よくある乳児湿疹(脂漏性湿疹)があやうくアトピーになりかけて、完治まで時間がかかりました。
湿疹が始まったのは生後1週間過ぎた頃からでした。はじめは小さいポツポツが顔に少しできました。それが日に日に増え、生後1ヶ月の頃には顔、頭、背中が湿疹で真っ赤になってしまいました。背中や首まわりは湿疹から出た黄色い汁で服が汚れてシミになるほどでした。
痒みがあるようで、眠ってもすぐに起きてしまい、30分くらいおきに泣きグズって、まとまって睡眠ができていませんでした。
すぐに近くの小児科を受診したところ、ひどい方ではあるけれど、よくある脂漏性湿疹なので保湿をするようにとのことでした。
薬は3種類処方されました。顔はプロペト、頭はヒルドイドローション、体はパスタロンです。
ちょうど1ヶ月検診があり、産婦人科提携の別の小児科医の診察がありました。その医師からは、「お風呂での洗い方が悪いからこうなった。母親のせいだ、もっとしっかり洗いなさい」と言われました。
そして洗い方指導を受けました。頭も顔も、もっと強くゴシゴシ擦り洗いをして、お湯ですすいだ後にはガーゼでしっかり拭くように指導されました。
上の子がいて子育て経験があり、指導に疑問を感じつつも、医師もスタッフも洗い方のせいだという雰囲気でした。
湿疹が出てから洗いはかなり念入りにしていましたが、指導どおり更にしっかり洗いましたが、治る気配はありません。
再度、近くの小児科を受診したところ、顔用にステロイド入りの薬を処方されました。ステロイド入りの薬を塗ると、あっという間にきれいになりました。
その頃には生後2ヶ月ほどになっていて、背中の湿疹は落ち着きました。痒みがひいたようで、よくねむってくれるようになりました。
このまま完治すると思いきや、湿疹は治っては再発してを繰り返しました。背中の湿疹は治ったものの、顔と頭は治りません。痒みがあるようで、顔や頭をこすります。
生後2ヶ月を過ぎると、指を使って爪を立ててガリガリとかくようになりました。静止するとグズって泣き、少し目を離した隙に掻きむしって血が出ていることもありました。
ミトンをつけていても、強くこするせいで皮膚にダメージが出ていました。頭のよく掻く位置は円形脱毛のように髪が薄くなってしまいました。
生後2ヶ月半ごろ、また小児科を受診しました。医師に、こんなに治らないのに普通の乳児湿疹なのかと尋ねました。すると、これは違うよ、アトピー化しているよと言われてショックを受けました。
この湿疹とは上手く付き合っていくしかないと医師は仰いました。
よくある乳児湿疹と言われていたので保湿しておけば時間の経過で治るはず、この子はちょっと時間がかかるだけだと思っていました。それがアトピー化してしまったのです。
これから先、ずっと湿疹と付き合ってなんていられない、完治させたい!そう強く思い、専門医を受診することを決めました。
ネットで評判の良かった皮膚科を受診しました。
そこで、今までの症状の経過やケアについて話したところ、間違いだらけだったことを知りました。
まず1ヶ月検診の際に指導された洗い方は間違っていたこと。そして今まで使っていた薬はあまり効果がなかったと説明を受けました。
お風呂での洗い方は、強く擦りすぎるのは皮膚に負担がかかるためNG。ガーゼで擦る必要もない。泡で洗いしっかり流せばそれでいいとのこと。
小児科や産婦人科ではよくそのように指導するけれど、逆効果だと。皮膚のことは皮膚の専門である私(皮膚科医)の指示に従ってほしいとおっしゃいました。
これまでつけてきたプロペトという薬もイマイチだそうです。プロペトは皮膚に膜をはり乾燥の予防という面での効果はあるけれど、湿疹の治療には向かないそうです。
皮膚科で処方された薬は2種類。顔にはステロイド入りの亜鉛華軟膏とノギロン軟膏の混合薬、頭にはリドメックスローションでした。
薬を塗ると湿疹は落ち着いていきました。湿疹がなくなってもすぐには痒みがとれないようで、顔や頭をかくことがありました。
皮膚科には1週間ごとに受診をして、薬を塗る必要があるかどうかなどを症状を診察した上で指示を受けました。
選んだ皮膚科が自宅から距離があったため、毎週通うのは大変でしたが、医師の指示どおりに受診をして経過観察を受けました。
生後4ヶ月の頃にはすっかりと良くなり、無事に治りました。アトピーと言われた湿疹も、アトピーになることなくおさまってくれました。
たかが乳児湿疹と思っていたので近くの小児科に通っておりましたが、皮膚のことはきちんと皮膚科を受診することが大切だと痛感しました。きちんと通院して適切なケアを受けることできて良かったです。