘍、歯肉炎、歯槽膿漏、歯髄炎、歯根膜炎、エプーリス

診療・治療法

軽度の歯周病治療 (677): 自覚症状の乏しい軽度歯周病の治療では、歯周病原因である歯に付着した歯垢（プラーク）を取り除くため、歯科衛生士による歯磨き指導や歯垢・歯石除去（スケーリング）などの歯周基本治療を行う。（原則、保険適用あり）
中度の歯周病治療 (664): 自覚症状が現れ始める中度歯周病の治療では、歯科衛生士による歯磨き指導や歯石除去などの歯周基本治療と、必要に応じて歯ぐきの切開を伴う歯周外科治療を併用する。（原則、保険適用あり）
重度の歯周病治療 (595): 歯周ポケットが6mm以上広がる重度歯周病の治療では、歯を残すための治療を前提とした「歯周基本治療」、歯ぐきの切開を伴う「歯周外科治療」、グラグラの歯を固定する「歯周補綴（ししゅうほてつ）」を行うが、場合により「抜歯」もあり得る。（原則、保険適用あり）
ローカルドラッグデリバリーシステムによる歯周病治療 (130): 必要なところに薬剤を働かせる局所薬物送達療法（LDDS）のこと。歯科では歯科医・歯科衛生士のプロケアのひとつとして、歯周ポケットに抗菌剤を直接流し込んで一時的に炎症を抑える。（保険適用なし）

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