Caloo(カルー) - 糖尿病から眼底出血を起こして。どんなに痛い思いをしても、元通りにはなりません。 : 病気体験レポート
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糖尿病から眼底出血を起こして。どんなに痛い思いをしても、元通りにはなりません。

雨雪307  (40歳代・女性)

オススメ: 1,677views 2017年11月01日投稿 6votes 3comments

私は20代の半ばくらいに糖尿病と診断され、投薬治療を始めました。
「20代半ば」と書きましたが、もしかしたらそれ以前から高血糖にはなっていたのかも知れません。
ただあまり病院へ行く機会がなかったので、体調の変化には全く気が付きませんでした。

体の不調を感じ、かかりつけ医に行った時には既にヘモグロビンA1cが13という数値でした。

そこで私はかかりつけ医から少し大きな病院へと紹介され、一週間ほどの入院をしました。
1200キロカロリーの食事制限と大量の飲み薬で短期的に血糖値を下げ、元の病院へと戻されました。

それから一年と少し経った頃。
ある日急に呼吸が上手く出来なくなり、かかりつけ医に駆け込みました。
そして前回とは別の、より大きい病院に緊急入院をすることになったのです。
そこで私は糖尿病と慢性肝炎と診断をされ、一ヶ月ほど入院をしました。
その際、同じ病院内にある眼科も受診したのですが、眼科医に「ゆくゆくは眼底出血をしそうな目をしているから、レーザー治療をおすすめします」と診断されました。

しかし当時の私は長い入院費用だけで精一杯、更に言えば『とてつもなく痛い』といわれている目のレーザー治療をどうしても受けたくなく、眼科医の治療案を辞退してもとのかかりつけ医に戻ったのです。

そこから数年後。
かかりつけ医で糖尿病の投薬治療は続けていたものの、眼科には全く行っていませんでした。

言い訳にしかなりませんが、その数年間の間に実母が地元の眼科で酷い経験をし、結果的に角膜損傷で失明をしてしまっているのを間近で見ていたので、どうしても眼科へ行こうという気持ちになれなかったのです。

そして五年前の夏、妙に視界がチカチカすると感じ、渋々新しく出来た眼科へ行きました。
そこで医師に「今すぐレーザーをやらないと大変な事になる」と診断されました。
ほんの数年のうちに、私の目の中は新生血管だらけになっていたようです。
流石に背に腹は代えられぬ……とレーザー治療を受ける覚悟を決めた矢先、私は高血圧で倒れました。

入院には至らなかったのですが、レーザーの予約は延期。
自宅療養をしている時、ついに私の目の毛細血管は破裂してしまったのです。

横たわって読書をしていた時、急に「バチン」と右目の奥に衝撃を覚えました。
そして視界がいつに増してチカチカと瞬き始めたのです。
直感で「あ、これが眼底出血というものなんだな」と思いました。
右目はチカチカしたなと思うと、今度は視界に赤黒い帯状のもやが漂い始めました。

その日は先日の眼科が午後休診日だったので、ひとまずかかりつけ医に午後イチで駆け込みました。
そして紹介状を携え、翌日に二度目の入院をした病院の眼科へと行ったのです。

そこでの診断はやはり「眼底出血」。
右目の視界に漂う黒いもや(翌日には赤黒から黒になっていた)は出血した血液だったようです。
その時の担当医いわく「出血してしまったものは、今から慌ててレーザーを打っても意味がない。治療の術もない。それよりこれから眼底出血を起こしそうな左目の治療を先に考えよう」とのこと。

その翌週から、私は毎週左右交互にレーザー治療を受ける事になりました。
レーザー治療の感想といえば、この当時はまだ「言うほど痛くないじゃないか」と思っていたくらい。
一回の治療で500~700発程度照射をしていました。時間にすると15~20分くらいです。

痛みはともかく、レーザー治療によって元々近眼だった目の視力がさらに落ちた事、極度の鳥目になった事、そして目玉を動かすと目の奥で白い光が一瞬走っていく様になった事の方が気がかりでした。

そしてレーザー治療を二ヶ月ほど続けた頃、担当医から「レーザーはそろそろ終わりにして、経過観察にしよう」といわれました。

経過が良ければ月に一、二回通院してくれればいい、といわれとても嬉しかったのですが、その数週間後……丁度お正月明けすぐの診察で「経過が最悪」と診断されたのです。

眼底出血をした右目の硝子体に増殖膜が出来、それが原因で網膜剥離を起こしているとの事でした。

短期間でここまで進行するのはいけない、と私はその病院から更に大きな大学病院へと急遽転院する事になりました。

大学病院では何人もの先生から代わる代わる診察を受け、あれよあれよという間に硝子体手術の予定が立ちました。
手術が行われるまでの間も通院と投薬・レーザー治療を続け、初診からひと月を待たずに手術をしました。

手術は眼球にオイルを入れるもので、二度手術を行わなければいけないものでした。
一度目の手術は硝子体の中の増殖膜を取り除き、剥がれかけた網膜を癒着させるためのオイルを注入するもので、ついでに白内障レンズの挿入もおこなってトータル四時間弱の手術でした。
二度目の手術はそのオイルを抜いて、水と置き換えるもので、二時間ほど掛かった記憶があります。
一般的な硝子体手術はガスや空気と水を使うものらしいですが、私の場合は剥離が酷かったのでより強く癒着させる為にオイルを使用する手術にしたそうです。
眼科の手術は基本的に局所麻酔で行うらしく、私ももちろん局所麻酔で手術を行いました。
目の麻酔は目薬のものと、眼球の下に注射するものの二種類を使いました。
お陰さまで痛みを感じることはほとんどありませんでしたが、一度目の手術が長丁場過ぎて途中麻酔が切れかかった時はちょっと痛かったです。
あと、術中にもレーザー照射をするのですが、この痛みは麻酔が全く効きませんでした。
個人差はあるのでしょうが、私にとってレーザーは「打てば打つほど痛みが酷くなり、麻酔も効かなくなるもの」といった認識です。

結果的に言えば、手術は大成功でした。
高血糖なので術後の経過が不安でしたが、悪化することなく済んだようです。

しかし私は他の人に比べ、新生血管が異常に成長しやすい体質だったらしく、とにかく目玉の隅々までレーザー照射はされました。

そしてその後、血管新生緑内障になりもう一度右目を手術する事になりました。
なので私の右目は視界がぐにゃぐにゃ、そして小さなステンレスが眼圧を正常に保ってくれている状態です。

糖尿病の合併症でもとりわけ多いといわれている、眼底出血と糖尿病網膜症はとても厄介な病です。

なんせどんなにお金をかけても、痛い思いをしても、「元通りになる」ということがないのです。
なので糖尿病と診断された人、糖尿病予備軍といわれている人は必ず眼科の受診をしておいた方が良いと思います。

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コメント(3件)

  • 適度に不健康
    雨雪307様、貴重な体験談読ませていただきました。わたしも糖尿→糖尿病性網膜症を患い、なんとかレーザー治療(左右3かいずつ)で、新生血管を焼いた者です。同じ病気を患われているので、お気持ちお察しします。私の場合は、レーザー後、4・5回、飛蚊症が現れては消えていくを繰り返しております。そのせいか視力もかなり落ち、免許の更新で「視力検査不合格」となり、なんとかメガネを作り直し、再挑戦の最中です。網膜の病気自体、痛みもなく気づきづらいのが難点です。見えずらさを自覚しつつ、約5年間放置した報いです。ただ、最悪の状態(失明)はなんとか回避できているようで、それに関しては、医学の進歩に対し、素直に有難いと思っております。

    雨雪307様も、症状からして、とても大変な時期であると思われますが、
    共に、この病気に打ち勝てるよう、お祈り申し上げます。どうぞお大事に。
    投稿:2017/11/26 18:11
  • 雨雪307
    >適度に不健康さん

    コメント有り難うございます。
    不健康さんも糖尿病網膜症という事で大変不便&痛い思いをしてらっしゃるようですね。

    確かに目の中の異変は気付きにくいのが難点ですね。
    ちょっとした異変があっても「目の治療怖い」「レーザー怖い」と思うと足が遠退いてしまいます。
    お陰でこの様な状態になったので、自己責任としか言いようがありません。

    が、どの眼科医にかかるかも大事だなと思っています。
    新生血管がニョキニョキする前、二度ほど視界の真ん中が見えなくなる症状が出て(一週間ほどで治りましたが)、その時個人の眼科に行ったところ「ただの疲れ目だよ」といわれビタミン入り目薬を頂きました。

    が、今思えばその頃から目の異常は出ていたんだろうなあ……と思っています。

    とにかくレーザー&手術で落ち着いていたと思っていた目が最近また悪化しているようで、先月から検査三昧の生活を送っています。
    今度は糖尿病による視神経の障害、らしいです。

    まずは糖尿病を落ち着かせねばですよね!
    めげずに頑張っていきましょう!!!!
    投稿:2017/11/28 10:36
  • (削除されました)

  • 雨雪307
    >m-mさん

    コメント有り難うございます。
    術後の目の不調、さぞ不安だったと思います。
    心中お察しいたします。

    担当医が変わるor転院するというのはとても勇気のいることなんですよね。
    私は最初に行った眼科(総合病院)から大学病院へ紹介され、そこで三回手術をした後に元の病院へと帰りました。

    そこからが大変で、古巣に戻って一年くらいは馴染みの先生に月イチで診察をして頂いていたのですが、昨年突然その先生が居なくなっており、代わりに着任した新しい先生に。
    その頃から視力が芳しくなく、目も痛くなって何度か予約外診察を受けたりもしたのですが、長時間待たされても「目の中に異常はありません」といわれるだけで終わり。
    月イチの診察も気が付けば三ヶ月に一回の診察に。。。

    もう何を訴えても駄目なのかな?と諦めてた今年の春には、また先生が辞めていて新しい先生に。
    この先生は「視力が落ちてるのは白内障のせいでしょ」で終わり。
    実際視力検査で視力が順調に落ちていってるにもかかわらず、「なんでもない」の一言。

    もうこのまま失明してしまうのではないかな……と諦めてた十月。
    なんとまた先生が変わっており、その先生に
    「この一年で物凄く視力が落ちているじゃないですか!視野も!なぜ詳しい検査しなかったんですか?」といわれてしまいました。

    「私はずっと「目が見えない」とこれまでの先生に訴えていましたけど」というと、そのまま眼科部長の先生の診察を受け(数年ぶり)、そこから視野検査や精密検査の連続の最近です。
    恐らく糖尿病からくる視神経の異常、らしいのです。

    何とも腑に落ちない現状です。
    本当にお医者さんとの相性?巡り合わせって大事ですよね。

    m-mさんも目を大事になさってくださいね!
    投稿:2017/11/30 08:54

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