激しい動悸の後、頭痛、顔面麻痺、右腕麻痺。脳梗塞ではなく一過性脳虚血でした。

私は冠攣縮狭心症という心臓疾患を抱えているため、心臓発作や胸の痛みを感じることはしばしばある。
ところが、今年の正月の早朝、経験したことのない激しい動悸を感じ、
心臓がバクバクし、心拍数がものすごく早くなっているのがわかった。
動悸が少し収まったかなと思うと、今度はひどい偏頭痛、
これも経験したことがない。加えて右側の顔面麻痺と右腕の麻痺が現れた。

右腕に力が入らなくなったとき、頭をよぎったのは「脳梗塞」だった。
テレビでも、若年性脳梗塞の話題が放送され、この症状はそっくりじゃないのか？と。
これ、「救急車呼ばないとまずいんじゃないか？」と考えはじめたころ、
徐々に麻痺がとれはじめ、痺れはあるが動かせるようになり、
時間の経過と共に症状が収まっていった。

午後には違和感が残るものの、動けたので、翌日の循環器科の主治医の診察を受けることにした。

循環器科にて、激しい動悸と頭痛、右顔面麻痺と右腕麻痺がしばらく続き、
数時間で収まったが、大丈夫なのでしょうか？、と疑問をぶつけた。
手を握ってください、動かしてください、しゃべってくださいとテストを受けた。
そして、症状が出て、今、何時間経っているか聞かれたので、ちょうど24時間くらいと答えた。
医師の判断は、今日、脳のMRIをとって、脳神経外科の診察を受けてくださいと言われた。
隣室で看護師さんとMRIの予約の話をしていると、
先生から「違う、違う！、今日、今すぐだよ。緊急でオーダー出して」と
看護師さんに大きな声で指示が飛んだので、状態よくないのかなぁ？、
と恐怖感が募った。
MRI撮影後、脳神経外科で、結果説明を受けた。
「異常ない、脳梗塞はないし、脳血管も非常にきれいで狭窄等も全くない」
「短時間、右半身の麻痺があったので、何らかの血栓が脳にいき、
短い時間で流れた一過性脳虚血だったと考えられる。」
正直、「脳梗塞ではなかった」とホッとした。
一過性脳虚血について説明をうけたが、脳梗塞の一歩手前の病気ということで、
今回は、運良く血栓がながれたが、狭窄してしまったら
脳梗塞になっていてもおかしくないと説明をされた。聞きながら血の気が引いた。一番懸念していた心臓から血栓が流れてきた可能性はありますか？、ときくと、
「動悸の後、短時間麻痺があり、他に血栓の理由が見当たらないので、
その可能性が最も高いでしょうが、詳細は循環器科の先生に相談してください」
とせつめいされた。

後日、循環器科にて、検査結果と、コメントを説明したところ、
現在も動悸は出てるか聞かれ、程度は小さくなったがあると説明すると
ホルター心電図検査をやりましょうということになった。

結果を聞くと、「不整脈が出てます。動悸のときはかなり頻拍になっている。
ただし、危険な不整脈である心室細動、心房細動のシグナルは出ていない」
「今回の結果からだけでいえば、年初の右半身麻痺につながる血栓が飛ぶような
理由はないが、当時のは症状が違うので可能性を否定はできない。
おそらく血栓が飛んで、直ぐに流れるといったことがあったのでしょう。
現状、致死性不整脈の兆候を把握できているわけではないので、
今後も不整脈には注意を払う必要はあるが、心配する必要はない」
と思います、という判断だった。
薬も、現在使用中のヘルベッサーR100から変更しなくてよいとのこと。

その後、動悸の頻度は下がっているし、麻痺といった症状は出ていない。
ただ、脈が取れないくらい早い(恐らく200以上)になる頻拍が散発しており、
冠攣縮狭心症の発作も含め、あまり楽観視できる病状ではなさそうである。

今回は気付くのが早かったし、主治医、病院の対応が非常に素早く行われ、
大事にならずに済んだ。
また、自分で病院に行くのをためらったら、
検査も進まず再発していたのではないか？、
と思うと恐ろしく感じている。はっきり言って運がよかったと強く感じている。
また、自分には、心不全や脳梗塞のリスクはかなりあることを自覚し、
行動を取る必要性を感じた。

脳虚血、脳梗塞の初期発見対応の重要性はテレビ等で報じられているが、
私の経験が参考になれば幸いです。