APS再生治療による変形性膝関節症の治療: APS療法は自分の血液を利用した再生医療のひとつ。薬物療法・リハビリなどの保存療法と手術の間の「第4の治療法」と位置付けられ、欧州では承認されている治療法だが、日本では今のところ保険診療が認められていない。
関節に特化していることから、主に変形性関節症（膝・股関節・肩・手・足）に適応され「次世代PRP療法」とも呼ばれる。
血液中の血小板から組織修復作用を持つ成長因子を活性化させた「多血小板血漿（PRP：platelet rich plasma）」と抗炎症作用のあるタンパク質を高濃度に抽出した「自己タンパク溶液（APS:Autologous Protein Solution）」を関節内に注入することで炎症バランスを整えて、痛みや炎症の軽減・早期治癒・軟骨変性の抑制が期待できる。
また、患者本人の血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応・重篤な副作用はみられにくい。患部（関節）の切開や入院は不要であり、採血・注射だけで治療できるので体の負担が少なく、高齢者でも治療可能。
APS療法は「ヒアルロン酸注射など保存療法を行っても痛みは取れないが、手術は避けたい」とする患者に有効。ただし、変形が進んだ重症例やリウマチ・がん治療中は適応外。
自身の血液を使用することから、効果は年齢・体調に左右され、個人差がある。一般的には注射後約1～4週間で効果が実感でき、効果の持続は6か月～1年程度とされる。
なお、APS療法は安全性に関わる法律が制定されており、APS療法などの再生医療の提供やPRP・APSなどの特定細胞加工物の製造を行う医療機関は、厚生労働省による「再生医療等提供計画の届け出」が必要となる。
料金の目安: 自由診療（300,000円～700,000円/回）※病院によって異なる

診療科目

整形外科

病気

変形性膝関節症

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