RSウイルス感染症について: 冬に流行するRSウイルスによる呼吸器感染症。好発年齢は2歳以下の乳幼児で、咳、発熱、鼻水の風邪やインフルエンザと似た症状が現れる。初感染が一番重い症状となり、特に生後6ヵ月未満や心・肺に基礎疾患がある場合、早産児、免疫不全疾患がある場合、急性細気管支炎や肺炎など重症化しやすく、入院が必要なケースもある。大人でも感染するが、年齢が上がる・再感染するほど、症状が軽くなっていく特徴があるため、RSウイルス感染に気付きにくい。ワクチンはないため、乳幼児を感染から守るには、まずは家族がうがい・手洗い・消毒等の感染予防を積極的に行うことが大切。また、重症化するリスクが高い乳幼児には、発症予防・軽減化を目的として、遺伝子組み換え技術を用いて作られたモノクローナル抗体製剤のシナジス（パリビズマブ）注射を保険適応により接種可能。
関連病気: 急性細気管支炎

パリビズマブ（シナジス）予防薬 (22): 「RSウイルス感染症」の発症予防・症状軽減化を目的とした、遺伝子組み換え技術で作られたモノクロナール抗体（パリビズマブ／商品名：シナジス）の予防薬。RSウイルスが流行し出す前（秋頃）から、月1 回（約6ヵ月間）筋肉注射にて接種する。非常に高額な予防薬で、費用は接種する乳幼児の体重によって変わる。なお、保険適用は、RSウイルス感染症の重症化リスクが高い乳幼児（早産児・心臓や肺に基礎疾患がある等）のみ。