毎年行っている健康診断に組み込んでいる前立腺癌の血液検査(PSA測定)で、今回初めてPSA値が基準値を少し超え(基準値の上限は4.0で、検査結果は4.1台)、「泌尿器科への受診要」の結果になった。
...
毎年行っている健康診断に組み込んでいる前立腺癌の血液検査(PSA測定)で、今回初めてPSA値が基準値を少し超え(基準値の上限は4.0で、検査結果は4.1台)、「泌尿器科への受診要」の結果になった。
そこで当医院を受診し(以下、その担当医師を「1番目の医師」と言う。)、幾つかの検査を受けると同時に、私からMRIで癌が見つかるか検査したい旨を伝えた。当医院にはMRIがないので、他の病院のMRIで検査することになった。
MRIの結果が出たので、1番目の医師の診察を受けに行く。この時の私は、これまでの複数の検査結果を元に担当医の意見なり、今後どう言う診療になるか、あるいは診療に選択肢があるのなら、それぞれのメリット・デメリットを聞けるものと思っていた。
■その時の診察の状況は次のとおり。
・診察室に入るや否や、「MRIで癌が見つからなかった」との報告だけ受け、担当医としての意見・説明が一切なく、素人相手にいきなり「針生検(前立腺の数カ所に針を刺して細胞を抽出し、癌が見つかるかの検査)をするか決めろ」と言ってくる。
・思いもよらない要求に、頭が真っ白になり、また素人が判断するための情報を何一つ提供してくれないので、当然判断できなく、その場は沈黙が続く。
・早く判断しろよと言わんばかりの雰囲気になり、どのようなことを質問すれば判断するための情報を得られるのか分からなかったが、情報を得るために私から質問することにした。
・ただ、素人の私の質問に対し、知識豊富な専門家として分かり易く丁寧に返答しようとする配慮が全く見えなく、多少は誇張した言い方になるが「Yes」or「No」の返答しかしてこなかった。しかも、その後は、しょうもない質問するなと言わんばかりに「まだ質問するのか。忙しいから質問するな。質問は後1回のみ」と言われてしまう。
・こんな状況で針生検をするか判断できる訳もなく、MRI結果の写しを要求し受け取り、針生検の判断せずに無言で診察室を立ち去る(勿論、無言で立ち去る私に対し「どうするの」と確認することもなく無視していた)。
家に戻り即、MRI検査をした病院に事情を説明したところ動いてくれて、田谷医院の別の医師に診察してもらえるように調整した旨の連絡を受ける。しかし、この時点で、1番目の医師だけでなく田谷医院自体信頼できなくなっていたので、「別の医師に変わろうと、再度田谷医院で診察受けること自体苦痛なので、今後はおたくの病院で診察を受けることを強く希望する。」旨を伝えたが、「こちらは病院の紹介状がない患者を診察できない。」と断られ、私には別の病院の当てがなかったので渋々再度当医院の診察を受けることにした。
別の医師(以下、「2番目の医師」と言う。)の診察を受けに行ったところ、これまでの検査データを元に、「現状のPSA値は、(癌の)グレーゾーンの最も低いレベルなので、今針生検をする必要なし。6ヶ月後にPSA測定すれば良い。仮に癌だとしても6ヶ月後に転移してしまうことはないので、様子見で良い。」とのこと。素人判断であるが、根拠を添えて意見を述べてくれたので説得力を感じ、まともな医師に見えた。
なお、2番目の医師は1番目の医師が記載したカルテを見て、「今後の診療は"相談しながら進める"と書いてあるので、それに従い今日診察に来たのでないのか」と言っていたので、1番目の医師はカルテに事実を記載していないことも分かった。
1番目の医師のカルテ文面から察すると次のことが見えてくる。
私は1番目の医師の対応を受け、以後当医院にお世話なることはないと考えていた。一方、1番目の医師も同様に、無言で診察室を立ち去る私を見て、まさか再度診察を受けにくるとは思っていなかった筈である。なので、もし私が再度診察を受けていなければ、事情の知らない第三者がカルテを読めば「1番目の医師は患者と相談しながら進めて行くつもりでいたにも関わらず、患者の一方的な都合で診療に来なくなった。」と受け止めることになっていたのだろう。
その他にも、1番目の医師と2番目の医師で、次のことでも見解が全く異なっていた。
検査で前立腺肥大も見つかっていたので、PSA値が基準値を超えている原因として癌以外に前立腺肥大の可能性がないかと聞いたところ、1番目の医師は、前立腺肥大で基準値を超えることがないと断言していたが、2番目の医師は前立腺肥大でも基準値を超えることがあるとのことだった。
同じ医院でも、見解が全く異なるので、他の病院の医師の意見も聞いてみたが、2番目の医師と同様に針生検をせずに様子見で良く、前立腺肥大でも基準値を遥かに超える(10を超える)ことも有るとのことだった。
なお、MRI検査結果を聞きに行った診察は、前立腺肥大による原因を完全否定されたことにより、原因として癌の可能性が非常に高いと暗に言っていると受け止めた私に対し、針生検をするか否かの判断を迫っている状況であった。
また、1番目の医師に3回の診察を受けたが、この間も次のお粗末な対応を3回受けた。それに対し、クレームを出すと、その後の診察に影響を与えることを恐れた私はクレームを言わないだけでなく、また気に食わない表情をするのすら避けるように努めた。
◇1つ目
1番目の医師が市役所から通達されている必須の検査(直腸診)を省いていた。そのことを知った院長は、看護師に1番目の医師が日頃から省いているのかを確認していたが、他の患者に対しても同様なことをしていることがあるとのことだった。この時の診察は、院長から急遽1番目の医師に変わり別室に移り、私に対し医師としてお粗末な理由を述べていたものの、理由を適当に誤魔化していないと感じ、意外にも私はその時の態度に対し好感をもった。しかし今から考えると、院長にバレてしまったので、この場だけは深く反省しているような態度を取っていたと判断する。
◇残り2つ
健康診断の結果により当医院の診察を受けに行った訳だが、この初診で1番目の医師から言われたことは、「PSA値から癌の可能性が2割あり、低いと思うかもしれないが、私から見れば低くない。癌をなめるな。癌かどうか調べるには入院が必要になるが針生検するしかない。」と。
基準値をほんの少しオーバーしているだけだったので、軽い気持ちで診察を受けに行ったが、医師の話を聞いた私の受け止めは「想定外の大変な状況なんだ。」である。心配になった私は、針生検を行うべきか否かの検討に入る前に何か有効な検査がないのかと思い、ググってみたところMRIに辿り着いた。それによると、最新のMRIは精度が良くなり、前立腺癌を調べる1つの手段として有効であり、更に磁場の強さが1.5テスラから2倍の3テスラになると4倍の感度になることを知る。
そこで、1番目の医師の2回目の診察、つまり院長に手抜きがバレた時の診察に於いて、「針生検を行うべきか否かの検討に入る前に、MRI検査を希望する。」旨を伝えてみたところ、1番目の医師の同意を得て、他病院のMRI検査の予約を取ってもらうことになった。この時「3テスラのMRIを強く希望する」旨も伝えてあった。
その後、MRI検査の日時の連絡が入り、念のため私自身が予約病院のHPをチェックしたところ、1.5テスラのMRIしか導入していないことが分かり、その旨を1番目の医師に伝えると笑いながら謝っていた。そこで1番目の医師が再度別の病院の予約を取ることになった。同様なミスを2回続けることはないだろうと安心していたが、MRIの部屋に入る直前に念のため担当者に確認をして見ると、「田谷医院から3テスラの要望は聞いてない。それに、当病院の3テスラのMRIは古過ぎるので、1.5テスラを勧める。」と言われ、結局1.5テスラのMRI検査となった。私からすればお粗末な全く笑えないミスであるが、1番目の医師にそのことを報告するも、これも笑いながら謝り、ボソッと「MRI検査では癌は分からない。」とつぶやくように発言していた。つまり、「MRI検査は信憑性が低いので、3テスラが1.5テスラになっても大した問題でない。結局、癌の確認には針生検するしかない。」と言っていると受け止めた。
2回続けたお粗末なミスに対して、悪びれた様子をなく笑いながら形式的に謝る姿を見て、胸の内は非常に腹立たしかった。
なお、素人ならではの疑問かもしれないが、針生検は前立腺の数カ所の細胞を抽出し、そこに癌が存在するか調べるとの説明を聞いている。と言うことは無作為の抽出になると思われ、そうであるならば、MRI検査で癌が見つからなかった患者に対しも、なぜ無作為抽出の針生検が万全な手段のような発言するのかも不思議であったが、質問できる雰囲気ではなかった。
今後は様子を見ながら2番目の医師の診察を受けることも考えたが、このまま当医院で診察を受け続け、将来重大の病状になった時に間接的にでも1番目の医師が絡んでくる可能性があると思うと非常に怖い。今のうちに信頼できる病院を探し、そこで今後の様子を見るようにすべきと思っている。
1番目の医師の診察を受けて素人なりに感じたことは、この人は一体どこを向いて診察しているのかと言うことである。少なくともはっきり言えるのは、患者の方を向いていないのは明らかだった。患者のことを思い針生検を受けるように持っていこうとしているのでなく、何か別の理由があるように感じた。
また、今回のような診察時の対応は、後から冷静に考えれば素人でも容易に可笑しいと判断できる内容である。しかし、診察室と言う特殊な空間に於いて医師に対面で発言されると、その場では冷静な判断ができ難い。今回の診察中に於いて、医師の対応が何か可笑しいと感じることができたこともあり、その場で納得できないまま判断することを避けることができた。
この医師の行為は、自分の意見を全く述べず威圧的な対応をとるも、結果的には患者自らの意志(あるいは要望)で診療を決定したことになる進め方であり、単に丁寧さに欠けた言動と言うのでなく、巧妙な手法だと感じた。
来院時期:
2020年01月
投稿時期:
2020年03月
続きを読む