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父がアルツハイマー病に。家族の判断で、早期発見・早期治療が大切です。

桜292  (50歳代・男性) 2016年10月05日
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病気
認知症
製薬
アリセプト細粒0.5%

現在85歳の父です。
2年前心臓の病気でひと月ほど入院しました。それまではシルバー人材センターの仕事、町内会の役員、老人会他、数々のグループに参加し、会合、旅行など楽しんでいました。しかしこの入院以後、体調を気にしてすべて参加しなくなりました。

それから1年くらいして、ホームセンターで同じ草取りの道具を繰り返し買ってきたり、自分で頼んだ通販商品が届いても、頼んだことを覚えていないなどの症状が現れ始めました。最初は高齢になればこのくらいは普通のことと思っていましたが、短時間に同じ話を繰り返す、ついさっき薬を飲んだのにまた飲んでしまう、探し物をしている最中に、自分が何をしているのか忘れてしまう…などの症状まで現れ始めました。

これは一度専門医に診せた方がいいだろうと家族で話し合い、物忘れ外来を受診することとなりました。結果は軽度のアルツハイマー型の認知症でした。前頭葉と側頭葉に委縮が見られ、記憶力の低下が問題となっていました。特に短期記憶と言って、新しい情報が記憶できにくくなっていました。半面、古いことはよく覚えているのです。

また食事が少し変わります。脳の働きが低下すると、食べるという命にかかわる行為は前より鮮明になるようです。まずは食事のスピードが速くなったと感じました。次に間食が増えました。朝食後、昼食後、夕方、そして風呂あがりにまでお菓子を食べるようになりました。

認知症は治すことはできません。進行を遅らせる治療になります。脳の働きをよくする薬を飲み、適度な運動と社会参加が大事だと教えてもらいました。市役所へ行き、介護認定を受けてデイサービスを受けることとなりました。認定を受けると包括支援センターの担当者が色々と相談に乗ってくれます。

自分の歯が多い人は認知症になりにくいと聞いたことがありましたが、父は虫歯になりにくい体質のようで、虫歯が全くなくて現在でも全部自分の歯です。認知症防止にクロスワードパズルを毎日やっていました。それでも認知症になりました。やはり家族以外の人との交流、社会参加が非常に重要ではないかと思います。

認知症を疑うにあたり一番大事だと思ったことは、一緒に住んでいる家族が受ける印象、家族の意見が大事だということです。認知症も初期の段階は四六時中おかしな行動が見られるわけではありません。むしろ普通に見えることがほとんどです。その中に、「おかしいかな?」と感じることがたまに起きる程度です。この段階では一緒に住んでいる者にしか異変を見つけることができません。

認知症を友人、親戚に相談すると、様子を見てあげようと家に来てくれたりします。しかしそこで2~3時間程度一緒に過ごすだけでは、特に問題と感じるような点は見られないでしょう。元気にハキハキと受け答えをし、大きな声で笑う姿を見て、「普通だよ」「心配いらない」「元気じゃないの」などと言って帰っていきます。これは認知症の早期発見、早期治療を遅らせる原因となってしまうでしょう。

認知症は治せません。治療を開始しても少しずつは進行します。従って早期発見、早期治療開始がとても大切です。そのためには訪問者の意見ではなく、一緒に住んでいる家族の判断が大事です。家族が変だと感じることがあるのなら、その段階で専門医を受診することをおすすめします。

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